越前敏弥のレビュー一覧

  • 天使と嘘 下

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    次々候補に上がってくる一癖も二癖もある容疑者達
    被害者の裏で絡み合う欲望 浮かぶ矛盾
    上巻から引き続き悪い方向へとその身を転がしていくイーヴィ
    冷たい、閉ざされた心
    ようやく届いたサイラスの無償の愛 その瞬間に涙
    芽生える新たな感情
    巧みな心理描写にやきもき 
    大人なサイラス 子供なイーヴィ 異なる視点と語り口が面白い
    トリックの部分はああなるほどと感心したけど個人的にはもう事件どうこうよりサイラスとイーヴィがただひたすら上手くいってほしいと見守っていた感
    まだ明かされなかったイーヴィの過去 続編待ち
     

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    2021年06月27日
  • パズル・パレス(下)

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    (上下巻合わせてのレビューです。)

    ダヴィンチ・コードで一躍有名になった
    ダン・ブラウンのデビュー作がとうとう文庫になりました。

    海外の文学作品って人物名がやたら長いカタカナで出てきて、
    訳分かんなくなるので苦手なのですが、
    ダン・ブラウンの作品は別格ですな。

    訳わかんなくてなりそうでも、面白いから許せちゃう。

    文庫が出たら、ついつい買ってしまう。
    そんな作家です。

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    2021年06月24日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    ライツヴィルシリーズの「十日間~」の次にエラリーが取り組んだ事件。いやあどこをとってもお見事。
    ライツヴィルでの苦い挫折の経験を経て、探偵の真似事を辞めると宣言したエラリー。彼を再び事件の現場へと引き戻したのは、ニューヨークでの無差別連続殺人事件だった。

    郊外の都市で起こったライツヴィルの事件とは異なり、大都会NYでの事件の描写、特に市民が自警団を編成してパニックから暴動へと至る流れが、ここ2年のコロナでのパニックを見ていると頷ける所が多くて面白い。そしてさらに、探偵の背負う「業」について、精神科医と語り合うところ、シビれました…。

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    2021年06月01日
  • 天使と悪魔(下)

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    予想外の人物がイルミナティの黒幕であったことに驚いた。また、作中に登場する美術品などで、自分の知っているものもあったが、その美術品の細かい知識はなかったので、作中で色々説明してありなかなか興味深かった。読んでいるうちにどんどん作品に入り込めるような、読みやすい文章で、イルミナティの対称のロゴも逐一挿入してあり、視覚的にも楽しめたと思う。

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    2021年05月08日
  • オー・ヘンリー傑作集1 賢者の贈り物

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     伝えたいメッセージを話に乗せるというよりは、思いついた面白い話を一つ一つ形にしている感じの作風だったな。見栄を張った主人公が複数の話で登場していたけど、結末に一貫性はなくて、ある時はハッピーエンドだけど、ある時は失敗する話だったし。

    比喩やイメージの結び付け方が独特。説明に使われる表現が結構飛んでるから、数秒してからああそういうことかってなる部分が結構あった。あんなのよく思いつくなぁ。世界観が面白い。

     短い中にストーリーが凝縮されているから飽きずに読めるし、緩急がしっかりあるから読んでいて心地よかった。言い回しも結末も皮肉調なこともあるけど、結構ロマンチックなことも多い。ただの悲劇って

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    2021年04月07日
  • 十日間の不思議〔新訳版〕

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    「自分はたびたび記憶喪失になる。その間、自分が何をやっているのか見届けて欲しい」と古い知人であるハワードに頼まれたエラリイは、三度ライツヴィルへと赴くこととなる。
    大富豪の父親のディードリッチ、若く魅力的な継母サリー、仲の悪い叔父ウルファート――そこでエラリイはとある秘密を知らされ脅迫事件に巻き込まれるが――

    一言で言うと、とてもドラマチック。これはクイーンの作品の中でも上位に食い込むのが納得の面白さ。
    冒頭の登場人物一覧を見ると分かりますが、登場人物はアレだけしか提示されないけれど、そこで繰り広げられる物語がお見事でした。
    ライツヴィルもの3作目ですが、このラストの締め方のビターな感じも併

