越前敏弥のレビュー一覧
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「日本人だから」という大枠で語ることを控えると、もともとあまり触れてこなかったという理由で「罪」「主」「教会」といったものに造詣が無い。よく分からない。そもそも信心深くない。起こっている事態が「派閥争い」「権力闘争」と落とし込むことではじめて、理解がなんとなく出来る。それは普遍的なものだから。「神」自体が普遍的なものであるか?その議論はここではしない。
聖杯=女性、飽くなき肉欲への探求をテーマとした物語がめちゃくちゃある。『トリスタン』『眠れる森の美女』『白雪姫』馴染み深いものがほとんどだ。裏テーマというか本質がそこにあるという。すごい。辻褄が合う。
興味深いが教義が云々、宗派の思想云々は -
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ネタバレシリーズの定石通り、今作もラングドンは満身創痍になりながら、美女のパートナーと暗号解読に勤しみます。
ラングドンは警察関係者や探偵ではないから、事件と関わりを持たせるために、知人が被害者や犯罪者になりがちです、、笑
思わせぶりなストーリー展開がやや読みづらく、途中で他の本で休憩しながら読み通しました。
ばら撒かれたウイルスとは共存の道を歩むことになるのか、(ばら撒かれないよう阻止されると思ってた、関係者全員の徒労感を思うと労いたい気持ちでいっぱいになります)前作同様作者の思想が色濃いようにみえる結末です。
作中で触れられていたイタリアの建築やダンテについて興味が湧いたので、視覚情報を補完する -
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ネタバレ「ロンドン・アイの謎」を読み終えた。短時間でさっと読めて、満足感も高い良書だった。
作者は本書の刊行後に亡くなっているため、ほかの作品を読むことが難しいのが残念だが、本書の物語を別の作家が書き継いだものがあるらしいので、そちらも読んでみたい。
本書の最大の魅力はキャラクターにある。
登場人物をむやみに増やさずに絞り、それぞれに異なる個性を与えている。
とりわけ自閉症スペクトラムを抱える主人公の特性を、ラベルとして示すだけでなく思考様式まで描写しており、その点が見事だ。
この描写がどれほど現実的かは分からないが、物語を読み進めるうえで十分な説得力があった。
ミステリーとしての構成も丁寧で、謎 -
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ヤングアダルト向けジュブナイルミステリー
約20年経って翻訳されたようだ
背表紙と扉ページの両方にあらすじが書いてあるのが創元推理文庫の特徴だが、さらに、著者とは別の人が書いた序文もあった
まあまあなネタバレと結構なヨイショぶりだが大丈夫か?どれどれ
はい。面白い
探偵役はサヴァン症候群で、社会性の一部は欠落しているが特定分野で才能を発揮
珍しくはない人物造形といえるがその特徴がイギリス人のイメージに沿っているのが良い
後半に登場するキーパーソンの人間関係にやや後出し感はあるものの、謎解きはフェア
序文に触発されてアレを数えるだろうし
その序文を書いた方が遺稿を続編として完成させた -
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【あらすじ】「我々はどこから来たのか?どこへ行くのか?」
壮大な問いを掲げた未来学者が発表直前に殺され、ロバート・ラングドン教授がその謎を追う。舞台はスペイン。人工知能と宗教、科学と人類の未来が交錯する物語。
【印象に残ったこと】
「信仰とは、証明のいらない確信だ」
AI「ウィンストン」の冷静な思考と、人間の情動との対比が面白い。
グッゲンハイム美術館でのプレゼンテーション描写はまるで映画のようで、脳内で映像が再生されたほど臨場感があった。
【メモ】
バルセロナ、マドリードは行ったことがあるので、読みながら写真を見返し楽しかった。まだまだ知らないところがたくさんある。著者の知識には毎回驚かされ -
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レビューを拝読し、気になっていた作家さん。
SNSで文庫化の告知を見掛け、本書の発売を知り手に取った。帯がアツい!
12歳の少年テッドが、大きな観覧車ロンドン・アイで行方不明になったいとこのサリムを探す物語。
翻訳小説の割には登場人物が少なくて、とっても読みやすかった。
主人公、テッドのユーモア溢れる語り口調がクセになる。
数字についての拘りがとにかくすごくて、時折クスッと笑ってしまった。
本書は児童向けミステリ。
でも児童向けだと侮ることなかれ。
真相にたどり着くための手がかりは分かりやすくあちこちに施されているし、なんなら正解も描かれているのに、私は全然分からなかった…!
真相が分か -
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人類はどこから来て、どこに行くのか?
著者ダン・ブラウンが本作の中で提示した解、主人公の死から始まる謎解きと活劇、伏線、最後のどんでん返し?も面白く堪能しました。
科学と宗教、いずれも大いなる自然に対する疑問から発展したものですが、肥大化し、形骸化された宗教や今も続く盲目的な帰依に対し、この先科学がAIによる発展の中で宗教を超越するのか分かりませんが、科学的真理に大いなる何かの存在をどうしても想像してしまいます。
AIと人類の融合の未来がどうなるのか、行くつく先も想像出来ませんが、今より進んだ世界と人類があり、それでも超越した存在である神を信じる人間の心が残るのだろうと思います。
本当に人類は -
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ネタバレまた日本人には馴染みの薄いマザーグースの歌になぞらえた殺人ネタかと思いながら読み始めたものの、今回歌はそこまで重要では無かったので読みやすかった。(分かった方が中盤なんかは面白いのだろうが、分からなくても真相的に問題なし)
また、おかしな家族の話なのでYの悲劇を思い出しつつ、キャラクターが分かりやすくて良い。
靴の像の前で決闘する画というのもシュールだが、エラリー含め何人も立ち会っている最中、普通に射殺されて死んだが犯人が分からないという(弾を抜いたはずなのに誰かがいれた)若干捻った事件も面白い。
落ちは2段構えで、結婚式の最中にエラリーが気づいて中断させるのもドラマ的な演出で、〆は新しい人