あらすじ
緋色冴子シリーズ第二弾。文庫オリジナルで登場!
赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件に挑むシリーズ第二弾。文庫オリジナル。
◎目次
夕暮れの屋上で
連火
死を十で割る
孤独な容疑者
記憶の中の誘拐
解説 佳多山大地
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
前作に続いてこちらもおもしろい。
短編だからサクサク読めるけど、結構中身の詰まったミステリ。
館長が一緒に再捜査に出かけるようになったのはなんでなんだろう。
安楽椅子探偵だと思ってたけど、それだとストーリーの幅が狭いから変更したのかな?
2巻では館長のバックグラウンドが語られるかと思いきや、まだそこは謎のまま。
ということはまだ続編があるってことなのかな。
大塚さんと中川さんが出てくるシーンが好き。
中川さんの飴ちゃん貰ってあげればいいのに 笑
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年明け三冊目は「赤い博物館」シリーズの続編。
本格ミステリとしての面白さは健在で、どの話も発想の逆転のさせ方がうまく、すっきりしていて読みやすい。特によかったのは『死を十で割る』と『連火』の二つ。どちらも犯人がなぜそんな行動に出たかがわかった瞬間は鳥肌がたった。
気がはやいかもしれないが、続編を早く読みたい。
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松下由樹さんの2時間ドラマでこの作品を知りました。1作目は読んでいませんが、この本を見かけて購入。
表題作が一番面白かったですが、他の作品も良かった。ネタバレになるので多くは書きませんが、楽しめました。
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時効になった事件のみの再捜査、そもそもの考え方を崩して新たな解釈を展開していく、今回はさらに新たな事件も関連して楽しかった。
解説で、アリバイ崩し賜ります、もこの作者と分かり合点がいった。今度読もう。
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大山誠一郎の連作ミステリ作品『記憶の中の誘拐 赤い博物館』を読みました。
『赤い博物館』に続き、大山誠一郎の作品です。
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緋色冴子シリーズ第二弾。文庫オリジナルで登場!
赤い博物館こと犯罪資料館に勤める緋色冴子が、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件に挑むシリーズ第二弾。
文庫オリジナル。
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2016年(平成28年)から2021年(令和3年)にかけて文藝春秋の雑誌『別冊文藝春秋』、『オール讀物』に掲載された後、2022年(令和4年)に刊行された作品、、、
捜査中に大失態を犯してしまい警視庁捜査一課から警視庁付属犯罪資料館・通称「赤い博物館」に左遷された寺田聡巡査部長が、いつも無表情でコミュニケーション能力皆無といういわくつきの美女で、ずば抜けた推理力をもつ赤い博物館館長の緋色冴子とともに、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件(コールドケース)の再捜査を行い解決するシリーズの第2作で、以下の5篇が収録されています。
■夕暮れの屋上で
■連火
■死を十で割る
■孤独な容疑者
■記憶の中の誘拐
■解説 佳多山大地
未解決事件などの捜査書類を収蔵する通称“赤い博物館”の館長・緋色冴子……遺留品や手掛りを元に、ずば抜けた推理力で事件を幾つも解決してきた、、、
ある日、部下の寺田から相談されたのは、26年前に起きた奇妙な誘拐事件……犯人と目されたのはその子の親だったようで―表題作他、予測不可能なミステリ全5篇。
本作品も面白かったですねー 正確な観察力や聞き取りが優秀な元警視庁捜査一課の刑事で助手の寺田聡が情報を収集し、優秀なキャリアでありながらエリートコースから外れ犯罪資料館の館長を長年務め類稀な推理力を持つ緋色冴子……このコンビが未解決事件(コールドケース)の真相を暴くという展開が愉しめました、、、
前作では勤務先である犯罪資料館から一歩も出ずに事件を解決する安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)を決め込んでいた緋色冴子が、意外や本作品では“頼れる助手”寺田聡とともに再捜査の聞き込みや容疑者との直接対決の場に赴くなど行動に変化があるのも新鮮でしたね……5篇とも面白かったのですが、あえて言うなら特に印象に残ったのは、
23年前、校舎の屋上で2年生の女子高生が殺害された……彼女は、その直前に「先輩」への募る想いをに告白していたが、彼女を殺した「先輩」とは誰なのかを推理する『夕暮れの屋上で』、
