あらすじ
『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を射止めた著者がミステリ人生のすべてを賭けて贈る渾身作!
松下由樹主演ドラマ「犯罪資料館 緋色冴子シリーズ『赤い博物館』」原作。
キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女・緋色冴子警視と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい寺田聡巡査部長。
図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む難事件とは――。
予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説!
〈収録作品〉
パンの身代金
復讐日記
死が共犯者を別つまで
炎
死に至る病
解説・飯城勇三
感情タグBEST3
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「赤い博物館」という通称を持つ、警視庁管内で起きた事件の証拠品が集められた犯罪資料館に飛ばされた元捜査一課の刑事と館長の「雪女」が過去の未解決事件を証拠品を元に解決する、というミステリ短編集。
どの事件も意外性のある結末で衝撃だったけれど、一番は「パンの身代金」かなぁ。読んでて一番展開が読めなかった。
雪女こと探偵役の緋色冴子警視は、よくあるタイプのコミュ障だけど頭が切れる、というもの。ワトソン役の元刑事寺田が、優秀ぎみなワトソンなので、寺田の眼を通して読者は新たな着眼点を得られるのが良かった(往々にしてミスリードだったりするのだが)。
続編も楽しみ。
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2作目の大山誠一郎の本。
前回読んだ、「アリバイ崩し承ります」が大変面白かったので、興味を持ってこちらも読んでみたが、
こちらの方がより面白かった。
次こそは!と思い読みながら頭を悩ませますが、1つしか犯人を当てることが出来なかった。
(それも、全てのフラグを回収できたわけでもなかった)
他の本も必ず読もう。
Posted by ブクログ
大山誠一郎の連作ミステリ作品『赤い博物館』を読みました。
大山誠一郎の作品は今年6月読んだ『アリバイ崩し承ります』以来ですね。
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本格ミステリ大賞受賞作家がミステリ人生のすべてを賭けた警察小説!
超ハイレベルで奇想天外、予測不能なトリック駆使の本格ミステリ!
警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子はコミュニケーション能力は皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美女。
そんな冴子の手足となって捜査を行うのは、部下の寺田聡。
過去の事件の遺留品や資料を元に、難事件に挑む二人が立ち向かった先は――。
予測不能なトリック駆使、著者渾身の最高傑作! TVドラマ原作
「読者に対して手がかりを堂々と提示しながらも真相を当てさせない」という
難題を見事にクリアしている。 ――飯城勇三「解説」より
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2013年(平成25年)から2015年(平成27年)にかけて文藝春秋の雑誌『つんどく!』、『オール讀物』に掲載された後、2015年(平成27年)に刊行された作品、、、
捜査中に大失態を犯してしまい警視庁捜査一課から警視庁付属犯罪資料館・通称「赤い博物館」に左遷された寺田聡巡査部長が、いつも無表情でコミュニケーション能力皆無といういわくつきの美女で、ずば抜けた推理力をもつ赤い博物館館長の緋色冴子とともに、過去の事件の遺留品や資料を元に、未解決事件(コールドケース)の再捜査を行い解決するシリーズの第1作で、以下の5篇が収録されています……2016年(平成28年)にTBS系で松下由樹主演によりテレビドラマ化さているらしいですね。
■パンの身代金(『赤い博物館』を改題)
■復讐日記
■死が共犯者を別つまで
■炎
■死に至る問い
■解説 飯城勇三
迷宮入り事件の綻びを探せ! ミステリ巧者の大傑作……『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を射止めた著者がミステリ人生のすべてを賭けて贈る渾身作、、、
キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長……図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった2人が挑む難事件とは――。
予測不能の神業トリックが冴え渡る、著者初の本格警察小説!
