【感想・ネタバレ】アリバイ崩し承りますのレビュー

あらすじ

連続TVドラマ化!(出演 浜辺美波 安田 顕/テレビ朝日系 2020年1月クール)
本格ミステリ・ベスト10 2019原書房 第1位!

美しき時計屋探偵が、事件や謎を解決!?
時を戻すことができました
アリバイは、崩れました!

美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ……7つの事件や謎を、店主の美谷時乃は解決できるのか!? 「2019本格ミステリ・ベスト10」第1位の人気作、待望の文庫化! 解説/乾くるみ

乾くるみ(小説家)さん絶賛!
「本書を通じて、謎解き小説の面白さに目覚めてもらいたい」
「唸り、仰け反り、ひざを打ち、最後には拍手喝采してしまいました」宇田川拓也 ときわ書房本店
「大山節が炸裂している。全てが驚かされるぞ」三島政幸 啓文社ゆめタウン呉店店長
「本格推理小説界の新たなる安楽椅子探偵に惜しみない拍手を送ります」井上哲也 大垣書店豊中緑丘店

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

数年前にドラマ版を観て、今回原作を手に取った。
ドラマのイメージが強いので、主人公の語りは浜辺美波ボイスで脳内再生される。それだけでもサクサク読み進められる。
謎解き自体は、文中にヒントはあるもののなかなか正解にはたどり着けず、解決編の爽快感はなかなか。
それにしても、良いドラマだったな。また見返したい。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

時計つまり時間に関することは全て仕事とする時計屋では、アリバイも業務対象。というわけで、7つの短編は全てアリバイに関するもの。アリバイ崩しが多いけど、バリエーションがあって面白い。店主によって、あっという間に解かれてしまうのが、ちょっとあっけないかな。もう少し、情報を引き出してというやりとりがあってもいいかなとも思う。

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2025年05月14日

Posted by ブクログ

«視点を変えて考える»
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“時計は時間に関係するもの。だから、時計屋が一番アリバイの問題に精通しているのではないか”

「美谷時計店」先代当主のおじいさんの一風変わった意志を受け継ぎ、時計修理と共に「アリバイ崩し」の業務を行う歳若い女性美谷時乃。
警察本部に所属されたばかりの「僕」は時計修理でこの店を訪れたことをきっかけに、美谷さんに「アリバイ崩し」を依頼していくことになります。

「犯人探しではなく、怪しい人物のアリバイ崩し」という発想は真新しく、今読んだ供述をどうしたら別の見方で捉えられるか考えながら読み進めるのは楽しかったですが、2話くらいまではなんとなく物足りなさを感じていました。
しかし、3話目以降の少し不気味な描写や、心温まる先代のおじいさんの話、正義感溢れる少年の話に評価は一転。じわじわとくる恐ろしさで、(これは私が怖がりなだけかもしれませんが)あるいは感動で感情を揺さぶらっぱなしでした。

ミステリーとしてだけではなく、人と人との関係を描いたストーリーとしても読んで良かったと思える作品でした。
最後までとりあえず読んでみることって大事!

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2024年01月16日

Posted by ブクログ

昨今は「ここのここだけ食べたい!」みたいな商品をちらほら見かけるようになった。この作品も「ミステリーのここだけを読みたい!」という願望を叶えてくれるような作品と言える。看板に偽りなしでこの作品はとにかく「アリバイを崩すこと」に特化しており、犯人は誰なのか?その動機は?みたいな味付けは皆無に等しい。個人的にはその味付けを楽しむタイプではあるので物足りなさは感じるところだが、この調理法を目的としている人をターゲットにした作品なのだから、私の物足りなさは当然でありお門違いでもある。ミステリーを初めて読む人向けと言うよりはやはりもう自身の好みの味付けを知っている人向けの作品。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

事件関係者以外の登場人物の少なさ、キャラ設定もほぼ無し。とにかくアリバイだけに特化した作品。最後の7話だけ八王子の地名や駅名が具体的で面白い

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

「時計屋探偵の〜2」から読み始め、1も読んでみたいと思いすぐさま購入しました。アリバイを考えるのが本当に凄い、、。ここまでアリバイに凝縮された内容の本を読むのは初めてで新鮮でした。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

 アリバイ崩しに特化した七編(一編はアリバイ探し)が収録された本格ミステリーの短編集で、時間の誤認や錯覚だけでなく脆弱ながらも崩せないものや心理的な要素を利用したトリックまで幅広いアリバイ崩しを楽しめた。続編も是非読みたい。