24年前に東京都西部地域で連続して起きた放火事件……神出鬼没の放火魔は、標的にした住宅は跡形なく燃やしても、火をつけてすぐ「火事だ。逃げろ」と電話を掛けて死人は出さないように配慮していたのだが、その目的は何で、放火魔は誰なのかを推理する『連火』、
15年前、赤羽の河川敷で起きた、10個の部位に切断されたバラバラ殺人事件! そして、何の因果か被害者の妻は、夫の死体発見の前日、電車に飛び込んで非業の死を遂げていた……死体をバラバラにした理由探しと殺人犯は誰なのかを推理する『死を十で割る』、
の3篇かな……緋色冴子は証拠品の声を聴き、当時の関係者に新たな問いを放って真相を見抜く展開が愉しめましたね。
過去の事件という枠組みと周到な伏線を活かしつつ、意外な真相を読者に気付かせずに示す技量は抜群でしたねー もっと、もっとシリーズ作品を読みたいところですが、現時点で刊行されている作品は2作品のみのようです……続篇を期待しています。
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未解決事件などの捜査書類や証拠品を収める警視庁の犯罪資料館─通称『赤い博物館』の館長・緋色冴子と部下の寺田聡が未解決事件を再捜査する全5編の短編集です。事件関係者の視点、提示された証拠、聞き込みそして推理していく様子はわかりやすいです。
こちらはシリーズ2作目で前作は原作にしたテレビドラマ(二時間ドラマ)を観たことがきっかけで読みました。前作が面白かったので今作も期待して読んだのですが期待値が高かったためか、犯人の行動に『えっ?確かに騙されたけれどこれは無理がないか…?』感じる話もありました。(犯人がある行為をしていたという点では前作の「死が共犯者を別つまで」のほうが無理を感じなかった)、犯人が何のためにその行為をしたか?という意外性では「連火」「死を十で割る」「記憶の中の誘拐」が良かったです。また前作とは異なり情緒的な面での動機があったり、安楽椅子探偵のように資料と寺田からの話で事件を解決していた冴子が外に出て事件関係者の話を聞きに行くという行動をしたりしており変化を感じました。次作も楽しみです。
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シリーズ、第二弾(だそうです)。
未解決事件の捜査資料を収蔵する通称『赤い博物館』の館長・緋色冴子。
ずば抜けた推理力を持つものの、対人関係に難を持つ警視。
部下の(まともな?)寺田聡とともに、過去に起こった未解決事件の謎を追う。
・夕暮れの屋上で
・連火
・死を十で割る
・孤独な容疑者
・記憶の中の誘拐
それぞれ味のあるストーリーですね。
視点を変えると、当たり前に見えていた景色がガラッと変わるシーンは、面白いですね。
なるほど、そう言う見方があったのか?
きちんと伏線もあり、納得です。
Posted by ブクログ
未解決事件の再調査で、過去の真実が明らかになるシリーズの久々の2冊目だそう。
コミュ力欠如の名探偵ホームズ役の警視が鋭い推理で過去の事件をあぶり出す。ワトソン役としての刑事はその分平凡的ではありますが。短いけれどもなかなか読み応え、謎解きたっぷりで楽しめました。こうなると最初の作品も読んでみたくなります。
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前作同様よくできた短編集です。
本作だけでも楽しめますが、前作の続きから時間がスタートしているので、人間関係を知るには赤い博物館から読むことをお勧めします。
館長の緋色冴子と元一課刑事の寺田聡の今後が気になります。続編を期待するシリーズです。
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旅のお共として。続編。さらに続きが出そうで楽しみ。「夕暮れの屋上で」は先輩というのは女の子だろう、というとこは推測できたけど、結果はちょっと違った。なるほど、そっちもあったか、と。「連火」はこういう展開?で『あの人』って呼び方するかなーってとこがちょっとひっかかった。「死を十で割る」はバラバラ殺人にした理由が画期的。なるほど。「孤独な容疑者」は前、別のアンソロジーで読んで、そもそもこのシリーズを読もうと思ったきっかけの作品。「記憶の中の誘拐」は印象的。こんな誘拐の理由ある?子供を思う気持ちっていろいろあるんだなと。
Posted by ブクログ
待望の続編ということで発売日に購入しました。
再捜査が時間を巻き戻し、過去を紐解き、そこには悲しい過去がある……犯罪資料館という設定がこれでもかというくらいハマるお話ばかり。トリックとスピーディーな推理に驚きながらも最後は少し寂しさも感じるのはこのシリーズならでは。面白かったです。
Posted by ブクログ
最初の頃は、パズラーに徹するために余計な夾雑物は一切切り捨てた的なことを公言していた作家さんだけど、その頃からなんとも言えない愛嬌みたいなものがあって、このままでも案外一般受けするかもとか思っていた。それがキャラ萌えという夾雑物だけは容認するようになって、当然のように人気者になった。それでも本質は変わらず、まるでミステリ以前の推理パズルそのままのような、不自然な設定や強引な展開、とってつけたようなキャラクターは相変わらず。これはこういうもの。
