大山誠一郎のレビュー一覧
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失策で犯罪資料館に飛ばされてきた聡。
館長であるキャリアの冴子。
冴子の、過去の資料から読み解く推理が素晴らしい。
聡も、捜査一課にいたという自負心から張り合うんだけど、全然敵わない。ものすごく説得力のある聡の推理が冴子にくるりとひっくり返される展開が面白い。
最後の「死に至る問」は、あまりに悲しい。そこまで思いつめずにいられないなんて、、、
誰が犯人で、どんな動機があろうと冷徹に事件を読み解く冴子のクールさがかっこいい。
彼女の過去にも何か事情がありそうで、シリーズ続編で明かされることを期待。
解説によるとドラマ化もされているようだけど、雰囲気は原作からは変わっているみたい。それはそれで興味 -
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ネタバレ○ 総合評価
大山誠一郎らしい,余計な部分を削り取って謎解きに焦点を当てた本格ミステリ。時計屋のチャーミングな女性店主が,「時を戻すことができました。」といって,謎解きを始めるという設定は,ちょっとあざとい気もするが,そこまで気にならない。登場人物も最小限。捜査に行き詰まっている捜査一課の新人刑事が,美谷時計店の美谷時乃に相談をする。その相談を聞いて,美谷時乃がアリバイを崩す(ときにはアリバイを探す)。純然たる安楽椅子探偵モノ。それぞれの短編のクオリティは高く,傑作というようなものでもなく,意外性もそこまでではないが,40ページから50ページ程度で,しっかりとした謎解きをしている。
とはい -
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不可能犯罪ばかり起きる架空の街
「蝦蟇倉市」を舞台に、
五人の人気作家が書き下ろした短編集。
SFやファンタジーでは時々見受けられる
「シェアードワールド」というものらしい。
街のどこに何があって、市長はどんな人で、
という設定は作家陣がアイディアを持ち寄ったとか。
そのため作者が違っても、街の描写などは共通点があって
何というか「安心して読める」(^ ^
でもやはり作者によって切り取るポイントや目線、
事件の展開や「謎解き」のプロセスは違い、
何より文章の温度・湿度・テンポ感など
文体の違いも楽しめる(^ ^
しみじみとした余韻が残るもの、
「んなアホな」とツッコミたくなるもの、
ふわ -
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がまくら市という架空都市の舞台を各作家たちがシェアして描かれた作品集
伊坂さん目当てで購入して読んだ。
想像以上におもしろかった。
道尾秀介さんの作品が最初でよかったと思う。
多視点で描かれていてミステリーとして楽しめたし、
伏線や環境設定も詳しく描かれていたので、その後の
ほかの作家の作品へのリンクが見つけやすくなっていたと思う。
伊坂作品も登場人物の少なさ、限定された環境の中でもさらに狭い環境でキャラを立たせてすごいと思った。
大山さんの密室ものも不可能犯罪係という部署を設けて真知博士という人物が登場し、その後にも顔を見せておもしろい。
福田さんの「大黒天」はそれの真実を求める姉 -
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架空の都市を舞台にした連作短編集。
章ごとに作者が違い、それぞれクセのある文章
なのに、違和感なく1冊の中に納まっていました。
道尾秀介さん:どちらにしてもバッドエンドな感じで、
うわぁ!と思いましたが、実際に事件として起きる
としたら、こういう風に解決しきる前にぷっつりと
途切れる終わり方をして、その後も人々の暮らしは
続いていくのかと考えさせられました。
伊坂幸太郎さん:インパクトはそれほどでもないかなと
思いました。世の中にはきっと、こういう職業で
生活している人もいらっしゃるだろうと思いつつ
読み終えました。
各作家さんがどういう順番で物語を仕上げたのは
不明ですが、道尾さんがトッ