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2025年11月01日

Posted by ブクログ

数年前にドラマ化もされた、安楽椅子探偵ものの短編集。
読者への配慮からか、余計な寄り道がなくシンプルでテンポのいい構成。
「時間の誤認」「錯覚」「勘違い」といった日常のズレを巧みに使い、
気づけば“自分もやってしまいそう”と思わせるトリックが光っていました。
一話ごとにしっかりオチが決まっていて、短編集ながら満足度の高い一冊でした。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

アリバイを主張している人は時間がその主張の根拠となっており、故に時計屋がアリバイの問題をもっともよく扱える、という主義のもとでアリバイ崩しを行うというユニークなミステリー。
読者に提示される手がかりもフェアであり、「時を戻すことができました。アリバイは崩れました」という時乃の言葉から解決編が始まる構成は、古き良き本格ミステリーの体裁を踏襲している。
かといって難しいという感じは全くなく、人間味のある展開は、ミステリー初心者からミステリマニアまで幅広く楽しめる作品だと感じた。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

時計屋さんがアリバイ崩しなんてとても新鮮、それでいて謎解きのスピードが速すぎる。それに頼る警察官は警察官としてのプライドはないのかといいたくなったが、謎解きの内容自体はライトで読みやすく面白かった。

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2025年06月12日

Posted by ブクログ

文章の構成や設定がかなり読みやすく、何も考えずに楽しむにはぴったりの作品でした。トリックや真相を暴くというわけではなく容疑者のアリバイを崩す、アリバイを崩せる人が犯人、という新しい視点での事件解決も新鮮で楽しめます。

頭の切れる、探偵じゃない探偵役がいるミステリーは定番ながら間違いなく面白いので安心して読めました。
こういった優しい雰囲気と事件のワクワク感を両方楽しめる作品が読みたいときは大山誠一郎さんだな、と確信できる作品です。

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2025年02月21日

Posted by ブクログ

こちらもサクッと。
やっぱりアリバイ崩すの早すぎ!笑
なんだか人間模様も続きそうで。
3もすぐ読むんだろうな。
おじいちゃんとの話が良かった。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

大山誠一郎の連作ミステリ作品『アリバイ崩し承ります』を読みました。
大山誠一郎の作品は昨年10月読んだアンソロジー作品『新・本格推理〈03〉りら荘の相続人』に収録されていた『聖ディオニシウスのパズル』以来ですね。

-----story-------------
連続TVドラマ化!出演 浜辺美波 安田 顕
テレビ朝日系 2020年1月クール
土曜ナイトドラマ 毎週土曜 よる11時15分

本格ミステリ・ベスト10 2019原書房  第1位!

美しき時計屋探偵が、事件や謎を解決!? 時を戻すことができました
アリバイは、崩れました!

美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ……7つの事件や謎を、店主の美谷時乃は解決できるのか!?
「2019本格ミステリ・ベスト10」第1位の人気作、待望の文庫化! 解説/乾くるみ

乾くるみ(小説家)さん絶賛!
「本書を通じて、謎解き小説の面白さに目覚めてもらいたい」
「唸り、仰け反り、ひざを打ち、最後には拍手喝采してしまいました」宇田川拓也 ときわ書房本店
「大山節が炸裂している。全てが驚かされるぞ」三島政幸 啓文社ゆめタウン呉店店長
「本格推理小説界の新たなる安楽椅子探偵に惜しみない拍手を送ります」井上哲也 大垣書店豊中緑丘店
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2014年(平成26年)から2017年(平成29年)に発表された5篇に書き下ろし2篇を加え、2018年(平成30年)に刊行された作品……時計屋の若き女性店主・美谷時乃(みたに ときの)が祖父譲りの推理力を発揮して、警察の捜査一課が頭を悩ませる難事件のアリバイ崩しに挑むさまを描くシリーズの第1作です、、、

2020年(令和2年)1月期にテレビ朝日系で浜辺美波主演によりテレビドラマ化され、同年2月にsanorinの作画で漫画化されているらしいですね。


 ■第1話 時計屋探偵とストーカーのアリバイ
 ■第2話 時計屋探偵と凶器のアリバイ
 ■第3話 時計屋探偵と死者のアリバイ
 ■第4話 時計屋探偵と失われたアリバイ
 ■第5話 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ
 ■第6話 時計屋探偵と山荘のアリバイ
 ■第7話 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ
 ■解説 乾くるみ

殺人を告白して死んだ推理作家のアリバイとは!? 新米刑事が思わず通う、鮮やかすぎる謎解き、、、

時を戻すことができました。アリバイは、崩れました――。

美谷時計店には、「時計修理承ります」だけでなく「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある……「時計にまつわるご依頼は何でも承る」のだという、、、

難事件に頭を悩ませる捜査一課の新米刑事はアリバイ崩しを依頼する……ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ、山荘の時計台で起きた殺人のアリバイ……。

7つの事件や謎に、店主の美谷時乃が挑む……あなたはこの謎を解き明かせるか?

