三崎亜記のレビュー一覧

  • 名もなき本棚

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    初読。19編の短編集。いろんな味わいの短編が一息で読める幸せ。コワイものも、ホッコリするものも、悲しくなるものも、幸せに感じるものも、どれもこれも三崎さんらしさが滲みでているのがスゴイ。

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    2022年10月18日
  • 博多さっぱそうらん記

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    確かに万城目っぽい展開。福岡に馴染みはないけれど、楽しい物語でした。かっちょいいおばあちゃん、もうちょっとふくらませて欲しかったかな。

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    2022年03月30日
  • チェーン・ピープル

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    比較的最近の短編集
    いつの作品なのか知らず、いつもの感じかと舐めてました(謝罪)今まで読んできた短編集の中ではベストです。

    「正義の味方」
    突然現れ街を破壊する「敵」とそれを退治する謎の存在「正義の味方」人々は初めは快く迎え入れたのだが、巻き込んで街を破壊するため、徐々に群衆心理が変化してくる。

    「似叙伝」
    当人がたどりたかった偽の人生を自叙伝として作成する業者の話
    残るものが本だけだとしたら、その理想は何なのか?

    「チェーンピープル」
    人格のチェーン展開化、マニュアルや大会まで開かれて、ひとつの理想の人格者を持って生きる人々の話

    「ナナツコク」
    記憶の中だけに存在する地図、その地図を

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    2022年01月06日
  • 30センチの冒険

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    再読。馴染みのある三崎ワールドのワードが全体に意味をもって散りばめられており、1冊の本の奥に他の複数の物語が潜んでいると感じたがっている自分がいた。他の本をひっくり返して相関図をつくってみたいものだが、それも無粋だし、面倒だ。読書中ずっと、三崎さんの本をすべて読んだうえでこの本を味わえてよかったなあと幸せな気分に満ち満ちた。

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    2021年10月11日
  • ターミナルタウン

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    かつて鉄道によって栄えた「静原街」
    乗り換え路線の廃止、高速列車が通過する事になり、町は衰退の一途を辿っていった。三崎流町おこし小説。

    三崎亜記さんの他作品に出てくる「都」や本物の象が引退後の職として遊具となる「象さんのすべり台」、人が消える「消失」の現象(今作では列車ごと消える)、有り得なさそうな職業などが登場します。
    現実の中には微妙に現実とは違う「ありそうでないモノ」を散りばめてくるので毎回ネタの濃さ、複雑さにむせ返ってます(褒め言葉)

    衰退した町の復興という題材ではあるものの、物語に配置された要素
    「処置」として影を失った男や、無いのに有るとされているタワー、トンネルとは違う「種」

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    2021年07月01日
  • 失われた町

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    ものすごく好みの設定だった。SF物としても十分面白いし、自己啓発本的な生き方について考えさせられる部分もあり、とても満足度の高い一冊だった。

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    2021年05月13日
  • ターミナルタウン

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    この日本ではない州に分かれた日本に、トンネルができる前は種から育てて隧道を作るそんな隧道士が集まる地域での町おこしや秘密のタワーなどこの世界を受け入れるまでに時間がかかったが途中からサクサク読める。丸川君の話が1番面白く読めた。

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    2021年04月07日
  • 失われた町

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    30年に一度、突如としてどこかの“町”は失われる。
    その町の住民だけを飲み込んで。
    新たな町の消滅を防ぐため、人々は失われた町を悲しむことを禁止され、その町の名も世間から消される。

    作者独特の世界観が表現された一冊。町の消失を止めようとするもの、失われた人々への悲しみをこらえる残されたなど、町を中心にしてさまざまな登場人物が登場する。その人物たちがだんだんとつながり始めるのが面白い。
    最初の『プロローグ、そしてエピローグ』だけを読むと意味が全く分からないが、その題名通りすべてを読み終わった後に読み返すと驚くほどすっきりした気分になる。

