越前敏弥のレビュー一覧

  • ダ・ヴィンチ・コード(中)

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    中巻。
    ラングドンとソフィーが駅から逃亡したと見せかけてタクシーに乗ったところから、ティービング・執事・シラスとともに飛行機でイギリスに逃亡するところまで。

    今回もストーリーの中でたくさんの学びがあった。名画「最後の晩餐」に隠された色々や、イエスとマグダラのマリアの真実や、ウォルトディズニーが作った映画が暗喩しているもの、秘密結社の儀式について…等。

    無事にラングドン達が逃げ切れるのか、真実を明らかに出来るのか気になる。

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    2023年01月08日
  • 天使と悪魔(下)

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    ネタバレ

    上→中→下巻と徐々にギアが上がっていく感じがする。そういうことかも…?やっぱら違う?やっぱりそう??違った?合ってた!みたいな、読み手の感情の揺さぶりが上手すぎる。

    伏線回収と展開がとてもよかった。どうしても宗教的な概念は、育った環境が違うと理解しにくい部分ではあるが、例えに仏陀の話がほんの一部だけ入っていたのは、仏教が馴染んでいる日本人には受け入れやすかった。映画化とそれが世界へ広まることをあらかじめ狙っていたと思われる。アクションの書き方も含めて、ラングドンがより命の危険を伴う内容なので、これは改めて映画も観たくなる、秀逸な戦略が練り込まれた作品。
    事実が最後の最後に明らかになるまで、気

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    2022年12月04日
  • 生か、死か

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    人を溺れさせる仕組み
    「金と権力」。この物語は検事、警察、FBIが結託し、現金輸送強奪襲撃事件の真相証拠書類を改竄、不利となる確たる証拠を隠滅させ莫大な金を奪い取ったミステリー事件だ。その裏には大金を隠し持ったという嘘を仕立てられ犠牲者(犯罪者)となり10年の投獄を科せらる。だが、最後の日の前日に脱獄する。背景には家族と金が絡む。人は時代が変わっても「金と権力」には弱い。現代、世を創る、守る側がその一端に加担するケースが多く、世間に告発する者がいない限り闇の中だ。政治家を含め暗黒の世界に足を入れた者は永遠に安楽な夢は見ることができないだろう。

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    2022年11月13日
  • 不吉なことは何も

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    ショートショートの名手F.ブラウンのミステリ短編集。読んでいて楽しい。笑えたのは「ティーカップ騒動」でニヤニヤできるのは「生命保険と火災保険」
    「さまよえる少年」はじんわり優しく「サタン1.5世」はホラーサスペンス寄り→

    「象と道化師」は童話感あるし、表題作の「不吉なことは何も」はオチが秀逸。
    中編の「踊るサンドイッチ」はミステリとしても良作。ラストがいいんだよねー。
    80年ぐらい前に書かれた話なんだけど、新訳でとても読みやすくなっているので、海外ミステリ初心者にもオススメ。

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    2022年11月11日
  • 解錠師

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    主人公が喋らないからこそ、人の感情が間近に感じられたり、スリリングなシーンの緊迫感が増されたりしていました。
    解錠を芸術的に描いている分、主人公がより芸術家気質な人に見えてくるのですが、
    それが犯罪に繋がり、どんどん大変な事態に巻き込まれてしまうのがつらいところです。

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    2022年10月15日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    ネタバレ

    エラリー・クイーンの越前先生による新訳。

    ライツヴィルでの事件にまた引き込まれてゆくエラリー。迎えに来たのはなんと!穢れを知らぬ世間に染っていない女性、リーマ。

    この本の印象を一言で後々語るとしたら、
    連続殺人事件でもなく、童謡による見立て殺人事件でもなく、え?と思わせたおとり捜査でもなく、一言!リーマという女性の登場!でしょう。
    魅力的で理知的で妖精のよう。
    これまで読んできたクイーンの本に中にこれほどの女性、でてこなかったですよね。

    さて、事件はのことは、と言えばまた最後に切なさの残る…とだけ記しておきます。

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    2022年09月20日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ライツヴィルでの事件を扱うエラリー・クイーン。三作目。
    大富豪とその若い妻、そして義理の息子、三人に瑣末な事柄までを解決して欲しいという探偵。読む側にしてみればそんな事まで引き受けて!と怒りたくなる。我らがクイーンが、なんと宝石泥棒の謗りも受け…
    でも、殺人事件にまで事態は悪化して、まさかの『十戒』にまでその構想は至る。
    クイーンの推理が冴え、謎が解き解され…

    そして一年後、クイーンは再びライツヴィルを訪れ、自分の推理が操られていた事を真犯人に糾弾する。
    結末、納得いかないけれど美学なのか。

    読んでいる最中はその推理力を堪能したけれど、そしてその中心人物の懐の深さ、寛大さに感動もしたけれど

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    2022年08月29日
  • ダブル・ダブル〔新訳版〕

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    ネタバレ

    リーマという女性をこのお話の中でどういう風に動かすんだろう。それが、私の一番の興味でしたね。最後まで読んでみてどうだったか。始めから終わりまで出続け、途中で呆れながらも(君がエラリイに餌を与えたんだろう?と)、そううまくはいかないんだなあと思ってみたり。

    エラリイはほろ苦さと喜びをぐちゃぐちゃにしながら、半ば周囲を敵に回すように事件に取り組んだわけですが、なりふりかまわず真実を求めようとする姿は、痛々しさもあり、気がちがったように尋問する姿にはスポーツに取り組む汗臭さすら感じました。見立て引き摺り込まれたのか、それとも見立ての職業の連続性(風が吹いたら桶屋的な)が絶妙なのか!

