あらすじ
映画館で人気のないゾンビ映画を観ていた警視庁捜査一課の刑事、和戸宋志。終幕後に照明が点くと観客の一人が殺されていた。おまけに扉に細工されて出られない。困惑に包まれる中、和戸は感じていた。その場に居合わせた者たちの推理力を飛躍的に高める能力、「ワトソン力」が発動しつつあることを……。そしてにぎやかな推理合戦の幕が上がる! 日本推理作家協会賞受賞作家が贈る、謎解きの楽しさ100%の連作ミステリ!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
一作目と同様にゆるーいミステリ。
おもしろいんだけど、少しマンネリ気味。
半年くらい空けてから二作目読めばよかったかな。
…と思って油断していたから、最後の“五人の推理する研究員”はおもしろかった。
私もMRを体験してみたい。
Posted by ブクログ
和戸宋志と片瀬つぐみが映画鑑賞をしていた映画館での殺人事件。映画館の扉は鉄の棒を突っ込まれ、出入りが出来なくなっていた。「屍人たちへの挽歌」。 和戸が迷い込んだヤクザの組事務所で見つけた死体。「ニッポンカチコミの謎」。 田舎を満喫しようと和戸が乗ったローカル線が土砂崩れで急停止。電車から乗客は降ろされたが、電車の中に死体が…。「リタイア鈍行西へ」。 「二の奇劇」。 「電影パズル」。 「服のない男」。 「五人の推理する研究員」。
Posted by ブクログ
ワトソン力を持つ刑事和戸が非番の日に巻き込まれた事件を書いた短編集。
このゆるーい感じが良い。
非番の日に殺人事件に巻き込まれがちな主人公。つぐみさんがちょくちょく出てきて嬉しい。
居合わせた人達が流れるように推理合戦を始めるのシュールで笑う。色んな説が出てきては覆されたり。
数時間程度だけど色んなパターンのクローズド・サークルが出てきて面白い。
事件が起こりすぎでは?ってツッコミは置いといて最後の話でこれまでの話が繋がってくるとは思わなかった。
まあ研究者からしたら格好の研究対象だよな〜。
これ流石にもう続編はない…?
またしても偶然により助かる主人公。
Posted by ブクログ
大山誠一郎さんの『ワトソン力』の続編が届けられた。タイトルの5文字目は、カタカナの「カ」ではなく漢字の「力」。「わとそんりょく」と読む。警視庁捜査一課所属の主人公・和戸が、今回も推理せずに事件を解決に導く?
和戸の能力については一応伏せておく。前作は、彼が監禁されているところから始まっているが、今回は普通に始まる? 早速読み始めると、読みやすいのですいすいと読み進む。前作同様、あくまでオーソドックスなのだが…。
第一話、観客がまばらな映画館(なぜゾンビ映画?)。第二話、組事務所(!)の中。第三話、乗客がまばらなローカル鉄道の車内。第四話、緊急停止したロープウェイの中(もちろん空中)。ん? 何だか徐々に違和感が…。
第五話、ヘッド・マウント・ディスプレイを着用するARゲームのプレイ中。第六話、家電メーカー会長の別宅、要するにお約束の館。容疑者が限定される極端なクローズド・サークルばかりではないか。いずれも和戸の非番中に発生している。
各編個々に目を向けると、読みどころもある。第二話は「ニッポンカチコミの謎」というタイトルにやられた。第四話の涙ぐましいトリック。第五話は動機はともかく、さっさと処分できなかったのかと、色々突っ込みたい。
そして最後の第七話。……。嗚呼、結局そういう展開なのか、和戸よ。どうやって切り抜けるのかと思ったが、あっさりと読み終えちゃったよ。本作は、第七話のみ書き下ろしで収録されているが、正直付け足し感が拭えない。
前作はオチがうまく機能していたが、このシリーズのファンとしては、無理にオチをつけず、ひたすら同じフォーマットの繰り返しでもよかったような。ミステリ界で唯一無二の設定は、まだまだ読みたいし、読み足りない。
時計屋探偵シリーズ同様、量産は簡単ではないかもしれないが、さらなる続編をお願いします。いっそ共演とかどうでしょうか。
Posted by ブクログ
主人公は全く推理力がないのに、何故か周辺人物の推理能力を高め、そのせいで殺人現場が推理合戦の場になってしまう。一般人の自信満々な推理披露の様子がコミカルで楽しめた。