    もし、これが現実に起きたら・・・と考えてしまいます。

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    2020年03月17日
  • チェーン・ピープル

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    6つの短編。それぞれのテーマに寄り添いあるライターがインタビューするようなかたち。
    どの作品もどこかで聞いたような話から
    いつのまにか何処にもない、少しゾワっともするような展開へ。
    定まることなく動き続ける小説、、それも予想の出来なさ。
    大満足。

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    2019年10月24日
  • ニセモノの妻(新潮文庫)

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    三崎ワールド全開(^ ^;

    基本、すべて荒唐無稽な話なので
    「SF」に分類はしてみましたが...(^ ^;
    これはもう「三崎亜紀というジャンル」としか(^ ^;

    よくもまぁ、こういう変なことを思い付くもんだ(^ ^;
    いや、思い付くだけならできるかも知れんが、
    それを掘り下げて突き詰めて異世界を構築して、
    その中で破綻なくストーリーを織り上げるのみならず、
    うっかりすると「感動させられてしまう」(^ ^;

    荒唐無稽なのに(^ ^;

    三崎氏の一連の作品は、読まなければ絶対伝わらない。
    伝わった人は、あっさりと「三崎菌」に感染し、
    次の作品、また次の作品と、追い求めずにはいられない。

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    2019年07月01日
  • ニセモノの妻(新潮文庫)

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    表題作をはじめ、夫婦をテーマにした4つの短編を納める
    相変わらず、ぞわっとするように現実が揺らぐ三崎ワールドが全開。4編いずれもはずれはないですが、「あなたとは傾きが違う」という名言?が良かった「坂」と、バカップルさが切なさと喪失感を一層際立たせる「断層」が好みでした
    日常は奇跡的に維持されているもので、一瞬一瞬が貴重な瞬間であるということ。そしてそれはもしかしたら突然終了し、暗転してしまうことを否応なく認識させられ、それゆえ日々の大切さを忘れてはならない、ということを、あらためて実感させられます。

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    2019年03月25日
  • ニセモノの妻(新潮文庫)

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     「もしかして、私、ニセモノなんじゃない?」
     ある日突然、妻は私に疑問を投げかけた。
     見た目、癖、記憶、そして遺伝子までも全く同じニセモノが突然出現する「突発性真偽体分離症」は、ニセモノがホンモノに抱く劣等感だけが違いを分ける。
     ホンモノを探さなくては。
     ニセモノの妻は全力でホンモノを探そうとする。
     そしてたどり着いたのは、ニセモノを保護すると偽る収容施設だった(「ニセモノの妻」)。

     短編四編、ほか
    「終の筈の住処」
     300戸超のマンションを終の住処とした夫婦。
     夜、夫がジョギングから戻ってくると、自分たちの部屋だけにしか明かりがついていない異様な光景を目にする。
     近所で起

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    2018年12月31日
  • 玉磨き

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    面白かったです。
    失われつつある仕事について描かれた三崎ワールド、堪能しました。
    どのお話もどこか切なくて良かったのですが、一番好きだったのは、通勤観覧車を運用する会社についての「只見通観株式会社」です。どこにも進めない路線の通勤観覧車、乗ってみたいです。
    「只見通観株式会社」と、ラストの「新坂町商店街組合」は三崎さんの他の作品と繋がる世界でした。海の襲来、という自然災害は、安土萌さんの「“海”」を思い出します。しかしこちらは政府の思惑も見え隠れしますが…。
    三崎ワールドではよくある「検索忌避制度」は怖いです。
    巻末の参考文献も面白かったです。

