三崎亜記のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
三崎さんの描く世界は、普段身の回りにある当たり前のものが意思を持っていたり、普段暮らしているのと変わらないように見えつつ、実は少しずれている社会が出てきたりする。
そして登場人物自身も、それに違和感や戸惑いを感じている姿が描かれる場合と、それを当たり前のこととして、その世界で暮らしている姿が描かれる場合とがある。
前者は自身と重ね合わせて共感できるし、後者はその誇り高い姿に感動を覚える。
そしてどちらであっても、三崎さんは静かに淡々とさえいえる語り口で、それを見せてくれる。
今回、この短編集に収められた4編もそんな三崎ワールド満載。
いつもながら、楽しく読ませていただきました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに三崎亜記の本が文庫にあるのを見て購入。内容は全く知らず。。
あの人の相変わらずの、「現代社会から少し軸をずらしたパラレルワールド」が健在で、とても面白かった!!
続編なのか、続編があるのかもさっぱりわからずに終わってしまってかなり混乱してるところで、検索したらやはり続編が!…いや、梨奈とか日登美さんとの関係を思うと、前作があってもおかしくなさそうだけどね?
現代社会の概念にとらわれてると思いつけないような発想が新鮮で、読むのが好きな作家です。今回のテーマは掃除!まったく、よく掃除からここまでストーリー作れるもんだ。。
ところで、ところどころの設定に読み覚えがあるような気がしたのはなぜか。どこかで読んだことがあるのか?その疑問だけが払拭できなくて、すごくもやもやする。。
続編がもうすぐ単行本発売ということで、ちょっとそわそわしてしまう。。文庫化は遅いだろうしなぁ…!
(2012/01/28)
前は世界観のみでかなりの評価ですが、それを知った上で再読すると、三崎さん独特の文体が、目につく。。
すごく客観的なのか、それとも主人公の目線なのかが限りなく溶け合った地の文。
正直、これだけ取り上げると私的には三崎さんの文は多少苦手な部類に入る。
でもそれを凌駕してしまうくらい、世界観の構成の仕方が好きだ。
文体が好きなわけでなく気に入りの作家って、そう言われれば私の中では珍しいのかもしれない。。
(2012/11/25) -
Posted by ブクログ
ネタバレ・「戦後最大規模の鼓笛隊」がやってくる表題作。台風のようでもあり、宇宙人がやってくるような不思議な話。でも最後はほっこり。
・自分を見失いそうになっている女の人の「記憶」を巡る「彼女の痕跡展」。自分の記憶は正しいものなのか?そもそも私は私なのだろうか?
・覆面を被る権利が成立した世界での日常を描く「覆面社員」
本当の素顔をさらせなくなった切ない話。
・本物の象のすべり台がある街の話。しかも象さん日本語喋ってるし。あなたの「故郷」はどこですか?
・「突起型選択装置」…ボタンのある女のひとと出会う男の人の話。ボタン、押したらどうなってたのかなぁ…。
・「欠陥」住宅に取り込まれてしまった家族の話し。「欠陥」の度合いと「世界の秩序」について。自分が見ている景色をみんなが見ているとは限らない、というさみしいような納得できるような不思議な話。
・「浮遊都市」に住む彼との遠距離恋愛を描く「遠距離・恋愛」
こんなプロポーズ、憧れるわぁ(笑)
・気づいてはいけないことに気づいてしまったために人としての生活が営めなくなってしまった家族。これは恐かった…。
・理不尽にも離れ離れにさせられてしまった人たちの話。
列車事故、震災…日常が一変してしまって、大切な人を失くして、いつになったら「受け入れ」られるんだろう。かなしいけど、さみしいけどちゃんと受け入れて前に進まなきゃいけないんだな、と思った話し。
久しぶりにこの作家の本を読んだ。いろんな話がぎゅっと詰まって楽しめます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に、三崎亜記の意表のつき方は巧い!日常に馴染んだ言葉が、全然知らないものへと変化する。鼓笛隊、象さん滑り台、ボタン、欠陥住宅、遠距離…。