収録作品全てがアリバイ崩し物の連作短篇集です、、、

鯉川商店街にある美谷時計店には、「アリバイ崩し承ります」という一風変わった張り紙があり、店主の美谷時乃が、成功報酬一回5000円で依頼者の話を聞いてアリバイを崩してくれる……4月から県警捜査一課に配属された新米刑事の僕は、守秘義務違反を反省しつつも、今日も時乃に実際に起きた事件のアリバイ崩しを頼んでしまう という展開。

アリバイの根拠となる死亡推定時刻を巧妙に偽装するトリックが面白い『第1話 時計屋探偵とストーカーのアリバイ』、

郵便ポストから拳銃が見つかり、殺害が午後3時以前にあると偽装されていた……銃弾のトリックや犯人の行動が巧妙な『第2話 時計屋探偵と凶器のアリバイ』、

美谷時乃がお祖父さんからアリバイ崩しを学ぶエピソード……練習問題的な位置付けで、トリックが愉しい『第5話 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ』、

雪の山荘での事件での足跡のトリックやダンベルでの攻防が興味深い『第6話 時計屋探偵と山荘のアリバイ』、

一日限定でダウンロードできる曲と部屋の時計を利用して友人に日にちを錯覚させるトリックが斬新な『第7話 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ』、

等が印象的だったかな。

余分なものを削ぎ落とし、必要最小限の素材だけで物語を構成して、事件もアリバイ崩しにのみ焦点を絞ってあり、純粋にアリバイ崩しだけに挑戦しながら読み進めることができる……そんな愉しめる作品ばかりでした、、、

続篇が刊行されているようなので、ぜひ読んでみたいですね。


以下、主な登場人物です。

美谷時乃(みたに ときの)
 美谷時計店の店主。20代半ばの落ち着いた雰囲気の女性。
 白兎のような顔立ちで、髪型はボブ。
 幼稚園のころに両親を亡くし、時計店をしていた祖父に引き取られた。
 小学3年生から祖父が亡くなるまでの14年間、祖父から時計修理とアリバイ崩しの技術を学んだ。
 依頼者の話を聞くだけで、「時を戻すことができました。○○さんのアリバイは、崩れました」と口上を述べてから、推理を披露する。


 県警本部捜査一課第二強行犯捜査第四係の最年少刑事。
 4月に交番勤務から捜査一課に異動したばかり。
 時乃に相談していることは周囲には秘密にしているため、捜査一課内ではアリバイ崩しの名手と思われている。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

7話からなる安楽椅子物の連作短編集。
ストーリーを極力削ぎ落として、ひたすらアリバイ崩しに特化した、パズラーには堪らない作品。
手がかりも丁寧に提示されている為、作者がしっかりとフェアを意識して作られたことが伺える。
自分は読んでて、多少は引っかかりなどは覚えたものの、全く分からず少し悔しかったり(笑)
あと全体的に犯行にやたら手が込みすぎていて、バカミスに片足突っ込んでるのはご愛嬌。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

どなたでも安心してテンポ良く、何にも邪魔されずミステリーをちゃんと楽しむことができます!!
お茶飲みながら話をするだけで全部解決しちゃうウサギちゃんだなんて、、これがドラマ脚本なら、「捜査に関わる探偵気取りの民間人」になってしまうんでしょうけど。
それにはあまりにも天才すぎるし、そうはならないのがぐっど