    国名シリーズ

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    2022年08月27日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    ネタバレ

    共通点の無い連続殺人事件の被害者たちの深まる謎の数々。姉が殺されたことにより財産分与が多くなる二人の人物の事件への関わりでまたもや深まる謎。
    エラリー・クイーンの推理力と洞察力により微かな手がかりを見つけるが、おとり捜査による失敗。
    真犯人と思われる人間を拘束した後のエラリー・クイーンの懊悩…
    古典とも言われるこの一冊だけれど、何故だか犯人の異常性に現代も納得させられる一面もあり、長編なのにページを捲る手が止まらなかった。

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    2022年08月24日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    『災厄の町』のライツヴィルという町に、
    大戦の英雄が帰ってくる!というところからストーリーは始まる。彼、ディヴィーも、迎える家族同様に過去に受けた心の傷のため、今も心を病んでいる。
    そのためにほじくり返そうという過去の殺人事件が今回の大きな軸。
    ほじくり返されたら、出てくるのは悲しい真実の他にも沢山あった…
    登場人物に向けられるエラリー・クイーンの一種、冷ややかな視線など結構楽しみながら読むことができ、最後の最後まで真犯人はわからない…ということなど充分に満足出来る一冊だった。

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    2022年08月17日
  • フォックス家の殺人〔新訳版〕

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     一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーンだが、戦局が激しくなってきて、改めて「人が人を殺すとはどういうことか」をきちんと示したかったのかな…と思わせる冒頭。
     後半でも、ナチスの強制収容所の話が出てくるが、それ以外はいつもの謎解きエンタメ性バッチリ。ドラマツルギー的にだいたいこういう筋書きだろうなあとは予想ができるものの、どうやってその結

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    2022年08月16日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    ネタバレ

    エラリー・クイーンの1942年発表の本、その新訳。
    災厄の家、という話かと思ったら、災厄は町全体、その人々。
    銀行家のライト氏の美しい3人の娘たちと、
    偶然訪れた小説家、エラリー・クイーン(?都合良すぎ!)アメリカの田舎の富裕層の家庭が、推測ではあるけれど垣間見られて、長閑で平和だけれど悪意に満ちた物見高い庶民達の噂話が大きくこのストーリーを左右している。だけど、年代をみたら大戦前夜。
    この町も国も、そして我が国もやがて時代の大きな波に飲み込まれてゆくんじゃないですか!
    アメリカという大きな国のまた、その一部をみつけてしまった

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    2022年08月14日
  • 天使と悪魔(上)

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    ラングドンシリーズで個人的には一番好き。伏線の回収が素晴らしいし、ドラマチックでスピード感のある展開は、読むのを中断できずに夜更かしして読んだ。映画版も上手いことまとめていて、素晴らしかった。

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    2022年07月17日
  • オリジン 中

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    黒幕をめぐる展開。ミスリードに騙されず、登場した人物の中から推理しながら読んでいます。ウィリアムブレイクに興味が出てきた。ガウディの作品も見てみたい。

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    2022年06月15日
  • オリジン 上

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    舞台はスペインで、テクノロジーはAI。
    根源的なテーマの「我々はどこからきてどこにいくのか?」の答えを巡る話。
    エキサイティングな展開は定番の安心感。ラングドンはいつも大事件に巻き込まれる。

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    2022年06月15日
  • ダ・ヴィンチ・コード(中)

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    ネタバレ

    (上・中・下共通の感想)
    世界的ベストセラーになってから約20年が経過してようやく手にした本作。読み終えてみて、ベストセラーとなったのはなるほどと今更ながら納得した。

    キリスト教において権威付けされたイエスの「虚像」に対して実像はどうであったのかという問いを投げかけることが、本作の重要なテーマとなっている。作中に多く現れるシンボルや聖書からの引用などは、キリスト教世界の読者の方が馴染みが深く理解し易いだろうと思われる反面、キリスト教に対し宗教的な思い入れのない日本人の多くにとっては、イエスの虚像の否定ともとれる本作の問いはむしろ客観的に受け入れ易いかもしれない。

    下巻のかなり早い段階で事件

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    2022年05月07日
  • ダ・ヴィンチ・コード(上)

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    ネタバレ

    (上・中・下共通の感想)
    世界的ベストセラーになってから約20年が経過してようやく手にした本作。読み終えてみて、ベストセラーとなったのはなるほどと今更ながら納得した。

    キリスト教において権威付けされたイエスの「虚像」に対して実像はどうであったのかという問いを投げかけることが、本作の重要なテーマとなっている。作中に多く現れるシンボルや聖書からの引用などは、キリスト教世界の読者の方が馴染みが深く理解し易いだろうと思われる反面、キリスト教に対し宗教的な思い入れのない日本人の多くにとっては、イエスの虚像の否定ともとれる本作の問いはむしろ客観的に受け入れ易いかもしれない。

    下巻のかなり早い段階で事件

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    2022年05月07日
  • 天使の傷 上

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    「天使と嘘」のサイラスとイーヴィが主人公の第2弾。イーヴィの過去が明らかにされつつ中で、謎の男からの魔の手が迫る。読み易さに加えて展開の速さにページを捲る手が止まらなかった。
    ハラハラドキドキで、早く下巻が読みたい。

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    2022年05月04日
  • 天使の傷 下

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     あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。

     さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ

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    2022年04月20日
  • 天使の傷 上

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     あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。

     さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ

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    2022年04月20日