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    2021年03月09日
  • オリジン 下

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    上巻、中巻の盛り上がりから、最後はどうなるのかものすごい期待が高まって、その期待に丁度良く応え、丁度良く裏切ってくれた締めくくりでした。テーマが壮大ですが、そこもきちんと落とし所があって、でもスッキリさせすぎずこのシリーズらしいモヤっと感も残しつつ、絶妙だったと思います。

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    2021年02月26日
  • 真っ白な嘘

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    ブラウンのミステリはあまり読んだことがなかったが、「後ろを見るな」を読みたくて、選びました。実は絶版になっていて、新作でやっと読めました。どこかで見たことや聞いたことのあるプロットがいくつかありましたが、ああ、ブラウンが最初だったのね、と改めて感心する次第。次のミステリ短編集も新訳が出る様子なので、楽しみに待ちたい。

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    2021年02月07日
  • オリジン 下

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    宗教と科学の未来。人類の未来。地球の未来。それぞれどうなっていくのか。ラングドンの思いと作者の思いは同じなのか。AIが発展するうちに制御不能に一人歩きしてしまうとどうなるか。とんでもない世界になってしまう気がする。心を持たない知識お化けは恐怖そのもの。今は新型ウイルスが脅威だが、AIも上手に使わなければ支配されてしまいそう。
    今回もスペインを舞台に観光ガイドができそうな説明が多く、旅行にいけない今、スペインにますます行きたい思いが募りました。いつかガウディの残した建築物や公園を、宮殿や美術館を巡りたいと思います。

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    2021年01月18日
  • シートン動物記 クラッグ クートネーの雄ヒツジ ほか

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    『シートン動物記』3冊目。この本も面白かった。
    動物の生き生きとした姿や時には残酷な最後も描かれる。たくさんの観察と愛情が感じられる文章でこの本も面白い。
    ところで「オオヤマネコ」の話で登場する人間ソーバーン(シートンがモデルかな?)や一緒に暮らすコーニーたち。別の本では名前が全然違っていたが、同じ『シートン動物記』でそんなことあるんだろうか。

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    2021年01月12日
  • シートン動物記 サンドヒルの雄ジカ ほか

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    シートン動物記「オオカミ王ロボ」に続いて2冊目。
    「サンドヒルの雄ジカ」に代表されるように、動物を追いかけるうちに、足跡を観察し、鳥の鳴き声にどんな意味があるか学び、その動物に愛情を感じていっている様子がわかる。今回も面白かった。
    巻末の年表を見て、シートンがボーイスカウトの創立に関わった人だと知る。言われてみれば、動物、キャンプのテクニック、インディアン等ボーイスカウトはアメリカの要素が強い。

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    2021年01月10日
  • シートン動物記 オオカミ王ロボ ほか

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    面白かった。私は動物が好きなのでもっと子供の時に読んでもきっと好きになっていたな、と思う。
    この本はイラストが上手でとっつきやすく良いと思う。
    ビンゴと「わたし」シートンの絆には驚いた。別の飼い主に渡して何年も経つのに、「わたし」の窮地に颯爽と現れたのも、最期の様子も。
    気難しい孤独な灰色グマのワーブも、幼い頃から描写されると、だんだん親近感がわいてくる。
    狼王ロボは、何人ものハンターの罠をなんなく見抜くずば抜けて賢いロボが、ブランカの死には動揺して、それでも探し求める姿にはロマンチックだとすら思う。

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    2021年01月08日
  • ロスト・シンボル(下)

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    まさかの展開に読みながら声をあげてしまったほど。
    ラングドン教授の水没は、マラークの正体は、ピラミッドの謎は・・・そうくるか!と。

    宗教と科学というのは、ダン・ブラウン作品の主要なテーマのひとつだと思うけれど、そこにたどり着くのかと思うとちょっとびっくりしてしまう。
    それ以前に、今回の舞台がヨーロッパではなくてアメリカ、ワシントンDCであるということも驚き。アメリカ建国の父祖が実際にこのように考えていたのかどうかはわからないけれど、そうだとしたら世界はまだまだ謎に満ちている。知らないことを知っていくことの面白さ!