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

○ 総合評価
 大山誠一郎らしい,余計な部分を削り取って謎解きに焦点を当てた本格ミステリ。時計屋のチャーミングな女性店主が,「時を戻すことができました。」といって,謎解きを始めるという設定は,ちょっとあざとい気もするが,そこまで気にならない。登場人物も最小限。捜査に行き詰まっている捜査一課の新人刑事が,美谷時計店の美谷時乃に相談をする。その相談を聞いて,美谷時乃がアリバイを崩す(ときにはアリバイを探す)。純然たる安楽椅子探偵モノ。それぞれの短編のクオリティは高く,傑作というようなものでもなく,意外性もそこまでではないが,40ページから50ページ程度で,しっかりとした謎解きをしている。
 とはいえ,「本格ミステリ大賞受賞作」として身構えて読むと期待ハズレ感があるかも。どの作品もよくできてはいるが,派手さはない。先入観がなしで読めばよくできた短編集だが,本格ミステリ大賞受賞の傑作という先入観で読むと,「そんなに面白い?」と思ってしまうかも。総合評価としてはギリギリの★4で。

○ 時計屋探偵とストーカーのアリバイ ★★★★☆
 主人公が美谷時計店を訪れ,美谷時乃と出会うシーンをあっさり描いた上で謎解き。離婚した夫婦の夫がストーカーで,殺人犯と見せかけ,実態は被害者である元妻から殺人の依頼を受けていたという展開 
 医師でもある被害者が,自分がもう助からない病気であることを知り,妹に早期に生命保険を受け取らせるために,元夫に自分を殺すように依頼。元夫には自ら協力してアリバイを作るという話
 ストーカーだと思われた元夫が,実はまだ元妻を愛していて殺人にまで協力するというプロットは面白い。50ページ程度できれいに謎解きを成立させている。★4で。

○ 時計屋探偵と凶器のアリバイ ★★★★☆
 暴力団同士が構想しているエリアのポストから凶器である拳銃が見つかる。それから被害者が見つかって,最も怪しい容疑者にはアリバイがあるという謎
 トリックは,拳銃を2つ使って殺人時間を誤信させるというもの。午後3時に回収されるポストから拳銃が見つかったので,ポストに拳銃が投函されたのは午後3時より前。よって殺人は午後3時より前に起こったと見せかけ,午後3時までは鉄壁のアリバイを作る。
 しかし,実際はもう1つ銃があり,そちらの銃で午後3時以降に殺人をしていた。
 誰にでも書けそうに感じてしまうようなエレガントな謎解き。これもレベルは高い。ただ,★5といえるほどの突き抜けるものがない。★4で。

○ 時計屋探偵と死者のアリバイ ★★★☆☆
 交通事故に遭ったミステリ作家が、自分は殺人をしたと告白して死んでしまう。実際に、ミステリ作家から聞いた女性の住所に行くと、死体が発見される。しかし、死亡推定時刻などを考えると、そのミステリ作家には殺人ができないアリバイが成立してしまうという謎
 魅力的な謎だが、この作品は解決がそこまでエレガントではない。大山誠一郎作品には時折見られるのだが、御都合主義とも思える偶然が重なる。まず、ミステリ作家は耳が聞こえなかった。これはそれなりに伏線があるのだが、警察もミステリ作家の関係者も気付いていなかったという設定。これは無理があるのではないか。ミステリ作家は自分の家で被害者の首を絞める。死んだと思ったが、実は生きていた。蘇生した被害者は自宅に帰宅し、ミステリ作家に頼まれて被害者の弱みになりそうなものを探していた大家に遭遇。大家が被害者を殺害してしまう。
 いやいや、無理があるだろう。話としては面白いとも言えるが、こんな推理ができるとは思い難い。★3止まり。

○ 時計屋探偵と失われたアリバイ ★★★☆☆
 ピアノ教師が殺害され、バーに勤める妹が殺人の容疑者となる。しかし、捜査一課の刑事である主人公には妹が犯人とは思えない。そこで、美谷時乃にアリバイを探してもらうという展開
 実はピアノ教師が犯人であるマッサージ師と協力して、マッサージ師の妻の殺人計画を立てていた。ピアノ教師はアリバイ作りのために、妹に睡眠薬を飲ませ、マッサージを受けさせる。妹が見た不思議な夢はこのアリバイ工作が原因。しかし、ピアノ教師はマッサージ師に殺害されてしまう。
 これによりマッサージ師のアリバイが無くなる。真犯人はマッサージ師だった。
 込み入ったプロット。この被害者と真犯人が共犯関係だったというプロットで意外性を演出するのは、大山誠一郎の得意パターンとも言えそう。「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」にも少し似た構成である。これもよくできているが、「時計屋探偵とストーカーのアリバイ」の二番煎じ感もあるため、割引。★3で。

