あらすじ
映画館で人気のないゾンビ映画を観ていた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志。終幕後に照明が点くと観客の一人が殺されていた。おまけに扉に細工されて出られない。困惑に包まれる中、和戸は感じていた。その場に居合わせた者たちの推理力を飛躍的に高める能力、「ワトソン力」が発動しつつあることを……。そしてにぎやかな推理合戦の幕が上がる! 日本推理作家協会賞受賞作家が贈る、謎解きの楽しさ100%の連作ミステリ!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
謎に直面したときにそばにいる人間の推理力を飛躍的に高める力"ワトソン力"をもつ和戸宋志(わとそうじ)を主人公にした「ワトソン力」シリーズの第二作目。今回も、警察仲間の片瀬つぐみと出掛けた映画館やリフレッシュ旅行先、果ては酔って迷い込んだ極道の組事務所など非番の日のさまざまな場所で事件に巻き込まれる和戸。そばにいる人にワトソン力はしっかりと発揮され…。
二作目も面白かった!
会社社長に招かれたコテージや、旅先での鈍行列車など今回も面白いクローズドサークルものが多かった。
「ワトソン力」もっとシリーズ化してもらいたいな。
Posted by ブクログ
題名と帯に惹かれて手に取った作品。
読み始めて大当たり!
個人的にはこういう作品は大好きなので、あっという間に読み切った。
知らずに手に取ったのだが、シリーズ2作目らしい。複数の短編で、ほぼほぼ主人公のみ知っていれば読める作品なので、1作目を読んでいなくても問題なかった。(主人公の能力や所属も冒頭で説明があるため、物語に入り込みやすい)
事件に遭遇すると周りにいる人の推理力を飛躍的に高める「ワトソン力」を持つ主人公・和戸宋志。なぜか非番の度に事件に巻き込まれるが、「ワトソン力」のおかげでいつも推理合戦がはじまる。
面白い所が、主人公自体は推理に参加せず、また発想のひらめきを与える言動をする訳でもないところ。
得てして「この主人公、必要か…?」とも思わなくもないが、主張がない分、読者としては和戸に対し好意も嫌悪も湧かない。
それが読んでいる自分にとって心地よかった。
短編としてもひとつひとつの謎がわかりやすく面白い。
推理合戦中の推理も、1人が間違っている推理をしたら即座に他の登場人物が異議を唱えるのでテンポがいい。
サクッと読めて爽快感があった。
これを機にシリーズ1作目もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
一作目と同様にゆるーいミステリ。
おもしろいんだけど、少しマンネリ気味。
半年くらい空けてから二作目読めばよかったかな。
…と思って油断していたから、最後の“五人の推理する研究員”はおもしろかった。
私もMRを体験してみたい。
Posted by ブクログ
登場人物たちの推理力がワトのおかげで向上し、そこから始まる推理合戦がコミカルで楽しい。こういうサクッと読める短編集、重い作品を読むメンタルじゃない時本当にちょうどいい。
Posted by ブクログ
和戸宋志と片瀬つぐみが映画鑑賞をしていた映画館での殺人事件。映画館の扉は鉄の棒を突っ込まれ、出入りが出来なくなっていた。「屍人たちへの挽歌」。 和戸が迷い込んだヤクザの組事務所で見つけた死体。「ニッポンカチコミの謎」。 田舎を満喫しようと和戸が乗ったローカル線が土砂崩れで急停止。電車から乗客は降ろされたが、電車の中に死体が…。「リタイア鈍行西へ」。 「二の奇劇」。 「電影パズル」。 「服のない男」。 「五人の推理する研究員」。
Posted by ブクログ
ワトソン力を持つ刑事和戸が非番の日に巻き込まれた事件を書いた短編集。
このゆるーい感じが良い。
非番の日に殺人事件に巻き込まれがちな主人公。つぐみさんがちょくちょく出てきて嬉しい。
居合わせた人達が流れるように推理合戦を始めるのシュールで笑う。色んな説が出てきては覆されたり。
数時間程度だけど色んなパターンのクローズド・サークルが出てきて面白い。
事件が起こりすぎでは?ってツッコミは置いといて最後の話でこれまでの話が繋がってくるとは思わなかった。
まあ研究者からしたら格好の研究対象だよな〜。
これ流石にもう続編はない…?
