越前敏弥のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレライツヴィルでの事件を扱うエラリー・クイーン。三作目。
大富豪とその若い妻、そして義理の息子、三人に瑣末な事柄までを解決して欲しいという探偵。読む側にしてみればそんな事まで引き受けて!と怒りたくなる。我らがクイーンが、なんと宝石泥棒の謗りも受け…
でも、殺人事件にまで事態は悪化して、まさかの『十戒』にまでその構想は至る。
クイーンの推理が冴え、謎が解き解され…
そして一年後、クイーンは再びライツヴィルを訪れ、自分の推理が操られていた事を真犯人に糾弾する。
結末、納得いかないけれど美学なのか。
読んでいる最中はその推理力を堪能したけれど、そしてその中心人物の懐の深さ、寛大さに感動もしたけれど -
Posted by ブクログ
ネタバレリーマという女性をこのお話の中でどういう風に動かすんだろう。それが、私の一番の興味でしたね。最後まで読んでみてどうだったか。始めから終わりまで出続け、途中で呆れながらも(君がエラリイに餌を与えたんだろう?と)、そううまくはいかないんだなあと思ってみたり。
エラリイはほろ苦さと喜びをぐちゃぐちゃにしながら、半ば周囲を敵に回すように事件に取り組んだわけですが、なりふりかまわず真実を求めようとする姿は、痛々しさもあり、気がちがったように尋問する姿にはスポーツに取り組む汗臭さすら感じました。見立て引き摺り込まれたのか、それとも見立ての職業の連続性(風が吹いたら桶屋的な)が絶妙なのか!
国名シリーズ -
Posted by ブクログ
一九四五年発表の作品。デイヴィー・フォックス大尉ーー何人もの日本兵を叩きつぶした「英雄」ーーの凱旋を、ライツヴィルの人々が華々しく歓迎する場面から物語は始まる。しかし実際のところ、彼は戦場で心を壊してしまい帰還したのだった。ミステリー作家として、殺人事件が核となる娯楽小説をずっと書いてきたクイーンだが、戦局が激しくなってきて、改めて「人が人を殺すとはどういうことか」をきちんと示したかったのかな…と思わせる冒頭。
後半でも、ナチスの強制収容所の話が出てくるが、それ以外はいつもの謎解きエンタメ性バッチリ。ドラマツルギー的にだいたいこういう筋書きだろうなあとは予想ができるものの、どうやってその結 -
Posted by ブクログ
ネタバレエラリー・クイーンの1942年発表の本、その新訳。
災厄の家、という話かと思ったら、災厄は町全体、その人々。
銀行家のライト氏の美しい3人の娘たちと、
偶然訪れた小説家、エラリー・クイーン(?都合良すぎ!)アメリカの田舎の富裕層の家庭が、推測ではあるけれど垣間見られて、長閑で平和だけれど悪意に満ちた物見高い庶民達の噂話が大きくこのストーリーを左右している。だけど、年代をみたら大戦前夜。
この町も国も、そして我が国もやがて時代の大きな波に飲み込まれてゆくんじゃないですか!
アメリカという大きな国のまた、その一部をみつけてしまった -
Posted by ブクログ
あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ -
Posted by ブクログ
あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明さ -
Posted by ブクログ
翻訳家、越前敏弥さんのエッセイ。
二〇二〇年、「なんだか日々疲れるから夢中に読書をして癒されたい」という思いからエラリー・クイーンを読み返そうと決めたとき、越前さんは「エラリー・クイーン作品の新訳をしている人」として私の人生に登場した。それまで翻訳者の名前など気にしたことがなかったが、越前さんがこの新訳にまつわるあれこれについて語るトークイベントのアーカイブ動画を見つけて視聴したらとても楽しかったので、「気になる翻訳家」としてばっちり胸に刻まれた。
そして同じころにたまたま見つけて読んだ、『世界物語大事典』(二〇一九)というファンタジーやSFに重きを置いた文学事典の翻訳者も、偶然にも越前さんだ -
Posted by ブクログ
ネタバレスペインのあちこちにあるガウディの建築物がたくさん出てきて、実際に見てみたい気持ちに駆られました。
ガウディ以外にも、出てくる建物や場所は実際にあるので物語の動きと連動して、スマホで実際の場所など調べながら読むと、よりドキドキ感が増しました。
とてつもなく高度な知識を持つAI、ウィンストンが魅力的でラングドンとの軽快なやり取りを読んでいるのが心地良かったんですが…まさか、最後のお別れの瞬間に全ての主導者だったと発覚するとは…。
どんなに高度な知識があり、人間臭くなるように学習させられていても、命の重さや倫理観までは身につかない。
作る事が出来ない領域はあるという事が浮き彫りにされたと思いました