越前敏弥のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
傷を持つ私立探偵マクナイトは、タフとはいえず繊細なところがある。ハミルトンの世界に一作目から入ってみた。
私立探偵小説コンテスト最優秀作・アメリカ探偵作家クラブ賞・アメリカ私立探偵作家クラブ賞受賞作
と沢山受賞している私立探偵が主人公。他力本願ながら何かの受賞作なら初めて読んでも安心かなと買ってきた。
ハミルトンもデビュー作からと思いながら読み始めたが、面白かった。
警官であるからには覚悟はしていただろうが、やはり撃たれたショックは大きい。立ち直れないでいるが人生は続いていく。マクナイト、彼の弱さも含めて魅力的だ。
シリーズが三冊出ているらしいので、これもリストアップ、そのうち続きを読んでみようと思った。
一方、いつの間にか机の隅で風景の一部になりかけている、話題のころに買ったハミルトンの「解錠師」や再読予定の「ライ麦」もちょっと気になりつつ。
マクナイトの胸には、ローズという男に撃たれた弾が残っている。彼が撃たれた時にパートナーが死んだ、それが深い心の傷になっている。
彼は二年後に警官を辞め、父親から譲られたミシガン湖畔のロッジを管理して暮らしている。
そこに知り合いの弁護士から、私立探偵にならないかと誘われる。
暫くして二人の賭け屋が殺される。そして終身刑で刑務所にいるはずのローズから手紙が来る。
ひょんなことで友人になった男は莫大な資産家の跡継ぎだったが、ギャンブルにおぼれ、その上、掛け屋の殺人現場に居合わせ、マクナイトに助けを求めてきた。
彼の友人の妻とマクナイトはかって愛人関係にあり、今でも吹っ切れていない。
一方、刑務所にいるはずのローズの手紙は外部のものは知るはずのない部分まで書き込んであった。
賭け屋が殺され、追われるものがなくなったはずの友人も行方が分からなくなる。
マクナイトは、若い頃マイナーリーグでキャッチャーだったという前歴があるが、肩を痛めて警官になり一度の挫折は経験済み、だが相棒だった同僚の死の記憶に今でも縛られている。
タフガイでもなく銃を向けることにも躊躇するマクナイトという探偵は、少々頼りない、主人公としてはあまりないタイプだが、いざとなれば拳と頭は働く。
作者が主人公に入れ込みすぎてない分それぞれの人物の輪郭が鮮明で、背景もいい。
読者の推測に沿っているかと思えば、はぐらかされる腕も納得できる範囲で、最後のページをまだ残すところで解決の兆しが見えるという型どおりの作品だが、ここにきてから解決の開放感を味わうのも楽しいと思う。
サブの登場人物も癖があっていい味だし、愛人とはこれからどうなるのかな、などとおせっかいながら読み終えた。 -
Posted by ブクログ
ダン・ブラウン読書期間なので10年以上ぶりに再読
コンクラーベについて書かれているということ以外すっかり忘れていたけれど、美術、宗教象徴学はもちろんイルミナティ、科学と宗教について内容は多岐に渡っていた
私はずっと科学と信仰が対立するもの、相反するものという考え方が理解できなくて
科学が発展するまで世界の不思議に対する答えを出してくれていたのが宗教や信仰
科学は世界の不思議に答えてくれるだけでなく、世界の美しさや奇跡(=神の偉業)を証明するもの
だと思っているので、手を取り合えるものだとなんとなく思ってきたので、ここまで相反する考え方もあるんだなとしみじみした
たしかに科学の解明で夕日はただの波長と周波数に成り果てたのかもしれないけれど、それでも夕日は綺麗だし、その綺麗さは奇跡的じゃないか、と思ってしまう
ただ、カメルレンゴが言うように傲慢な科学に対して忠告や自戒を諭すのは宗教が果たしている役割のひとつで、それに対してほとほと疲れたというのは現代宗教の本音だろうな
まぁこの小説の中ではカメルレンゴは信仰というより教会という枠組みや構造が大事だったのだろう
思い詰めたときに聞こえる“神の声”は自身の心底の本音なんでしょうよ -
Posted by ブクログ
Audible!!