トリックの方も、一時期のこれまで誰も見たことのないようなトリックを産み出してみせる的な熱意で、ギラギラしているような高密度感はないが、それでも異様なまでの濃厚さ。帯に推薦文を寄せている有栖川有栖氏の小説が好きな人なら、絶対に気に入るんじゃないかと。
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赤い博物館の第二弾。内容は、第一作よりも深い感じ。ただ、館長緋色紗栄子が関係者の聴き取りに同行するなど、少し物語が変わっている。第一作のままで推理を働かせなかったか、少し残念に思う。
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未解決事件の捜査書類や証拠品を保管する警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」。
ミスにより刑事の花形・捜査一課から左遷された寺田聡の毎日は時効を迎えた事件の捜査資料を警察署から引き取り、QRコードを貼ってデータベースと紐付けるという単調なもの。
だが稀に、館長・緋色冴子警視が『再捜査をする』の一声で当時の関係者に聞き込みをすることもある。法律上は時効が成立しているので犯人が分かったところで逮捕とはならないのだが『真実を暴く最後の砦』として出来る限り解決しようとしているらしい。
前作同様、今回も様々な事件の構図のある部分が引っ繰り返る瞬間が楽しい。
人物、事象、理由、原因、時系列…今回の事件は何がどう引っ繰り返るのかという興味で読んだ。
パターンとしては序盤に犯人視点の描写がチラッと入る。だがそれが真実とどう結びつくのかはまだ分からない。その後捜査資料にて事件の詳細が分かってくるのだが、疑問点があらわになるだけで主人公・寺田には事件の真相は全く分からない。だが『事件を再捜査する』と言った時点で緋色の頭にはある程度の真相が見えているようだ。
前作と違うのは、緋色が『赤い資料館』を出て寺田と共に聞き込みに出向いていること。コミュニケーション能力に難のある緋色は、前作では聞き込みは寺田に任せて自身はその結果を聞いて真相を明かすというパターンだった。緋色自身、何か思うところがあったのだろうか。
だが彼女の聞き込みは前作同様、一見不可解で寺田同様戸惑ってしまう。それが事件の真相とどう結びつくのかも楽しいところだろう。
捜査資料を読んだだけでなぜそれが分かるのか、緋色の頭の中がどうなっているのかこそ一番の謎だが、緋色はよくある名探偵キャラのように真実が分かるまでは考えを明かさない。緋色が『雪女』と寺田がこっそり呼ぶ沈黙キャラな分、守衛の大塚や清掃員の中川が補ってくれるから良いのだろう。
前作を読んで気になっていた、緋色が『赤い博物館』の館長となった理由、寺田が刑事に復帰する兆しなどは全くなかった。逆に言えばシリーズはまだ続くということだろうか。
※シリーズ作品
①「赤い博物館」レビュー投稿あり
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赤い博物館シリーズの短編集。
過去の未解決事件の資料や遺留品を読み解いて、犯罪資料館の館長が真相を解き明かす。どれもあっさりと短い短編でトリックで勝負する感じ。わかりやすい話もあったが、「死を十で割る」の死体をバラバラにした理由などはなるほどと思った。
Posted by ブクログ
【収録作品】 夕暮れの屋上で/連火/死を十で割る/孤独な容疑者/記憶の中の誘拐
「夕暮れの屋上で」 卒業式のリハーサルが行われた日の放課後、校舎の屋上で一人の少女が「先輩」に募る思いを伝えていた。そこで少女の遺体が見つかる。
「連火」 標的にした住宅を燃やすが、火をつけてすぐ電話を掛けることで死者は出さない放火魔。八百屋お七を彷彿とさせるが、ある日を境に犯行を止めた。
「死を十で割る」 十個の部位にバラバラにされていた被害者男性の死体。同じころ、DVを受けていたその妻は列車に飛びこみ、自殺を図った。
「孤独な容疑者」 借金の返済を迫られて、同僚を殺害した犯人。倒叙の形で語られる。
「記憶の中の誘拐」 26年前に起きた奇妙な誘拐事件。被害者の少年は、寺田の友人。
時効を迎えた事件の真相を暴くことの意味を思う。
Posted by ブクログ
「赤い博物館」に続く緋色冴子シリーズの第2弾。
雪女のようなルックス、コミュニケーションに難ありだけど抜群の推理力をもつ、訳ありのキャリア警視緋色冴子がお蔵入りになった5つの事件を解く連作短編。
過去の捜査資料を読むだけで事件の真相を探り当てる冴子の慧眼が今回も冴える。
彼女の手足となって調査する寺田聡とのコンビも板についてきた。
今回の事件もそれぞれ工夫に満ちていて、相変わらず動機とかに無理筋なところもあるけれどそれも許容範囲、全体としてサラリと読んで楽しめるミステリに仕上がっている。
軽く頭を働かす程度の安楽椅子探偵ものとしてこれからも追っかけたいシリーズです。