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    2018年12月05日
  • 鼓笛隊の襲来

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    三崎ワールドは長編も良いし短編も良いです。
    台風の日に読み始めたこの短編集も面白かったです。
    台風のように鼓笛隊が襲来する世界の表題作、本物の象のすべり台「象さんすべり台のある街」、浮遊都市にいる恋人と地上にいる主人公の「遠距離・恋愛」、消えてしまった下り列車に乗っていた人の喪失を受け入れる「同じ夜空を見上げて」が好きです。「校庭」はとても怖くて。
    「覆面社員」にあった「バスジャック規制法」に、繋がっている世界なのだなと思いました。「同じ~」も、まだ読んでいない作品に繋がるらしいです。
    これからも三崎ワールド、読んでいきます。

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    2018年07月31日
  • 失われた町

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    面白かったです。
    三十年ごとに、町が「消滅」し、そこに住む人々は失われる。町に住む人々は、自分達が消滅することを知っていても抗えないし、町が消滅したあとに、消滅に関心をもったり、消滅した人達を悲しむことも「余滅」を引き起こすとして禁じられている世界。
    序盤の、消滅した町での回収作業は、小川洋子さんの「密やかな結晶」を少し思ったりしました。
    そんな理不尽な世界でも、「町」に抗おうとする人々に希望が持てます。消滅耐性を持つ特別汚染対象者、分離者、管理局。
    「居留地」「西域」「ハイ・ポジション」など、三崎ワールドだ、と思います。
    後半になるにつれて、登場人物たちが関わり合ってきて物語がひとつになって

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    2018年07月16日
  • 鼓笛隊の襲来

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    世にも奇妙な物語系、とでも言ったらいいのでしょうか。どこか狂った、しかし至って普通に営まれる日常を描いた短編集。本書、と言うより多分三崎氏の面白い所は、その「狂い」を感覚ではなくシステマティックに組み上げてしまう点です。表題作や象さんの練り上げ方はまさにお見事で、どこからこんな設定が湧いてくるのか、ただただ感心するばかりです。

    オチにぞっとする話もあれば、ほんわかできる話もある。でもどの場面においても、世界観の微妙にずれた日常の中で、登場人物たちは当たり前に懸命に生きていく。一貫した作風はまさに「三崎ワールド」とでも称すべきもので、好みは分かれるでしょうが自分はしっかりハマりました。もう何作

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    2018年06月21日
  • 失われた町

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    ある日 突然に一つの町から住人が消失した・・・
    そんな裏表紙に心を奪われて手にした本。
    SF映画を観ているような ハラハラドキドキする場面も多く 登場する人物への繋がりが儚く一気に読み終えてしまった。

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    2018年04月02日
  • 鼓笛隊の襲来

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    再読。短編集。よくこういう設定を思いつくなあといつも感心するのだが、短編にも惜しげもなくフシギナ世界設定が使われている。「同じ夜空を見上げて」は「ターミナルタウン」に続くのか。他にも細かいワードが別の作品に少しだけつながっていたりして、にんまりしてしまう。そんな技巧の底には大切なことがそっと語られていて、ぼんやりと物思いにふける幸せを与えてくれる。

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    2018年01月23日
  • 失われた町

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    ネタバレ

    再読。連作短編集のような長編。各章に素敵なタイトルがついていて主人公となる人がそれぞれの章で入れ替わる。登場する女性が幼い女の子から年を重ねた女性までみんな魅力的。三崎さん女性を描くのがうまいんだよなあ。人の力ではどうしようもない喪失に立ち向かっていく勇気と人のつながりに、時に涙し癒された。『となり町戦争』でワードしか出てこなかった世界が緻密にに構築されていて、この世界が『コロヨシ』にもしっかりとつながっている。

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    2018年01月19日
  • 失われた町

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    ネタバレ

    30年に一度、どこかの町が丸ごと人ごと消滅するという世の中。
    そして町に関することは忌み嫌われて差別されるという・・
    そんな町に関わる人たち同士の出会い、交錯する想い。
    いろんな人たちが最終的につながっていき、この人とこの人が・・!という仕掛けがとてもよかった。

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    2017年07月26日