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    2021年01月02日
  • 災厄の街〔新訳版〕

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    ライツヴィルの名士の家で起こった毒殺事件。夫が資産家の妻を殺そうとしたという実に単純な、しかし考えてみれば奇怪な事件にエラリイ・クイーンが挑むミステリ。
    事件が起こって以降のライツヴィルが本当に嫌です。まあミステリではありがちなんですがこういう閉鎖的な村だとか町だとか。疎外されてしまうほうからすればたまったものじゃないなあ。そんな中でジムの無実を証明しようとするライト家の人々とエラリイ。とはいえ傍から見ればジムが犯人で全然おかしくない、むしろそれ以外にどんな真相があるというのか、と決めつけたくなる気持ちもわかりました。だからこそその事件の後で起こる悲劇と明かされる真相にはやりきれないものが。

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    2020年12月30日
  • 解錠師

    購入済み

    一気読み!

    ミステリー好きでしたが、暫く離れていました。
    暫くぶりの、そして初めての電子書籍で、ラッキーな事にミステリーとラブストーリーが素敵に融合したお話しに出会えました。
    思わず一気読みでした。

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    2020年12月21日
  • 翻訳百景

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    またまたおもしろかったーっ!
    途中、マーニーを読むために中断したけど、マーニーも含めてほぼイッキ読み。

    今回は英文読解のテクニック指南本ではなくて、翻訳者としての日常および翻訳業についてのエッセイ。
    やっぱり修行時代の話は感動するなぁ。
    全力で頑張る人の話は、それがどんな職業の話だろうとおもしろいものだけれど。

    すべての章が興味深かったけれど、一番印象に残ったのは東江一紀さんについての章。
    何に驚いたって、「センターピース」という作品の冒頭、"ハートリンゲン家の大黒柱" の訳!
    英文を読み、4人の訳例を見た瞬間、うおぉぉぉ! これすごい!と東江さんの訳に身体が震えた。こ

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    2020年10月14日
  • オリジン 下

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    ネタバレ

    物語はたった一晩の出来事だけれど、
    何週間分かと思うほどのボリュームが
    矢継ぎ早にやって来る展開に
    上中下、息つく暇なし。

    そして、ラスト30ページくらいで全てが覆される感。
    こういう文言、よく帯に見るけれど、
    こんなに騙されることあるのか…

    ラングドン視点で観ていると、
    ウィンストンはとてつもなく強力な味方。
    アンブラがスマホを落とした時なんか、
    ああ、、、、、と失意の溜息を漏らし、
    バルセロナに着いてウィンストンと再会した時には
    勝った…!!と勝利を確信し。

    それらの信頼が全て覆される、
    モンジュイックの丘のゴンドラリフト。

    ウィンストンの告白を聞きながら、
    上巻、中巻の出来事を思

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    2020年05月30日
  • インフェルノ(上)

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    ダン・ブラウンの作品はインフェルノが初めてでしたが、美術の深い話や場所の描写も事細かく、イメージしやすく読みやすかった。
    まさに今の世界状況の時に読んでおくべき本。

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    2020年05月04日
  • ストーリー

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    圧巻。
    帯にあるとおり、まさにストーリー作りのバイブル。

    著者の知識量がすさまじく、そこから引き出される方法論に圧倒される。

    これを読めばストーリー作りが上達する、という簡単なものではないけど、ここが土台なのは間違いない。

    人前で話をする全ての人に読んでもらいたい。


    この本を手にとったきっかけは、昨年プレゼンスキルを向上させたくて何冊か参考書を読んだときに、必ずこの本が紹介されていたから。

    プレゼンで大事なのはストーリーで、ストーリー作りに関してはこの本に書いてある、的な紹介。

    本当にそのとおりだった。

    読むのに1ヶ月かかったけど、それだけの重みがある一冊。

    人生で何度も読み

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    2020年04月28日
  • 九尾の猫〔新訳版〕

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    (電子書籍)とても面白かった。私にとってこれが初エラリイ・クイーンなので、これを読んで良かったと思った。
    正体不明の殺人鬼『猫』によって不安にさせられ混乱する市民はまさに現在のコロナショックと重なり、それもとても興味深かった。
    これが初めてなので詳細はわからないのだが、これより前に挫折を経験したらしいエラリイ。シリーズの途中でそんな一面を出されると、次より前が気になるというもの。それが少し悔しいが読むと思う。

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    2020年03月28日