面白かったですねー 正確な観察力や聞き取りが優秀な元警視庁捜査一課の刑事で助手の寺田聡が情報を収集し、優秀なキャリアでありながらエリートコースから外れ犯罪資料館の館長を長年務め類稀な推理力を持つ緋色冴子……このコンビが未解決事件(コールドケース)の真相を暴くという展開が愉しめました、、、
5篇とも面白かったのですが、特に印象に残ったのは、
犯人が残した日記から浮かび上がった2つの殺人事件の顛末……真犯人たる条件を当てはめて再検討することで事件を様相が一変する『復讐日記』、
交通事故の被害者が死の間際に告白した交換殺人……単純と思われた2つの殺人事件の構図が一変する『死が共犯者を別つまで』、
の2篇ですかね……面白かったので、次は続篇の『記憶の中の誘拐 赤い博物館』を読もうと思います。
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第2篇辺りから自分でも負けじと推理するのだが、本質から外れてしまう。部下の寺田聡と自分が重なる。本当は館長かの緋色冴子並みに推理し本質を見抜きたいのだが。でも読んでいるうち、寺田と同様、当たり前でない推理に走るようになった。これも成長かも。読者を本気にさせるから面白い。
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警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長である緋色冴子が、部下の寺田聡とともに過去の事件の遺留品や資料を元に未解決で難解な事件を解決する。
この作家さんは、初読み。
かなり高度なミステリであり、難解過ぎる。
ハイレベルである。
全5話あるのだが、どれも分からずにギブ状態。
予測不能なトリックに頭がついていけないのだが、頭を使うことが少なくなったせいか…年齢のせいか…。
「炎」と「死に至る問い」の2話は、家族に纏わる事件なので、なんともやりきれない気持ちが残った。
今回は、文庫化されて手に取ったのだが、ハードカバーは知らなくて、2016年と2017年にテレビドラマ化されていたのも知らなかった。
原作と脚本とでは、少し違うのかもしれないが、知らなかったので残念だ。
クールで論理的な冴子の推理には、惚れ惚れする。
シリーズの継続を望みたい。
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旅のお共として。警視庁付属犯罪資料館、別名「赤い博物館」を舞台とした連作短編集。読みやすくて面白かった。しかしレビュー数が少なすぎじゃないか。もっと人気が出ていい作家さんだと思うけどなぁ。「炎」「死に至る問い」が特に面白かった。
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失策で犯罪資料館に飛ばされてきた聡。
館長であるキャリアの冴子。
冴子の、過去の資料から読み解く推理が素晴らしい。
聡も、捜査一課にいたという自負心から張り合うんだけど、全然敵わない。ものすごく説得力のある聡の推理が冴子にくるりとひっくり返される展開が面白い。
最後の「死に至る問」は、あまりに悲しい。そこまで思いつめずにいられないなんて、、、
誰が犯人で、どんな動機があろうと冷徹に事件を読み解く冴子のクールさがかっこいい。
彼女の過去にも何か事情がありそうで、シリーズ続編で明かされることを期待。
解説によるとドラマ化もされているようだけど、雰囲気は原作からは変わっているみたい。それはそれで興味がある。再放送されないかな。
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迷宮入りになった事件の遺留品や資料を保管している、警視庁付属犯罪資料館「赤い博物館」に配属された寺田聡。館長の緋色冴子と難事件に挑む。「パンの身代金」「復讐日記」「死が共犯者を別つまで」「炎」「死に至る問い」の5話。
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犯罪の証拠品などを保管する犯罪資料館を舞台に、捜査資料や残された証拠品から事件を紐解くミステリー。そういう設定なので古い事件を取り扱うことが多く、いわゆるコールドケースのような感じ。
解説にも書かれていますが、本格ミステリーとしての塩梅はとてもいい感じ。短編集なので無駄がそぎ落とされていて、純度の高いミステリーです。
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「赤い博物館」の館長である緋色冴子と、助手である元捜査一課の刑事が証拠品をもとに迷宮入り事件を推理で解決していく連作短編。以前テレビドラマ化されているようですが、残念ながら未見。
