大山誠一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリーのアンソロジー。色んな作家をお試しで読めるな、と思って古本屋で買った。たまに思い出したように行く小さな店。今回は、店主のマダムがしばらく留守にしていて、代わりにお客さんが「ちょっとそこまで出かけてらっしゃいます」と店番代わり。どうしよう買おうかなぁ、今日はやめようかなぁと思いながら、いつもは店主の背中側にあってなかなか手が出せない棚をじっくり見たりしていると、掘り出し物を見つけたり。やっぱ待つことに。おかげで買い過ぎず、少な過ぎず、良い本を買えた。
さて、いきなり1話目からどんでん返し。これはやられた。短いこともあり、読み終わってすぐにまた冒頭から読み直した。乾くるみ『夫の余命』。2話目は凶器が何なのかがずっと分からない、と話が進んでいく。えー、絶対あれでしょー簡単簡単、と思ってたら、全然違った。米澤穂信『崖の下』。3話目、コロナ絡みの将棋の話。将棋の投了の時の作法のようなもの、初めて知った。この本は2021年発行。まだコロナ禍だなぁ。芹沢央『投了図』。4話目は詐欺と殺人。これがいちばん純粋に推理小説だ。大山誠一郎『孤独な容疑者』。5話目、あぁぁ私パズルとかクイズとか苦手なんよー。だからなかなか理解できなくて何度も読み直した。苦手だった数学の文章問題なんて思い出してしまった。けど、ただのパズル問題に奥深いストーリーをくっつけるの、けっこう好き。有栖川有栖『推理研VSパズル研』。トリは辻村深月『2020年のロマンス詐欺』。振り込め詐欺に巻き込まれていく大学生(田舎からでてきたばっかり)のシーンはちょっと読んでてイヤだった。絶対ダメなやつだ、と読者としては分かりきってる深みに落ちていく主人公を見てられないというか、そう言うシーンは嫌いなのだ。でも意外とラストは爽やかな、後味の良い、読後感の良い話です。こんなオチもあるのね。 -
Posted by ブクログ
なんかタイトル見たことあるなーと思って購入。(後で調べたらドラマ化されていたんですね。それで見たことあったのかな)
よくある短編集かと思って油断してたら謎解きのレベルがすごく高くてびっくり。長編作品でも充分成立しそうなトリックで、短編で使うなんて勿体無いとすら思ってしまった。
これは斜め読みは失礼だと思い、そこからは一つ一つ丁寧に読み進めたけど、どれもなかなか難しいトリックで、でも少ない文章の中にちゃんとヒントが散りばめられていて、とても面白かった。
短編が7つあるけど、度肝を抜かれたことも含めて一つ目が一番気に入った。あとは5つめもほっこりかと思いきやがっつりトリックで面白かった。
続編もあるようなので、今度読んでみたいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「夕暮れの屋上で」:高校2年生の美術部の由里子が屋上で頭を打って死んだ。死ぬ前に下の教室で清掃をした業者が「先輩のことが好きなんです」と告白するのを聞いた。先輩とは誰なのか。甘酸っぱい青春を感じるが、犯人がわかった後の懺悔の仕方がクセ強。懺悔の愛し方が独特すぎる。
「連火」:放火前に住んでる人を避難させる連絡を入れる連続放火と床下から30年前に死んだ人骨発見の関連性は。放火の動機がかなり極端だが追い詰められたらこんなことしちゃうのかな。
「死を十で割る」:死体をバラバラにした謎。死後硬直で死体の姿勢がバレるからバラバラにした。それだけならまぁそんなもんかと思うが、死後硬直が解けるまで待てない理由までつけるのが秀逸。死者への愛を還元する犯人の優しさか。
「記憶の中の誘拐」:幼少期実の母に誘拐された尚人は高校時代の友達の寺田に事件のことを相談する。寺田は誘拐事件に不審点を抱き館長の緋色冴子に再調査を依頼。五歳の尚人の記憶を上書きする誘拐とはふむふむ。キレイなオチで良きですな。