あらすじ
文豪としてのチャールズ・ディケンズの名を世界的なものにならしめた不朽の名作。クリスマスの物語として毎年一篇ずつ書かれたクリスマス・ブックの第一作で、発表後まもなく驚異的な大ベストセラーとなった。
クリスマスの前夜、老守銭奴スクルージのもとに、「過去」、「現在」、「未来」の三幽霊と、昔の相棒マーリーの幽霊が現れ、これまでスクルージが行ってきた冷血非道な行いの数々を見せる。それでも最初は気丈にふるまうスクルージだったが、やがて自分の人生の空虚さに気づき、改心して真人間の生活に立ちかえることを決意する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
過去・現在・未来を見せる精霊たち。強欲で冷酷で無慈悲なスクルージ老人の見に起こる不思議な導きのお話し。
変わってしまった今の自分を過去を振り返ることで忘れていた感情を思い出し、現在の自分を変えることで、未来を明るく照らすことができるー。
150ページ程の薄さで読みやすく、毎年クリスマスの時期に読み返していきたい大切な一冊です。
Posted by ブクログ
よくある話だよね、というのが感想。当時の時代背景から、こういう嫌儲みたいな物語やクリスマスを祝う文化がイギリスでは斬新だったんだろう。「よくある話」の先走りみたいな感じなのだろうか。
Posted by ブクログ
仕事と私事問わず全ての他人に対して辛辣に当たる老守銭奴スクルージ、そんな彼にもクリスマスが訪れます。
しかしスクルージはクリスマスという日もそれを楽しむ他人も、更には人生そのものも「くだらん!」と一蹴してしまう始末。
しかし彼の前にかつての意地汚い共同経営者の幽霊が現れ、同じ轍を踏まないでほしいと訴えます。
過去から未来を見ることになるスクルージは、現在の積み重ねが未来に影響して自分が死んだ時に周りがどう反応するかを目の当たりにします。
絶望し現在に戻った彼は改心し…。
良い大人になることは難しく思い描いている通りにはなりませんが、反省することをやめてはいけないと感じました。
Posted by ブクログ
人は何歳になろうが、死の影が半分背中まで迫っていようが、気づきと覚醒を経たなら、また新たな人生の旅路に向けて歩き出すことができる。スクルージの腐りかかった心も、精霊や、クリスマスの温かな情景を通じて、溶け去っていったように。
Posted by ブクログ
クリスマスが待ちきれず10月に買って読んでしまった。話は王道ではあるけれど、クリスマスの精神と、人はいつからでも変われるのだということに心温まる。寒いからこそ、家族で過ごす温かいクリスマスが好きなのかもしれない。
Posted by ブクログ
主人公であるスクルージは、お金ばかり大切にし、無愛想で周囲の人々と友好的な人間関係を築こうとしない。そんな彼のもとにクリスマスイブの夜、かつての共同経営者であったマーリーの幽霊が現れる。スクルージは突然の事態に驚きながら、3人の精霊と共に過去、現在、未来の自分、そして周囲の人々を巡る旅に出るというファンタジー作品。
今作の面白い点は、主人公が精霊たちとの旅を通して、それまでの自分の行いを反省し、その後はしっかり改心した行動を他者に対してとる点である。個人的には、彼が老人でありながら人として変わろうとしたこと、それを確かな行動に移したこと、そして最終的には「クリスマスの正しい祝い方を知っている人」として人々に認められたことから、人はいくつになっても変われることを改めて感じさせられたし、自分もそのマインドを忘れてはいけないと思った。
Posted by ブクログ
本作は、ケチで冷酷な老人スクルージが、クリスマスの夜に幽霊たちと出会い、過去・現在・未来のクリスマスを見せられることで心を入れ替える物語です。
幽霊たちの導きによって、スクルージはかつて自分にも温かい繋がりがあったこと、そしてそれを自ら手放してしまったことに気づきます。過去の幸福と現在の孤独、そして未来に待ち受ける恐ろしい結末。それらをきっかけに改心し、クリスマスを心から楽しめるようになる姿は、読んでいて素直に嬉しくなります。
また、文章が非常にユーモラスで、時おり作者自身が読者に語りかけてくる独特のスタイルも魅力的です。読み聞かせにぴったりな作品だと感じました。
さらに、本作はイギリスにおいて、クリスマスを祝う習慣を復活させたと言われている点も興味深いところです。
その評判通り、人が変わることの喜びを暖かく伝えてくれる、不朽の物語だと思いました。
Posted by ブクログ
スクルージと一緒に自分がどこから来て何を感じていたかということを考えて自分の原点に立ち返らせてくれる様な本。
誰もが、一皮下には複雑な思いや事情を抱えていたりするもので表面的に評価を下してはいけないんだと戒めてくれる