三崎亜記のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
暗喩、というのだろうか。
廃墟を建築する、というのは、理に叶わない話に聞こえるかもしれないが、結果全ての建物は無に帰す。
つまり、その無に帰す前の段階では、どんなに短い間でも、廃墟、となる理屈ではある。
最近、自分が入社当時やっていた仕事で、あるいはそれ以降やった仕事で、今もかたちをなしている、価値を持ち続けているものはあるのだろうか、と思うことがある。
もう少しスコープを広げると、考えたくもないが、自らの人生それ自身も、同じだが。
だからといって、全て無意味と短絡するのも、多分早計だとは思うが、はきとした答えは見つからぬままではある。
この小説を読みながら、そんなことを考えた。
古くか -
-
-
-
Posted by ブクログ
町の広報誌をふと見ると「9/1から、隣の町との戦争が始まります」と書かれていた。9月を過ぎた後も戦争の気配はなかったが、広報誌には「死亡(うち戦死者)」という記載が。そこへ、偵察役への就任に関する通知が届く…。
タイトルから何となくああ言うのかな?と思わせられるのは、筒井康隆や小松左京を読んできたからだと思う。気配がなく、夜間のみに行われ、一般市民には被害が出ないようにするという、夜間工事のような戦争。時々差し込まれる、役所的な書類フォーマットなど、なるほど、面白いことを考えるものだなあと感心した。
一方で、テーマ的にも熱くなる部分がほしいところであるが、それを架空のような掴めない話を掴み -
Posted by ブクログ
連載ではなく単行本として出版された本のはず…なんというかどのような読者を想定して書いたのだろうか?
三崎亜紀ファンでこれまでの作品を読んできたのであれば、出てくる要素と過去作とのリンクを少し楽しめると思うのだが、内容はヤングアダルト向けのファンタジーっぽい印象(昔NHKの夕方放送されてた少年少女を主人公にしたドラマのような雰囲気)なので読んでいて「自分は読者層の話なのか?」と考えてしまった。
また、三崎作品初の人にとっては「地味なファンタジー」として見えるような気がする。
「日常から少しずれた世界」よりも濃くファンタジー要素に近づく作品は「失われた町」などにもあったけれど、では" -
-
-
-
Posted by ブクログ
「三崎 亜記」の『となり町戦争』を読みました。
第17回小説すばる新人賞受賞作ですし、映画化もされているので、ご存知の方も多い作品だと思います。
隣の町と戦争をするという奇抜な設定の中で、フツーのサラリーマンである主人公が、戦時中という実感のないまま、流れに任せて戦争に巻き込まれて行く姿が淡々と描かれており、なかなか興味深く読めました。
-----story-------------
ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。
僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。
だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。
それでも戦争は着実に進んでいた―。
-------------- -
Posted by ブクログ
いわゆる公共事業として、役所がとなり町との戦争を淡々と遂行する世界。いまいち実感が持てないまま、見えない戦争は着実に進んでいる。そこに主人公始め、人々は巻き込まれていく・・・。という話。非常に読みやすくズンズン読み進められます。
戦争というショッキングなものと、となり町という身近なものを組み合わせたタイトルの妙。
戦争という大きな動きに実感が持てないまま進んでいく様は、現代の日本の社会問題と私たちの関わり方を表している素晴らしいストーリー、、、と三分の二までは思えるのですが、、、
最後の方の結の部分で、言い方は悪いですがズッこける思いでした。
淡々と、しかし確実に話が広がる中、どんどん残り