あらすじ
“あの人”との直接対決を経て
辛くも生還した大悟。
一方、警官隊が重装備で乗り込み、
刑事・金丸は村の制圧を確信する。
「終いじゃ、後藤家」
計画通りの筈だった、あの男さえいなければ。
一度溢れた暴力は更なる暴力を呼び、
遂に全てが暴発した、大騒乱の第7巻!!
「この村の人間は人を喰ってる」一つの疑念から始まる驚愕のサスペンスホラー…!
家族と共に「供花村」に引っ越してきた阿川 大悟は、村の駐在警官として働き始める。
村人達はよそものである阿川一家に対して暖かく接してくれるが、大悟は「この村の人間は人を喰っている」という言葉を残して失踪した前任駐在のことが気がかりでならなかった。それに追い打ちをかけるように阿川一家の周りでは不可解な出来事が起こり、ついに大悟は単独で捜査を始めるが…。
この作品、とにかく緊張感がすごいんです。特に、捜査を進めていく中で、村に住みながらも村人に対する疑念を募らせていくシーンや、「この村の人間は人を喰ってる」という前任駐在の妄言と思われていた言葉が徐々に現実味を帯びていくシーン。リアリティのある緊張感にじわじわと蝕まれていきます…。
また、シナリオもさることながら、絵もリアリティのあるタッチで描かれているため、まるで質の高い実写ホラー映画を見ているような感覚を味わうことができるのもこの作品の魅力です。
こちらの『ガンニバル』、ホラー好きの方は是非ご一読ください!
感情タグBEST3
ぐちゃぐちゃの大戦闘
これまでの心理戦や見えない暴力の気配から一転、警察対後藤家の大銃撃戦で無茶苦茶。生贄の子供達も救われたかと思いきや、ましろが身代わりに?
足りないのは何か
村社会における隔絶された環境が生む閉塞感と、門外秘として受け継がれてきた食人という因習。どちらも生かし切れていないのが残念。クールー病を絡めた謎解きも新鮮味がない。後半はバイオレンスの水かけで無理やり緊張感を保たせているようです。次巻でどう落ちをつけるのかが楽しみですが、それは物語本来の出来不出来とは関係がありません。
ひとつ足りないものを指摘するとすれば、それは「性的倒錯」でしょうか。地縁血縁にしても食人にしても、本来はとてもエロチシズムを感じさせる要素であるはずなのに、匂わせる要素すらない。逆に潔癖を感じさえする。残念です。