あらすじ
ロンドンで暮らす12歳のテッドは、夏休み、家族とともにニューヨークを訪れた。おばのグロリアの案内で、休館中のグッゲンハイム美術館を見学できることに。しかしまもなく、館内に煙が漂い始める。火事だ! テッドたちは館外へ逃れたものの、驚愕の事実が判明した。騒動のさなか、カンディンスキーの名画が盗まれたのだ。疑いをかけられたおばを救うため、テッドは「ほかの人とはちがう」頭脳によって、犯行が可能だった人物を絞りこんでいくが……。少年たちの推理が爽やかに胸を打つ、『ロンドン・アイの謎』続編の傑作謎解きミステリ!/解説=川出正樹
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Posted by ブクログ
母と姉のカットとともにニューヨークの叔母グロリアを訪ねたテッド。いとこのサリムとも再会し、一行はグロリアの勤務先であるグッゲンハイム美術館へと出向く。だがそこで火事騒動があり、著名な絵画が盗まれるという事件が発生する。そしてあろうことか、グロリアが逮捕されてしまう。
そこでテッドとカットとサリムは、グロリアを救うため捜査に乗り出すことに。
初めて訪れたニューヨークでいろいろなことが気になり、気が散ってしまうテッド。挙げ句の果てには迷子にもなってしまう。それでもテッドは戸惑いの中で少しずつ成長し、最後には見事に事件を解決する。ますますチームとして結束する三人だが、姉としてのカットの葛藤も描かれていてより深い人間ドラマになっている。登場人物が前作よりも増えたところに、テッドの世界の広がりを感じる。
残念ながら原作者が若くして亡くなってしまっているため、その意志を継いで書かれた作品。難しいかもしれないがシリーズとして続いてほしいところである。
Posted by ブクログ
これは作者の死後に出版された本である。元々の作者、シヴォーン ダビドは、前作、ロンドンアイの謎を執筆し、12歳の名探偵、テッド スパークを華々しく活躍させたわずか数ヶ月後にがんによって亡くなった。彼女の構想メモをもとにしてロビン スティーブンスがこの本を書き上げた。その内容や書きぶりは、まさにシヴォーンが生き返ったような出来栄えだ。自閉症スペクトラムの少年として生きづらさを抱えるテッド。家族は、彼をとても愛しているが、ときには理解が難しい時もある。弟にばかり愛情が偏っていると感じる反抗期の姉。でも、従兄弟も協力して謎を解決していくうちにそれぞれが成長していく。さらに、テッドの個性を発揮して謎を解き明かすさまは、本格的ミステリーとしても充分読み応えがあった。続編が読めないのが本当に悲しい。ご冥福をお祈りします。
Posted by ブクログ
前作「ロンドン・アイの謎」から3ヶ月後、舞台はNY
前作よりもテッドの成長が加速していて
自分で考えて行動したり
自分から嘘をついたり
ちょっと、微笑ましいどころじゃなくなっている。
登場人物が増えたし、いろんなことの蘊蓄があったりして、相変わらず読みやすいは読みやすいけれど、少しハードルが上がりすぎてしまっていたみたい。
前作を読んでいても思ったけれど、大人(親)たちが、子供の話に耳を傾けなさすぎていて、モヤっとしてしまった。
カンディンスキーの絵は、わたしには刺さらなかった。
Posted by ブクログ
全作ロンドン・アイの謎がとても面白く、再びテッドとカットが見ることが出来るという喜びもあって期待値が上がりすぎた。
それもそのはずで、原案者が若くして亡くなってしまったこともあり、作家が変わってしまったからだ。
それでも設定やキャラをしっかり研究した上で練られているだけに再現性は見事だと思う。
今回はニューヨークにいる叔母グロリアといとこのサリムを訪ねることで、物語が始まる。
グッゲンハイム美術館で盗難事件が起き、働いている叔母が疑われてしまい、それを晴らすためにテッド、カット、サリムが奔走する。
良くも悪くもテッドが3ヶ月でとても大人になっていて、人が使う比喩表現を理解して自分も敢えて使ったりだとか、あんなに嫌がっていた嘘を平気でつけるようになったのは驚きなのだが、大切な人のためならと割り切れるようになったようだ。
肝心なミステリーにおいては、慣れてる人ならほぼ序盤で犯人はわかるし、手口や動機も大体予想がつくので驚きは皆無だった。その点が大きくマイナスというか、テッドの独特な視点がなくても解決出来ないか?とは思ってしまった。
警察の調べが甘すぎる設定がなんとも…
それでもテッドとカットの付かず離れずの姉弟愛というか絆が凄く再現出来ているからそこは変わらず良かった。
カンディンスキーの絵も検索したくなる。
"あの絵はひとりの人間の一部だったんだ。"
このテッドの言葉が印象的。
人が昔の絵画に魅了されるのは、間違いなく存在した画家の脳を現代で観られるからだと感じた。