あらすじ
半年前に退職した警視が死体で発見された。臨床心理士サイラスは現場の状況を心理面から分析し自殺ではないと警察に助言する。元警視は現役時に担当した児童連続誘拐殺害事件を今なお追っていたらしい。その犯人はすでに逮捕され、獄中で死亡しているにも関わらず……さらに捜査で発見されたメモには、サイラスがかつて出会った嘘を見破る能力を持つ少女イーヴィの異名「天使の顔(エンジェル・フェイス)」の文字が――シリーズの核心に迫る第二作
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Posted by ブクログ
「天使と嘘」のサイラスとイーヴィが主人公の第2弾。イーヴィの過去が明らかにされつつ中で、謎の男からの魔の手が迫る。読み易さに加えて展開の速さにページを捲る手が止まらなかった。
ハラハラドキドキで、早く下巻が読みたい。
Posted by ブクログ
あまり日本では翻訳されていないのだが、どの作品も外れなし。オーストリア人だがイギリス在住経験もある著者ロボサムは、北欧ミステリーにも似たキャラクター中心の決め細かさを備えた文句なしにおススメ作家である。このレベルで安定して走り抜けている作家なので、本来もっと読まれる需要はあるはず。未訳作品の日本市場での販促は本邦の出版社一同に、是非とも加速化して頂きたい。
さて本書は前作『天使の嘘』シリーズの続編である。前作では特異極まりないヒロイン。嘘を見破る特殊な能力を持つイーヴィ。死体と一緒の塒で生き残っていたのを幼児の時に発見された出生不明の少女イーヴィーの魅力と謎の部分は、本作である程度解明されてゆくことになる。
無論、イーヴィとのコンビであるサイラス。家族全員を狂気の兄に殺害された無残な事件の生き残りであり、臨床心理士であるサイラス。彼の造形も本作ではまた深まってゆく一冊となっている。前作読者であれば垂涎ものの何とも楽しみな一冊である。
例によってイーヴィとサイラスという二人の語り手による物語運びは前作同様、巻置く能わずのリーダビリティ。何より生を求める傷ついた二つの心の成長の物語であり、愛を求める彷徨のドラマであるように見える。熱さでいっぱいの魂の叙事詩だ。
特に最終章は、泣けること請け合い。三作目続編もあるとのことだが、ここまでの二人の主人公の過去を清算に運び込む物語は、本作までの二作で、一端完結する。ただ、ここまで魅力的な二人の主人公をここで使い捨てしてしまうのもなかなかもったいない。これだけのオリジナリティを持った印象的なキャラクターはそうそうないはずである。
なのでシリーズ続編という三作目も、首を長くして待ちたいと思う。また本主役コンビのみならず、未読独立作品もこの作家は是非読まねば。ロボサム、の名は、ぼくの熱気の中核に、永遠に刻み込まれてしまったと思う。
Posted by ブクログ
感想は下巻で書く
ぜんぜん関係ないけど
「なんで爺さんたちにはケツがないの!」(40ページ)
そうなんです。
歳をとるといつのまにかなくなるんです……そして、自分の立ち姿に愕然とするんです。
ええ、みんなそうです。
今、笑ってるそこの若い人、あなたもです。
下巻へ続く
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サイラスの過去とイーヴィの過去が深く掘り下げられ
事件も少しずつ進展していく
全てが一つになるような結末を期待してる
できればハッピーエンドで
Posted by ブクログ
エンジェル・フェイスの二作目。
イーヴィはサイラスとの暮らしから児童養護施設に戻され、
相変わらず問題行動を起こしている。
一方、サイモンはとうとうサシャを見つける。
殺人事件の起こった家で隠れて暮らしていた
エンジェル・フェイスことイーヴィを発見した特別巡査だ。
イーヴィを知り、助けるために重要な人物。
そこへ、元警視が自殺したと連絡が入る。
あっという間に自殺ではなく、殺されたと判断された元警視は、
過去の子供の連続誘拐殺人事件を調べていたことがわかる。
その中には、「エンジェル・フェイス」の文字が。
そしてその調査の資料を求めて偽の刑事が遺族を訪れ、さらに人が殺される。
(下巻へ)
Posted by ブクログ
半年前に退職した警視が死体で発見された。臨床心理士サイラスは現場の状況を心理面から分析し自殺ではないと警察に助言する。元警視は現役時に担当した児童連続誘拐殺害事件を今なお追っていたらしい。その犯人はすでに逮捕され、獄中で死亡しているにも関わらず……さらに捜査で発見されたメモには、サイラスがかつて出会った嘘を見破る能力を持つ少女イーヴィの異名「天使の顔(エンジェル・フェイス)」の文字が――シリーズの核心に迫る第二作。
イーヴィの過去パートとサイラスとサシャの探索パートが絶妙なバランス。下巻に続く。
Posted by ブクログ
『天使と噓』に続くシリーズ第2巻。第1巻では語られなかった、イーヴィの背景や本名、彼女を追う外道たちの正体が語られる。
敵が巨大過ぎて、全編通して閉塞感を感じさせられた。イーヴィの受けた仕打ちが凄惨で、サイラスが誠実であればあるほど無力感が漂い、結末もひと段落ではあるけれど救いがあるとはとても言えないものだった。
キャラクターの魅力で読み進めてしまうけれど、体力を使う読書でもあった。