またしても偶然により助かる主人公。
Posted by ブクログ
自分ではなく、周りが勝手に名探偵になる「ワトソン力」を持つ和戸。捜査一課の刑事である和戸の班は検挙率10割と言うとんでもない数字を叩き出していて…
中々ない着眼点のワトソン力って観点が面白かったです。タイトルの通り「にわか名探偵」ばかりで新鮮でした。
続編を希望します!
Posted by ブクログ
警察官の和戸さんにはワトソン力という不思議な力がある。事件に出くわすと、自分以外の周囲の人間の推理力を飛躍的にアップさせるというさほど羨ましくもない能力だ。第二弾ともなると予備知識はバッチシなので荒唐無稽だ、なんて思わずサラっと読める。和戸さんが非番の日に毎回殺人事件が起こるので、もはや和戸さんが怪しいと思われないのか心配になるレベル。今作では前作にあった素人のトンデモ推理はやや鳴りを潜め結構皆さんロジカルに推理してらっしゃる印象。相槌を打ち、合いの手を入れるだけの和戸さんの仕草もすっかり堂に入っている。
Posted by ブクログ
大山誠一郎さんの『ワトソン力』の続編が届けられた。タイトルの5文字目は、カタカナの「カ」ではなく漢字の「力」。「わとそんりょく」と読む。警視庁捜査一課所属の主人公・和戸が、今回も推理せずに事件を解決に導く?
和戸の能力については一応伏せておく。前作は、彼が監禁されているところから始まっているが、今回は普通に始まる? 早速読み始めると、読みやすいのですいすいと読み進む。前作同様、あくまでオーソドックスなのだが…。
第一話、観客がまばらな映画館(なぜゾンビ映画?)。第二話、組事務所(!)の中。第三話、乗客がまばらなローカル鉄道の車内。第四話、緊急停止したロープウェイの中(もちろん空中)。ん? 何だか徐々に違和感が…。
第五話、ヘッド・マウント・ディスプレイを着用するARゲームのプレイ中。第六話、家電メーカー会長の別宅、要するにお約束の館。容疑者が限定される極端なクローズド・サークルばかりではないか。いずれも和戸の非番中に発生している。
各編個々に目を向けると、読みどころもある。第二話は「ニッポンカチコミの謎」というタイトルにやられた。第四話の涙ぐましいトリック。第五話は動機はともかく、さっさと処分できなかったのかと、色々突っ込みたい。
そして最後の第七話。……。嗚呼、結局そういう展開なのか、和戸よ。どうやって切り抜けるのかと思ったが、あっさりと読み終えちゃったよ。本作は、第七話のみ書き下ろしで収録されているが、正直付け足し感が拭えない。
前作はオチがうまく機能していたが、このシリーズのファンとしては、無理にオチをつけず、ひたすら同じフォーマットの繰り返しでもよかったような。ミステリ界で唯一無二の設定は、まだまだ読みたいし、読み足りない。
時計屋探偵シリーズ同様、量産は簡単ではないかもしれないが、さらなる続編をお願いします。いっそ共演とかどうでしょうか。
Posted by ブクログ
ワトソン力の続編。他人のワトソン力を高める能力を持った主人公和戸が、今作もあちこちで事件に巻き込まれていきます。
前作では、読んでいても「ワトソン力」なるモノの存在に慣れず、戸惑う気持ちがありましたが、2作目ともなると逆に楽しみに。人が死んでいるのに、不思議とコミカルに仕上がっているので、安心して読むことができます。
ワトソン力が影響すると、一体どのくらい頭が冴えてくるのか、体験してみたくなりました。
Posted by ブクログ
1作目の方が好みだったかな。
ワトソン力以外の特殊設定が強すぎる気が。
ロープウェイのあれ、どうなんだろう、とか。
そして、最後には、また、和戸は拉致されるw
あの理由にはぶっ飛んだよw
でも、なんだかんだ言っても、かるく楽しめるのは確か。
次が出たら、読むよー。
Posted by ブクログ