オプス・デイとかシオン修道会とか宗教系の話が盛り盛りで、キリスト教文化に浸かってないんでこの導入で一歩引いた感はあった。
でも読み進めるうちに、その警戒心はわりとすぐどうでもよくなった。
暗号が出てきて、仕掛けが出てきて、謎が次の謎を呼ぶ展開が続くので、
気づけば完全に“謎解きゲーム”感覚で聴いていた。
クリプテックスまわりのギミックは特にズルい。
あれはもう、設定だけでワクワクさせに来てる。
さらにテンションが上がったのが、
ルーブル美術館やモナ・リザなど、ガチで知っている場所や作品が舞台に絡んでくるところ。
美術が好きだと、「はいはい、ここね」と脳内で勝手に風景が再生されるから、物語への没入感が一段階上がる。
パリの描写もやたら具体的で、聴いているだけでパリ旅行の思い出が蘇ってきた。
んで、ラストに近づくにつれて、物語のトーンが少しずつ変わっていくのもよかった。
ずっと張り詰めていた糸が、最後にふっと緩む感じ。謎解きで頭を使わせておいて、最後はちゃんと“感情の着地”も用意してくるあたり、
エンタメとしてのバランス感覚がさすがだと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ母と姉のカットとともにニューヨークの叔母グロリアを訪ねたテッド。いとこのサリムとも再会し、一行はグロリアの勤務先であるグッゲンハイム美術館へと出向く。だがそこで火事騒動があり、著名な絵画が盗まれるという事件が発生する。そしてあろうことか、グロリアが逮捕されてしまう。
そこでテッドとカットとサリムは、グロリアを救うため捜査に乗り出すことに。
初めて訪れたニューヨークでいろいろなことが気になり、気が散ってしまうテッド。挙げ句の果てには迷子にもなってしまう。それでもテッドは戸惑いの中で少しずつ成長し、最後には見事に事件を解決する。ますますチームとして結束する三人だが、姉としてのカットの葛藤も描かれていてより深い人間ドラマになっている。登場人物が前作よりも増えたところに、テッドの世界の広がりを感じる。
残念ながら原作者が若くして亡くなってしまっているため、その意志を継いで書かれた作品。難しいかもしれないがシリーズとして続いてほしいところである。 -
Posted by ブクログ
読み終わった!面白かった!
親の影響で映画は見ており大好きな作品!子供の時に西洋!教皇!コンクラーベ!と興味津々になった作品!ダビンチコード、悪魔と天使がきっかけで西洋文化に興味をもち、趣味は海外旅行になった今に通じる。先日ダビンチコードを読み、今回はこちらの作品を読み終えた。
神と科学は相反するものだけどそれが同じだと感じた時人はどう思うだろうか
技術が進歩して自然の摂理ではできないことを人間の技術で可能にしていく現代で、この問題は自分も疑問に思うところがある
できないことを可能にする
果たしてそれは良いことなのか、良いことだとしても許されるのだろうか、幸せなことなのだろうか
ミステリーでありながら医療技術に携わる自分自身にも語り掛けられる内容であった
美術、ミステリー、歴史、科学
また読みたいと思う本だった
ラングドンのミッキーマウスの時計が出てくることを楽しみにしている人は私だけではないはず -
Posted by ブクログ
ラングドンシリーズ
今回はスペイン
元教え子のカーシュからの招待で
ビルバオのグッゲンハイム美術館へ
そこでカーシュが人類最大の謎を解き明かす
はずだった
カーシュは狙撃され
ラングドンと美術館長であり
スペイン国王子の婚約者である
アンブラと危険を感じて逃げ出す
カーシュは事前にカトリック司教
ユダヤ哲学者、イスラム学者
と発表の内容について相談していた
その内容とは?
「われわれはどこから来て、どこへいくのか」
宗教者にとっては
どんな意味がある内容なのか?
カーシュの作り上げた人口知能
ウィンストンとともに
また、逃亡が始まる!
またしても、誰が敵か味方か
ワクワクが止まらない
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Posted by ブクログ
長い旅は終わった
最後はイスタンブールへ
ゾブリストの思いがせつない
誰よりも人類を愛しんでいたのではないかと思う
愛に溢れた天才
そしてダンテもこよなく愛し
未来のために
世間に愛されない自分を
自ら消し去る
ラングドン教授は今回も
えらい目に遭いながら
謎を解いていく
辿り着けるように謎解きを残した
ゾブリストは
やっぱり憎めない
誤解が誤解を呼び
誰が敵か誰が味方か
いつも通りわからないまま
なんだか今回は
誰も悪くはないと思わざるをえない
この本が出版されたのが
2013年
今、2026年
日本のことしかわからないが
少子化の波は止まるところを知らず
‥‥
今夜も星は瞬いているだろうか
‥‥星々が -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公テッドと姉のカットが見守る中30分かけて戻ってきたロンドン・アイから、いとこのサリムは忽然と姿を消した。二人は様々な仮説を立てては検証を繰り返し、サリムの行方を追う。いったいサリムはどうやって姿を消し、どこへ行ってしまったのか。この謎をひたすら追い求めるのでストーリーそのものはシンプルだが、その間に様々な伏線が張られていて面白い。テッドは相手の心の機微や言葉の奥に潜む思いを理解するのは苦手だが、難しいことを考えるのが得意。そんなテッドの視点で話は進むので、軽妙でユーモラス。
普段は意地悪な姉カットと協力する中で、不器用で一生懸命なテッドが吐く嘘にグッとくる。推理はもちろんのこと、サリムが姿を消した動機などストーリーも面白い。
帯にあるように、登場人物も少なく読みやすいので海外ミステリーが苦手な人にもおすすめ。
テッドによる物事の描写がとにかく面白い。
・サッカー選手の契約を奴隷の売買と同じように捉える
・「舌をウナギみたいにからめるキス」
などなど。
こんな素晴らしい作品の著者がすでに亡くなってしまっているのが悲しい。