越前敏弥のレビュー一覧
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伝えたいメッセージを話に乗せるというよりは、思いついた面白い話を一つ一つ形にしている感じの作風だったな。見栄を張った主人公が複数の話で登場していたけど、結末に一貫性はなくて、ある時はハッピーエンドだけど、ある時は失敗する話だったし。
比喩やイメージの結び付け方が独特。説明に使われる表現が結構飛んでるから、数秒してからああそういうことかってなる部分が結構あった。あんなのよく思いつくなぁ。世界観が面白い。
短い中にストーリーが凝縮されているから飽きずに読めるし、緩急がしっかりあるから読んでいて心地よかった。言い回しも結末も皮肉調なこともあるけど、結構ロマンチックなことも多い。ただの悲劇って -
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「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込まれるが――
一言で言うと、とてもドラマチック。これはクイーンの作品の中でも上位に食い込むのが納得の面白さ。
冒頭の登場人物一覧を見ると分かりますが、登場人物はアレだけしか提示されないけれど、そこで繰り広げられる物語がお見事でした。
ライツヴィルもの3作目ですが、このラストの締め方のビターな感じも併 -
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ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。
事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されてしまうほうからすればたまったものじゃないなあ。そんな中でジムの無実を証明しようとするライト家の人々とエラリイ。とはいえ傍から見ればジムが犯人で全然おかしくない、むしろそれ以外にどんな真相があるというのか、と決めつけたくなる気持ちもわかりました。だからこそその事件の後で起こる悲劇と明かされる真相にはやりきれないものが。
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購入済み
一気読み!
ミステリー好きでしたが、暫く離れていました。
暫くぶりの、そして初めての電子書籍で、ラッキーな事にミステリーとラブストーリーが素敵に融合したお話しに出会えました。
思わず一気読みでした。
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またまたおもしろかったーっ!
途中、マーニーを読むために中断したけど、マーニーも含めてほぼイッキ読み。
今回は英文読解のテクニック指南本ではなくて、翻訳者としての日常および翻訳業についてのエッセイ。
やっぱり修行時代の話は感動するなぁ。
全力で頑張る人の話は、それがどんな職業の話だろうとおもしろいものだけれど。
すべての章が興味深かったけれど、一番印象に残ったのは東江一紀さんについての章。
何に驚いたって、「センターピース」という作品の冒頭、"ハートリンゲン家の大黒柱" の訳!
英文を読み、4人の訳例を見た瞬間、うおぉぉぉ! これすごい!と東江さんの訳に身体が震えた。こ -
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ネタバレ物語はたった一晩の出来事だけれど、
何週間分かと思うほどのボリュームが
矢継ぎ早にやって来る展開に
上中下、息つく暇なし。
そして、ラスト30ページくらいで全てが覆される感。
こういう文言、よく帯に見るけれど、
こんなに騙されることあるのか…
ラングドン視点で観ていると、
ウィンストンはとてつもなく強力な味方。
アンブラがスマホを落とした時なんか、
ああ、、、、、と失意の溜息を漏らし、
バルセロナに着いてウィンストンと再会した時には
勝った…!!と勝利を確信し。
それらの信頼が全て覆される、
モンジュイックの丘のゴンドラリフト。
ウィンストンの告白を聞きながら、
上巻、中巻の出来事を思 -
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圧巻。
帯にあるとおり、まさにストーリー作りのバイブル。
著者の知識量がすさまじく、そこから引き出される方法論に圧倒される。
これを読めばストーリー作りが上達する、という簡単なものではないけど、ここが土台なのは間違いない。
人前で話をする全ての人に読んでもらいたい。
この本を手にとったきっかけは、昨年プレゼンスキルを向上させたくて何冊か参考書を読んだときに、必ずこの本が紹介されていたから。
プレゼンで大事なのはストーリーで、ストーリー作りに関してはこの本に書いてある、的な紹介。
本当にそのとおりだった。
読むのに1ヶ月かかったけど、それだけの重みがある一冊。
人生で何度も読み