越前敏弥のレビュー一覧
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■『十日間の不思議』との繋がり
作中でライツヴィルシリーズ3作目、『十日間の不思議』の内容について一部言及される。
『十日間の不思議』と繋がりがあるのはエラリーの心理のみであり、事件の内容が繋がっている、ということは全く無いため、『十日間の不思議』を読んでいない状態で読んでも問題なく楽しめる。
ただし、本作を読んでから『十日間の不思議』を読むと、『十日間の不思議』がどういうストーリー展開を辿ることになるのか、についてはわかってしまうため、先に『十日間の不思議』を読んだ方が良いように思う。
■傑作ではあると思うが・・・
解説で評されているとおり、傑作ではあると思うが、自分の好みという意味ではそこまではいかない、と感じた作品。
というのも、いつもの物的要素より、精神的要素が強いため。
その精神的要素を本格ミステリに融合させた、という点が、本作が傑作と評される理由の一つとのことだが、自分としては国名シリーズのような「動機はどうでもよくて物的な部分のみから犯人に辿り着ける」「そのための緻密な論理」の方が好きだった。
もちろん本作にも論理は示され、非常に納得できるが、それが薄めだったのがやや物足りなさを感じた。
■連続殺人
連続殺人ものは、「本当のターゲットは誰か1人で、それを隠すために連続殺人にしたんでしょ」と思ってしまうという先入観がある。
しかし作中でエラリーがまさにそれについて言及し、ABC理論を自ら説明する。
そうなると、「あれ、本作はそういうお馴染みのパターンではないのか?」「それともそう思わせて実際はストレート?」と勝手なメタ読みが入ってきて、どういうオチになるんだろう、という点について楽しみながら読めた。
実際、ストーリーとしても非常に面白かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美術や宗教にまつわるミステリーを読みたくなり、再読。
ずいぶん前に読んだので、ストリーはなんとなく覚えていたが、登場人物や謎解きはほとんど覚えていなかった。
ダン・ブラウンの作品は色々読んだが、最近の作品ほ冗長になってきていて、初期の作品の方が面白いと思う。
主人公のラングドンが、芸術や宗教への造詣が深く、颯爽としていたイメージをなぜか持っていたが、本作ではソフィーに尻に敷かれ、おっちょこちょいなのは、「え〜。そうだったかなぁ?」と、意外だった。
テンプル騎士団だったり、オプス・デイだったり、シオン修道会だったりにまつわる謎や秘密を解いていく過程は、何度読んでも面白いと改めて思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2025年に発表されたもの。象徴学を専門とする大学教授ロバート・ラングドンはプラハを訪れていた。恋仲になった純粋知性科学者キャサリン・ソロモンの講演を聴くためだ。キャサリンは人間の意識にまつわる驚くべき発見について解説した著書を発表予定だと話したのだが……。
言っちゃえば上巻まるまる使って前置きが終わったって感じ。しかし予告的に語られるキャサリンの発見話はそそられる。今日たまたま古典映画『天地創造』を見たけれど、神の言葉(まぁ監督の声なんだけど)なるものがどこから聞こえてくるのか? その答えをキャサリンが持っていそうなんだもん。さ、下巻は火曜日から!
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Posted by ブクログ
久々のダン・ブラウン。「監禁された翻訳者の手記」や池上彰さんの書評に触発されて、ダン・ブラウンの世界にまた没入したくなった。
仕事が滞って大変でした笑。困るんですけど!
仕事を一段落させてから下巻再開。
陰謀論や荒唐無稽な非科学的考察と、近代科学とのあわいをうまく捉える上手さ。どちらにも振り切らないところに魅力があって、そこに読者はどんどんハマっていくのですね。
だって未知の世界は面白いから。
科学的根拠が全く無いと、またそれはそれで面白みがない。全て書かれたことは,科学的根拠のある論文に基づいているらしい。そこもまた、心が疼くのですよね。池谷裕二さんの本でも、とんでもない論文たくさん紹介されてたしね。
ホントそうかなー?くらいのとんがった研究面白いです。
下巻に書かれてた、単語のテストを受けた二つのグループのうちの一つに次の日に単語の勉強をさせたら、勉強した方のチームが前日の点数がよかった、という実験とかワクワクしました。
ツッコミ所はいくらであるかもしれないけど、(そもそも次の日に復習するような人たちだからテストができるのだ、とかね)、なんだか、その実験結果、ムスコに話してみたくなる。
そんな蘊蓄の楽しさ満載。
そのエピソードが紹介されたすぐ後に、ハクスリーのソーマについて書かれていて、え!私ここでこれを読むために,事前にハクスリー読んでたのかも⁉️と思ったりした。
あー楽しい。
こんなに揺り動かされる読書。
これがダン・ブラウンの小説の面白さだなーと嬉しくなる読書でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらず素晴らしい。
クイーンも大好きだし越前さんも大好き。
エラリイは十日間の不思議で挫折を味わい、九尾の猫でまたもや不幸を防げなかった自分を悔やむ。しかし、神にはなれないという現実や、彼の証拠ではなく物語性を重視してしまう弱さを顧みて、物事の「二面性」を常に考えるという手法に切り替える。
一連の事件は子どもの童謡になぞらえて起きる。金持ち、貧乏人、物乞い、泥棒、、、
こじつけがましい推理だが、実際はこの続きの医者、弁護士、チーフまで同じ順番でおきてしまう。数え歌系は「なんでこんなことを?」という点が重要であり、よくある理由はターゲットを怖がらせるため、順番を誤認させるため等だが今回の動機はとびきりよかった。
迷信深く死を恐れているドッドに自発的に遺書を書かせる。なんてエレガントなやり方だろう。
実際ぜんっぜん犯人の望み通りになにも進まないし、色々ドタバタなのだがその発想がよかったよね、今回の犯人は。
あとはそうだな、エラリイの女好きはすごい。
あと越前先生に続きのクイーン作も翻訳してほしい。切実に。