越前敏弥のレビュー一覧
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かなり評判になってもいる小説でもあるし、近々映画が封切られる予定で、映画を観にいく前に予備知識として読んでおこうか……くらいの軽い気持ちで読み始めたが、あまりの面白さに文庫本の上・中・下巻3冊を2日間で読んでしまった。かっぱえびせんではないが、「やめられない、とまらない」状態だった。
始めの方は、宗教象徴学の教授・ラングドンと、ルーブル美術館館長の孫娘であり、司法警察暗号解読官のソフィーを中心としたロールプレイングゲームと、オプス・デイの代表アリンガローサ司教と修道僧シラスを中心とするRPG、2つのRPGを同時進行しているような感覚があった。このままこの2つの物語が、いったいどこでつながるの -
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翻訳家・越前敏弥さん(@t_echizen)のお話を聞く
機会があり、その内容がとても面白かったので、
早速買った一冊。
ハッキリ言って、翻訳小説を読む目が、翻訳家を
見る目が変わった。
翻訳というのは、とてつもない作業なのだという
ことを改めて、いや、これほどまでにとてつもない
作業だということを初めて知った。
「英語が好き」というのは、実は翻訳にとっては最
重要な適性ではなく、むしろ重要なのは「本」と
「日本語」と「調べ物」が大好きであること、と
冒頭で説かれたときは、正直スッと落ちなかった
けれど、本書で出された例題を重ねるにつれ、その
意味がじわじわとわかってきた。
また、何気な -
登場した小道具はもう現役?
ラングドン教授シリーズには無いスリリングな展開で一気読みでした。っていうか、最初に読んだダン・ブラウンの小説は、偶然に神保町古書店で見つけたこの作品のペーパーバック版でした。
舞台回しに登場する小道具は、別ルートのネットニューズで、なんと2009年には現実世界でスタンフォード大学研究室でプロトタイプがほぼ出来上がったと言った事に驚かされました。
氷床場面に登場した昆虫型監視ロボットのことです。この様にダン・ブラウンは実際の研究室プロトタイプへもアプローチした、しっかりした取材をしていたと気付かされました。
SFスタイルですけれど、有りそうな明日の世界と思わせるダン・ブラウンも好きです。
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Posted by ブクログ
ニュージーランドの作家ベン・サンダースが地元ニュージーランドのシリーズから離れ、アメリカを舞台にした作品『アメリカン・ブラッド』でブレイクしたと同様に、オーストラリア生まれの作家マイケル・ロボサムは、永く住んだイギリスを舞台にしたシリーズから離れ、アメリカを舞台にしたこの作品で何ともはや、ゴールド・ダガー賞(英国推理作家協会賞)を勝ち得てしまった。
二冊の外国人によるアメリカの小説を立て続けに読んでしまったために、ぼくの中で混乱が起きているのは、どちらも三人の目線を主として書かれた小説であり、その一人は女性刑事、どちらも正悪入り乱れ、バイオレンスとサスペンスに満ちた伏線だらけの作品である -
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ネタバレ10年の刑に服してた男が出所日の前日に脱獄、何故?
この掴みで一気に物語に引き付けられる。主人公、主人公を追うために出所させられた同房の男、事件を追うFBI職員、この3人の視点で物語が多角的に描かれる。
それも現在の逃亡劇だけでなく、過去主人公が起こしたとされる現金強奪事件の真相を徐々に明らかにしていく展開は見事で、後半一気に謎が解けラストになだれ込む緊迫感の盛り上げ方はうまい。
さらには、横糸となる主人公と最愛の女性、その息子、逃亡中に知り合う女性と娘との関わりなど、ドラマ部分もしっかり出来ているので感情も移入できる。
文章も描きこみがしっかり出来ていて、マイケル・ロブサムという人は初めて読 -
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大変面白かったです。読書時間が通勤時がほとんどですが、駅を乗り越しそうになるほど、読みだすと止まらなくなりました。
刑務所からの釈放される一日前に脱獄したオーディ・パーマー。あと一日で自由の身になれるはずなのに、なぜそんな事をする必要があったのか?
読者は何も分からないままオーディの逃亡劇をまるで今まさに目の前で起こっている出来事かのように、臨場感たっぷりの筆致で追っていく。
そしてこの脱獄劇の裏に隠された陰謀と愛など、予想だもしなかった意外な理由を知ることになる。
それにしてもオーディ・パーマーの半生とは何と過酷なものなんだろう。なんて強い人なんだろう。この人こそ今後はもっと幸せな人生を送る -
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宗教象徴学が専門のロバート・ラングドン教授。目を覚ますとそこは見知らぬ病室だった。入ってきた医師二人との問答や窓の外の光景から、自分が過去二日間の記憶を失っていること、自分が今ハーバード大学があるマサチューセッツ州でもアメリカ合衆国でもなく、イタリアのフィレンツェにいることを理解する。なぜフィレンツェにいるのか、なぜ病室にいるのか、なぜ頭部に怪我を負っているのか、混乱する頭をまとめようとするラングドンだが、突然何者かが病室を訪れ、対応した医師の一人に向かって発砲した!
もう一人の医師、シエナの先導で命からがら逃げ出したラングドン。彼女の住まいで所持品や衣服をチェックすると、自身の上着に覚え -
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翻訳について小難しく書かれている本かと身構えて読んだが、
とても読みやすく、楽しみながら読むことができた。
またそれだけでなく、濃い霧の中をさまよっているような状態の自分の心の中に一筋の道を照らしてくれたような、厳しくもあるが温かい励ましをいただけたような、そんな気持ちにもなった。
読みながら、本の中に線を引きたくなる箇所がたくさんあった。私のように翻訳に携わりもっと上を目指している者はもちろんだが、どんな職業でもスキルアップを目指す人々にとっても指南となる箇所が多くあったのではないかと思う。
私自身、英文科出身なのですが、学生の頃読んだ、というか、読まされた古典文学はどれも難解で(笑)いや、