本格推理はもちろんですが、本作では怖い、そして悲しい設定が多く、物語にも引き込まれました。「復讐日記」と「炎」が特にお気に入りです。
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この小説を原作にしたテレビドラマ(二時間ドラマ)を観たことが、きっかけで読みました。全5編からなる短編集で、提示された証拠から聞き込みそして推理という流れなので、若干情緒的な面は薄いですが、未解決の事件の証拠を登場人物、読者にキチンとわかるように作中で提示され、主人公である緋色冴子が真相を推理していくところに読みごたえがある。あと事件の背景にある関係者の狂気ともいえるような内面を感じさせる話もあり、そういったところにも惹かれた。ラストの冴子の台詞からも次のシリーズの単行本発売が楽しみになる作品。
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2018年107冊目。探偵役の推理が切れ味鋭いものから妄想に等しいものまで落差が激しい。事件そのものも考えさせられるものから荒唐無稽なものまで。その両方がハイレベルな⌈復讐日記」がベスト。次点で⌈炎」。
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連作短編集
発生から一定期間経過した事件の証拠品・捜査書類を保管しておくための施設、通称「赤い博物館」
そこに集められた遺留品や資料から、事件の真相を当てますよー、といったお話
これだけの情報からこんな意外な真相が!という楽しみはあるものの、逆に言えば、これだけの情報から推理した真相が本当に当たってるなんてちょっと都合が良すぎるよ!とも思えてしまう
こういったタイプの作品はそういうものでしょ、なんてツッコミはもちろんそうなのですが、違和感を覚えてしまったのも事実
P.153での『推理を進めるうえでの絶対条件となる根拠が自分のした推理結果』という論理の強さにちょっと笑ってしまった
こういう強引なのは嫌いじゃないです
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ドラマにもなったのね、誰が演じたのかちょっと気になる。謎解きの鍵は全部出てくるから解けそうなもんなんだけど、考えるより先にページ捲っちゃうんだよなー
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イギリスのブラックミュージアムの日本版という設定で興味深かったです。
日本には実在しないようですが、京橋にある警察博物館が近いのかも?
赤い、とは血に濡れた…等々物騒なイメージをしていましたが、赤レンガの建物であることが由来でした!
論理的でフェアプレイな推理ものですがライトなかんじで読みやすいです
Posted by ブクログ
雪女のような緋色冴子と読者代表のような寺田聡に導かれて、謎解きと犯人当ての面白さを味わった。
短編ながらも、複雑な人間関係が描かれているので、読み応えがあった。
聡の迷推理やトリックの傾向があって、読み進むうちに、謎解きが冴えてきた!
と思ったが、最後の解説読んで、作者の術中にハマったのか?たぶんハマった!
Posted by ブクログ
短編集であるが一つ一つの話に伏線、予想外の結果があり既存の短編集よりも深い話を楽しめた。やや強引な展開もあったが、、でもまた続きが出たら読みたい
3.7
Posted by ブクログ
警視庁付属犯罪資料館・通称「赤い博物館」は、ロンドン警視庁犯罪博物館・通称「黒い博物館」を模して設立された。そこでは、警視庁管内で起きた過去の事件の証拠品や捜査書類を所轄署から受け取って保存し、今後の捜査に役立てる役目を果たしている。
その資料館の館長・緋色冴子警視はコミュニケーション能力皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美人キャリア。そこに配属されたのは、警視庁捜査一課で失態をやらかし飛ばされてきた元刑事・寺田聡巡査部長。
冴子のアンテナに触れた既に過去のものとなっている事件を、寺田が手足となって捜査し、資料と遺留品を元に冴子の卓越した推理力で解決に導くという5つの連作短編。
癖のあるキャラクターの冴子と、捜査に未練を残しながら資料整理と冴子のパシリに勤しむ聡のコンビが妙に笑える。冴子の指示で聡が事件を再捜査するという流れで、事件の情報は読者にもフェアに示されるという本格ミステリ仕立てにワクワク。
古い捜査資料と聡が足で集めてきた新たな情報を元に、冴子は頭で事件を解決し、ラストで切れ味よく論理を展開する。ちょっと無理筋なケースがあるのも否めないけど、推理ゲームの楽しさを十分に味わえる短編集でした。シリーズになりそうで楽しみ!