事件を呼び寄せ、さらには周囲の人間の推理力を高めてしまう、不思議な能力、「ワトソン力」をもった刑事・和戸シリーズの第二弾。
そんな犯行、不可能では?という事件ばかりだけれど、そもそも"ワトソン力"があり得ない設定なので、もうなんでもありだと思って読めてしまう力業の一冊。
このシリーズ、まだ続けるのかな?(笑
Posted by ブクログ
主人公は全く推理力がないのに、何故か周辺人物の推理能力を高め、そのせいで殺人現場が推理合戦の場になってしまう。一般人の自信満々な推理披露の様子がコミカルで楽しめた。
Posted by ブクログ
周囲の人々の推理力を高める謎の能力、”ワトソン力”を持つ和戸宋志の短編集第二弾。今回も非番のたびにクローズドサークルの殺人に巻き込まれてワトソン力を発揮する。リアリティ無視のコミカルな話だが楽しい。特にエラリー・クイーンを崇めるヤクザが活躍する「ニッポンカチコミの謎」は笑った。
Posted by ブクログ
そうそう、このゆるーい感じが良いんだよな。
前作同様コミカルな連作短篇集。
ワトソン力の影響により我先に推理を披露したがる人達が面白い。
しかもその中に犯人も混じっていると思うと余計に面白い。
主人公である和戸も相変わらず推理をしないので、本当に脇役に見えてくる。
バラエティに富んだ七つの短篇ミステリーが楽しめる一冊。
Posted by ブクログ
その場に居合わせた者たちの推理力を飛躍的に高める能力、「ワトソン力」を持つ警視庁捜査一課の刑事和戸宋志。彼が居合わせた7つの事件と、能力「ワトソン力」が発動し、解決に至る物語を描いた連作短編集です。
ワトソン力という設定が反則気味だけれど、プロローグ、インタールード、エピローグが個々の短編をまとめる構造になっていて、とても読みやすく、謎解きも楽しめます。
流石に本格ミステリーとは言い難いですが、ミステリーを気軽に楽しむのにぴったりの作品です。
Posted by ブクログ
自らは平凡だが、一緒にいる周囲の人の推理力を飛躍的に高める『ワトソン力』を持つ刑事・和戸。
彼が遭遇する7つのクローズドサークル事件と推理合戦を描く。
前作同様、パズルのための事件という感じでリアリズムは全くない。
映画館がとんでもない方法で閉鎖されたり、ヤクザの親分がクイーン好きだったり、二台のロープウェイがちょうど隣り合うところで急停止したり。
クローズドサークルの中で始まる謎解き合戦は披露しては否定され披露しては矛盾を突かれ、と様々な視点からの推理が繰り広げられる。
相変わらず和戸には何の推理も浮かばないので推理合戦を見守るしかないのだが、当事者である以上彼に容疑が掛けられることもある。
そんなときに容疑を晴らせるだけの推理力がないのがもどかしい。結局は他の関係者に晴らしてもらうほかない。
今回は途中でテロリスト軍団が登場するのでどう絡むのだろうかと思っていたが、やはりそこは捻りがあった。
最後は前作と似たような構図。
SATの片瀬つぐみとは今後も何かと交差しそうだ。
ただちょっとマンネリ化してきたような感じも。
このままの続編ではちょっと厳しいかも。
Posted by ブクログ
周りの人たちの推理力を俄然アップさせるという不思議な力の持ち主で、本人自体は大したことがない警視庁刑事和戸の物語。すべて所謂密室・クローズドサークル的な殺人事件を、そこにいた人々の推理力で解決していくという展開。
読みやすくて悪くはないのですが、どの事件もちょっと無理矢理感があるかなあ・・・。
Posted by ブクログ
著者初読み。
シリーズ第2弾。
そもそもの「ワトソン力」の発想がユニーク。
クローズドサークルで、犯人は決まってる中、ありきたりのようで、なかなかシリーズを広げられなそうなのに、いろいろなシチュエーションを生みだされるのがすごい。
シリーズ第3弾も楽しみにしてます。