そのドキドキ感が堪らない。意表をつかれたい時(笑)、おすすめな三崎亜記でした。。
(2011.03.26)
『廃墟建築士』を読んで、久しぶりに再読。
やっぱり、三崎亜記には自分の中の常識をあっけなくひっくり返されて、それがものすごく快感。
この中だったらやっぱり「鼓笛隊の襲来」が一番好きかな。鼓笛隊が可愛くてw
『廃墟建築士』よりもライトにさらっと読める短編集なのでとても好き。
(2012.10.13) -
Posted by ブクログ
短編で不思議な話や心温まる作品などたくさん入っていて楽しいアンソロジーでした。
作品の色が出ていて読んでいて楽しかったです
飛び出す、絵本 恩田陸
十一月の約束 本多 孝好
招き猫異譚 今江祥智
白ヒゲの紳土 二階堂黎人
本屋の魔法使い 阿刀田高
サラマンダー いしいしんじ
本棚の片隅から 柴崎友香
読書家ロップ 朱川 湊人
バックヤード 篠田 節子
閣魔堂の虹 山本 一カ
気が向いたらおいでね 大道珠貴
さよならのかわりに 市川 拓司
メッセージ 山崎 洋子
迷宮書房 有栖川有栖
本棚にならぶ 梨木香歩
23時のブックストア 石田衣良
生きてきた証に 内海隆一郎
The Book Day 三崎亜記 -
Posted by ブクログ
いつもの三崎ワールド
入門編にぴったり。
「公園」
危険とされ遊具も撤廃、蝉の騒音への苦情で木もない利用ルールの多い公園の話。
何となく自分が子供の時よりも公園自体のルールが厳しく使いづらくなり
子供達が遊びづらくなってる印象を持っていたので、その規制の行き着いた先を描いていて「こんな未来もあり得るかも?」と少し考えさせられた。
(一年ほぼほぼ夏だし外遊び自体しづらくなってきてるのもある)
表紙になっている「名もなき本棚」「The Book Day」も読書好きには読んで欲しい。
心温まる話と怖いオチの話が混ざってるものだから、読んでても気が抜けないのがまた良い。 -
Posted by ブクログ
総白髪の人のよさそうな好々爺然とした人物が入ってきた。この町に住んでいながら顔も知らなかったが、どうやら彼が町長らしい。僕は町長の皺にうずもれたかのような眼を見つめた。この人物が、戦争を主導しているとはとても思えなかった。
戦争はどちらも正義だから起こる。
香西さんの弟が戦争に行く事が決まった。
当事者にならないと本質的に体感できないのだろう。
・92ページ
僕たちはソレトコレトハ…
・92ページ
もちろん僕たちは…
・151ページ
僕たちが戦争に反対できるどうかの…
・156
…僕は一人役場の前に立ち尽くした…
・157
思い返してみると…
・213
起・承が転ずることで新たな起を作り出していく
・224
冷たい唇。まるで 月の光が暖めたかのように 冷たかった
追求
行政として、仕事として戦争を見る
その視点でもう一度読む -
Posted by ブクログ
表紙と題名から、当時騒がれたバスジャックを題材にした、シリアスな長編物語かと思ったが、不思議な話の短編集。
バスジャックがブームとなった社会を描く表題作。「バスジャック」
タイトルからしても不思議な話。「二階扉をつけてください」
双眼鏡の先から見えるはずもない世界を描く。「しあわせな光」
一緒にいる彼女の記憶が自分の記憶と違う2人。「二人の記憶」
雨夜に本を片手に見知らぬ女性が訪れる。「雨降る夜に」
小さな動物園に派遣された若い女性。彼女の不思議な仕事を通じて、得る物とは。「動物園」
いなくなった母親を追って辿りついた町。夏休みの数日を母親や同居人とともに過ごす。やがて別れるものとは。「送りの夏」
同著者の「となり町戦争」と同じように、ありえない世界での日常のお話。
奇妙なお話もあるものの、心に残ったのは「二人の記憶」や「動物園」「送りの夏」などのどこか悲しく、しかし心温まるお話。
これらは「ストーリー」ではなく、「お話」という呼び方がふさわしいのかもしれない。
短いものは4ページ、長いものでも50ページくらいなので、一気に読む時間がない人に。