○ 時計屋探偵とお祖父さんのアリバイ ★★★☆☆
 これまでとちょっと経路が変わる。主人公が美谷時乃がどうやって祖父からアリバイ崩しについて学んだのか、少女時代の話を聞く。そこで、時乃は小学校4年生のときに、祖父から出題されたアリバイ崩しの問題を主人公に話す。
 午後3時20分から午後3時30分の間に、祖父は振り子時計を止める。しかし、午後3時25分には離れた場所の公園にいたという。証拠写真がある。
 トリックは、カメラを傾け午後2時20分を午後3時25分に見えるように写真を撮ったというもの。
 実際の殺人に使ってしまうとバカミスっぽくなるトリック。それを上手く消化した感じ。★3で。

○ 時計屋探偵と山荘のアリバイ ★★★☆☆
 主人公が休暇中に訪れた山荘で殺人事件が起こる。将来、警察官になりたいという中学生の少年にだけアリバイがなく、警察に捕まる。中学生の少年の無実を晴らすために、美谷時乃に真犯人のアリバイ崩しを依頼する。
 トリックは被害者が犯人を殺害しようとして、違うサイズの靴を履いて時計台に来ていたというもの。犯人は、被害者より先に時計台にいて、遅い時刻に被害者が履いてきた靴を履いてペンションに戻った。
 これはちょっと真相が分かりにくい。設定などは面白いが、エレガントとまでは言い難い真相。★3で。

○ 時計屋探偵とダウンロードのアリバイ ★★★☆☆
 最後の作品は12月6日にしかダウンロードできないという楽曲のダウンロードを利用したアリバイトリック。これも込み入った設定になっている。
 殺人事件が起こり、なかなか容疑者が見つからなかったが、被害者の庭から白骨死体が見つかる。その死体はかつて、被害者の会社で働いていた経理担当。横領をして失踪したと思われていた人物。この人物が白骨した死体として見つかったことで、この人物の子どもが動機があるとして容疑者になる。これが犯人
 犯人は、自分に容疑が掛かるまで数か月かかると考え、友人を利用したアリバイトリックを作る。それは12月5日を犯行日時である12月6日と誤信させるというもの。そのカギとして12月6日しかダウンロードできなかった音楽を利用した。
 これは分かりやすい。真相は見抜くことができた。時計を遅らせ、12月5日から12月6日になったところでダウンロードしていたというもの。
 ややチープなアリバイトリックのような感じなのが難点。★3で。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

文章は読みやすい!短編になっており、さくさく読める。
ミステリー小説として、自分としては今ひとつ… 誰が犯人だろう?と考える暇もなく、種明かしされていくような印象。お弁当の話など、ちょっと現実味がなかったかな。。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ドラマにもなっていた謎解きー!
時計屋の女の子がすいすいと謎を解いちゃうお話で、楽に(言い方よ)ミステリーを読みたい人にはいいかも?ミステリー入門と言われてるだけはあって、面白いし読みやすかった!他にもミステリー読んでいきたいなあ!
ドラマも見てみたい、ちなみにわたしは一つもアリバイを崩せなかった。

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

アリバイにこだわった短編集。
自分が考えるよりも先に話がテンポ良く進み一気に結論がでて、次々と読みたくなる。
hk

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1話完結のミステリー。
地道に捜査をして少しずつ真相に近づいていく...のではなく、話を聞いただけでアリバイを崩す所謂安楽椅子探偵系。そのため、事件の概要とアリバイという謎の提示、アリバイを崩して解説...といった構成です。決め台詞が印象的。
アリバイ崩しだけでなく「アリバイ探し」もあって面白いのと、思い出話のおじいちゃんが孫のために体を張るエピソードが温かくて良かったです。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

浜辺美波さん主演でドラマ化された小説。

美谷時計店には、「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。
難事件に悩まされた新人刑事がアリバイ崩しを依頼する。
7つの事件や謎を店主の美谷時乃が解決していく。

1話完結の短編で読みやすかった。
トリックもひとつひとつ丁寧に書かれているから面白かった。

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2024年07月21日

Posted by ブクログ

5000円でアリバイ崩しをしてくれる時計屋の店主と、若手刑事の物語。
トリックは突飛なものもあるが、理論立てると確かに解ける。
短編で読みやすいが、きちんと濃厚なミステリーを楽しめる感覚です。

