大山誠一郎のレビュー一覧
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ネタバレ【収録作品】道尾秀介「眠らない刑事と犬」/大山誠一郎「カラマーゾフの毒」/芦沢央「アイランドキッチン」/方丈貴恵「影を喰うもの」/浅倉秋成「糸の人を探して」/森川智喜「フーダニット・リセプション」
「眠らない刑事と犬」『N』所収。ペット探偵に犯行現場からいなくなった犬探しを依頼する刑事。母親の気持ちがよくわかる。
「カラマーゾフの毒」 悪役俳優鹿養大介の安楽椅子探偵もの。『カラマーゾフの兄弟』に出てくるような一族で発生した毒殺事件。家政婦が見ている前で、どうやって犯人は被害者に毒を盛ったのか。解説によると、シリーズが完結したので、来年単行本になるそうだ。
「アイランドキッチン」 引退後家 -
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未解決事件の捜査書類や証拠品を保管する警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」。
ミスにより刑事の花形・捜査一課から左遷された寺田聡の毎日は時効を迎えた事件の捜査資料を警察署から引き取り、QRコードを貼ってデータベースと紐付けるという単調なもの。
だが稀に、館長・緋色冴子警視が『再捜査をする』の一声で当時の関係者に聞き込みをすることもある。法律上は時効が成立しているので犯人が分かったところで逮捕とはならないのだが『真実を暴く最後の砦』として出来る限り解決しようとしているらしい。
前作同様、今回も様々な事件の構図のある部分が引っ繰り返る瞬間が楽しい。
人物、事象、理由、原因、時系列…今回の事 -
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ネタバレ【収録作品】 夕暮れの屋上で/連火/死を十で割る/孤独な容疑者/記憶の中の誘拐
「夕暮れの屋上で」 卒業式のリハーサルが行われた日の放課後、校舎の屋上で一人の少女が「先輩」に募る思いを伝えていた。そこで少女の遺体が見つかる。
「連火」 標的にした住宅を燃やすが、火をつけてすぐ電話を掛けることで死者は出さない放火魔。八百屋お七を彷彿とさせるが、ある日を境に犯行を止めた。
「死を十で割る」 十個の部位にバラバラにされていた被害者男性の死体。同じころ、DVを受けていたその妻は列車に飛びこみ、自殺を図った。
「孤独な容疑者」 借金の返済を迫られて、同僚を殺害した犯人。倒叙の形で語られる。
「記憶の中 -
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「赤い博物館」に続く緋色冴子シリーズの第2弾。
雪女のようなルックス、コミュニケーションに難ありだけど抜群の推理力をもつ、訳ありのキャリア警視緋色冴子がお蔵入りになった5つの事件を解く連作短編。
過去の捜査資料を読むだけで事件の真相を探り当てる冴子の慧眼が今回も冴える。
彼女の手足となって調査する寺田聡とのコンビも板についてきた。
今回の事件もそれぞれ工夫に満ちていて、相変わらず動機とかに無理筋なところもあるけれどそれも許容範囲、全体としてサラリと読んで楽しめるミステリに仕上がっている。
軽く頭を働かす程度の安楽椅子探偵ものとしてこれからも追っかけたいシリーズです。 -
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2021/07/28 08:10
よく読んでたベスト本格ミステリーの2019年の文庫版なんだな。
前のノベルズはもっと収録されてる本数が多かったから、面白いのに当たる可能性も高いし、逆に趣味に合わないものに会う確率も高いのだけれど、これは文庫版になって6篇だけになったから、さてどうかなと思ったが、とびきりのものはひとつもなかったけれど、5篇はそこそこ、ちびまんとジャンボという話だけ、ミステリとしては多分面白いのだろうけど、カメムシを食うだのゲロだの、読んでて気分悪くなる話だったので残念だった。
中で1篇、時代劇のミステリがあるが、宮部みゆきも、まぁ、あれはミステリとは言わないのかもだが、書いて -
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結城真一郎「惨者面談」★★★☆☆
凡そ結末の予想はついたけれど、文体が好き。
伊吹亜門「囚われ師光」★★★☆☆
「刀と傘」「雨と短銃」に続いて。
この方の作品、個人的にとても好きなのだが、短編だと淡々とした印象がより強いかも。ただ母校の新島襄を出してくるところが強いな。
中島京子「ベンジャミン」★★★☆☆
お母さんのセリフと動物園であらかた予想はついたけれど最後まで読めた。
アメリカの小説を読んでる印象があった。
櫛木理宇「夜に落ちる」★★★☆☆
掲示板のまとめを読んだときに感じる胸糞感があって、とりあえず私は外食しているときに隣のテーブルにこのご家庭が座ったら、脳内早食い選手権を開催 -
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警視庁付属犯罪資料館・通称「赤い博物館」は、ロンドン警視庁犯罪博物館・通称「黒い博物館」を模して設立された。そこでは、警視庁管内で起きた過去の事件の証拠品や捜査書類を所轄署から受け取って保存し、今後の捜査に役立てる役目を果たしている。
その資料館の館長・緋色冴子警視はコミュニケーション能力皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美人キャリア。そこに配属されたのは、警視庁捜査一課で失態をやらかし飛ばされてきた元刑事・寺田聡巡査部長。
冴子のアンテナに触れた既に過去のものとなっている事件を、寺田が手足となって捜査し、資料と遺留品を元に冴子の卓越した推理力で解決に導くという5つの連作短編。
癖のあるキャラ