物語の創作を目指す人にはとても良い本だと思う。
脚本を書くための理論を丁寧に解説してくれてるし、何より実例があるのでイメージしやすい。
(ルールではなく原則、公式ではなく普遍的な型、紋切り型でなく元型が論じられているとのこと)
ただ、私は映画ファンというわけでもなく、作品も知らないものが多くてピンと
...続きを読む来ないところも多かったが。
海外ドラマで、構成や展開がぐいぐい引き込まれるものが多いなと感じてるけど、やっぱりこういった理論をベースに練りに練った脚本なんだろうな。やっぱりどんなものでも理論って大切。まぁ、それだけでもダメなんだけど。
人の数だけ人生があるように、映画の数だけストーリーがあるはずではあるが、その中でもざっくりと類型化できるらしい。構成、設定、ジャンル・・・等々。その辺りをわかりやすく書いてくれているのが映画初心者の私には有難かったし興味深かった。
また、構成の違いを知ることにより、自分がなぜその映画が好きなのか?また好きな映画のパターンを知ることができた。これはなかなかの収穫だったと思う。
読書メモ
・設計における3つの型(プラスアルファ)
①アークプロット(古典的設計)
能動的な主人公が自らの欲求を達成するために、主に外的な敵対勢力と戦う。ストーリーは連続した時間に沿って、因果関係の明瞭な矛盾のない架空の現実の中で展開し、絶対的で不可逆のクローズド・エンディングへと向かっていく。
②ミニプロット(ミニマリズム)
内的葛藤、受動的な主人公、オープン・エンディング。
③アンチプロット(反構造)
時間が逆転したり、交錯したり、分断される。偶然、断片化、空虚、不条理。
④ノンプロット
人生が停滞したままで弧を描かない。ただの描写。
・エンディングにおける2つのタイプ
①クローズド・エンディング
絶対的で不可逆の変化が起こって、そこまでに提示された疑問の全てが解決され、観客の感情をすっかり満たすクライマクス
②オープン・エンディング
一つか二つの疑問が解決しないままで、満たされない感情が少し残るクライマックス