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

先月(2024年4月)にテレ朝系で放送された浜辺美波主演の2時間ドラマを見て、大して面白くなかったけど、原作読んでないなと思って読む。2020年初めに連ドラで放送された時も2回目で脱落してたが、原作はドラマよりは面白かった。ただ、文章が軽そうに見えるのだけど、結構読み難い。ただ、トリックはそれなりに面白かった。続編も読もう

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭から、いくら捜査に行き詰まっているとはいえ新米刑事が下調べもせず、“アリバイ崩し承ります“の看板をたまたま目にして試しに頼んでみるかのノリで、関係者外に単独判断で話すのは如何なものかと突っ込みたくなった。
主人公か刑事ではなく事件に巻き込まれやすい体質の一般人か、ベテラン刑事がヒントくらい貰えたら儲けものだ、と結構はしょった話を聞かせるとか、上司などからあの時計屋は俺も困った時に使ってるからお前も一度行ってみたらどうだというお墨付きがあった〜とかならまだ理解できる。
(ちなみに5話の時計屋の祖父の話にて、祖父の頃も主人公のように刑事や推理作家からアリバイ崩しを頼まれていたと語っている。祖父の歴史が分からないのでそこはまだ納得できるが、5話に出す情報ではない気もする。)

読みやすい文章だから軽く見えてしまうのもあるかもしれないが、都合が良すぎるように感じられるものが度々あった。

トリック自体は面白いのだが、事件の説明や時計屋に事件を持ってくるだけでそれ以上は印象に残らず、新米刑事の存在が薄い。また、時計屋も祖父との思い出話は良かったが、孫娘自身のキャラクター性が乏しい。その分、良くも悪くも映像化しやすそうではある。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

新人刑事が時計屋の娘にアリバイ崩しを5000円で頼む。
時計屋の娘は祖父が「アリバイ崩し」「アリバイ探し」をやっててそれを引き継いた。アリバイを主張するとき人は何時何分て時間をいうから時計屋の仕事。というよくわからない理屈。
7つの話事件が一つずつ。
1回読めばいいタイプのミステリーかな…

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

ミステリーとしては少し物足りなさも感じましたが読み進めやすいので、まずはこの本からミステリー小説にチャレンジするのもオススメかも。

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2024年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時計屋を営む時乃が、駆け出しの刑事から事件の話を聞いて、見事容疑者のアリバイを崩す。

何故時計屋が謎解きを?アリバイは、時刻、つまり時計に関する事だから。
時乃の決め台詞「時を戻すことができました」

↑これが、ど〜もしっくりこなくて、なかなか話に入り込めなかった。
でも、文体が軽いテイストなので、サクサク読める。そしてトリックはまあまあ面白い。ツッコミどころは満載だけど。まあ、物語だし。
読み進めているうちに、だんだん集中して読めるようになり、最終的にはわりと面白かった!となり、続編があるらしいので早速チェックしておく。

時乃の個性がイマイチ感じづらいのだけど、基本時計店の中で謎解きが完結してしまうからかな。
刑事の方が人間味が感じられて、共感もできる。
時乃がいろいろな面を見せてくれたら、もう少しこの物語の印象が変わる気がするので、続編に期待したい!

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

時計屋さんが事件を解決するお話
時間がアリバイを崩す鍵って分かってるので、途中で何となく気づくのよね…
傾けて写真とった?部屋の時間ズラした?
友人の記憶が曖昧になるように細工するって無理ない?何かした日にちって、だいたい分かるよね
そん時は分からんくても、後ほど思い出すはず
そんな曖昧なトリックって信じれん

これを読みよった時、浜辺美波ちゃんでドラマ始まったから超驚いた!!

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

派手さや目新しさのようなものはないけれど、謎解きの面白さが詰まっていた。大山誠一郎さんの作品は初めてだったけど、他の作品も読んでみたいな。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

さらさらさら〜っと流れていくミステリーだった。
食べ物でいうと、うどん。

安楽椅子探偵ものの中でも
全く悩むことなく瞬時に答えを導き出すのと
事件解決がとてもあっさりしたものだからかな。

こんなすぐアリバイが崩せるなら、
たぶん警察の人はみんな隠れて利用してると思うよ。
ひょっとしたら時計店の主収入はそれかもしれない。

あれ、そういえばこの主人公『僕』ばっかりだけど
名前出てきてたっけ?
先輩からは新人と呼ばれ、時乃からはお客様だよなぁ…
一応パラパラ確認したけど、うーん、わからん…
もう一回読むのは…うーん、どうしよう…

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2022年12月22日

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