三崎亜記のレビュー一覧

  • 博多さっぱそうらん記

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    天才的に奇想天外な設定を生み出す作者。今回の設定も面白いのですが、三崎亜記は「失われた町」「刻まれない明日」の様な静かで重厚な流れの作品の方が好きかもしれない。こんなテイストは万城目学に任せて。

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    2023年02月23日
  • となり町戦争

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    ネタバレ

    北原にとって戦死者数という数字以外に実感するものの無いとなり町との戦争は、日本に住んでいる私達にとってのロシアとウクライナの戦争のようなものかも知れないと思いました。実際には多くの人々が犠牲になっているにも関わらず、自分が当事者にならないことにはどこか他人事のような捉え方しか出来ない姿は自分の姿にも重なると思いました。

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    2025年12月21日
  • 本からはじまる物語

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    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。

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    2022年12月25日
  • 博多さっぱそうらん記

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    いつもの三崎亜記を読むつもりで開いたら博多を舞台にした万城目学だった。
    博多に行きたくなるような蘊蓄がたくさんで楽しかった。

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    2022年10月06日
  • 博多さっぱそうらん記

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    福岡を舞台としたファンタジー小説。

    三崎ワールド全開ですが、実在の場所が舞台なので他の作品とのリンクは無さそうです。
    多分、博多の魅力とそこに住む人の面白さを伝えるのにファンタジーは不要だと思うのですが、森見さんの作品同様、その土地を愛して裏の裏の良さまで伝えようとするならファンタジーでないと時空を超えた良さが伝わらないと思いました。

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    2022年08月26日
  • 本からはじまる物語

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    色んな作家さんに出会うきっかけになった。
    読書はやっぱり夢があるし、楽しい、続けたいと思った。
    短編集だから読みやすかった

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    2022年08月02日
  • 本からはじまる物語

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    正直全体的に似たような話がちらほらあり、あらすじを掴めないものが多かった。
    本にまつわるというところでぎりぎり星3かな。

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    2022年07月05日
  • バスジャック

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    7つの短編集
    2階扉と動物園、送りの夏
    この三つが印象に残った。
    2階扉はブラックジョークのような後味悪いけど少しクスッとしてしまう作品。
    動物園は意味のわからない表現、言葉が出てくるのにすらすら読めた。
    送りの夏は1番考えさせられる作品。お父さんの「信じてる」は一方的、「信頼」は互いに思い合ってるというニュアンスの言葉を娘に伝えててなるほどと感じた。

    全体的に世界観がすごい。

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    2022年06月16日
  • となり町戦争

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    町の広報誌をふと見ると「9/1から、隣の町との戦争が始まります」と書かれていた。9月を過ぎた後も戦争の気配はなかったが、広報誌には「死亡(うち戦死者)」という記載が。そこへ、偵察役への就任に関する通知が届く…。

    タイトルから何となくああ言うのかな?と思わせられるのは、筒井康隆や小松左京を読んできたからだと思う。気配がなく、夜間のみに行われ、一般市民には被害が出ないようにするという、夜間工事のような戦争。時々差し込まれる、役所的な書類フォーマットなど、なるほど、面白いことを考えるものだなあと感心した。

    一方で、テーマ的にも熱くなる部分がほしいところであるが、それを架空のような掴めない話を掴み

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    2022年06月02日
  • 30センチの冒険

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    連載ではなく単行本として出版された本のはず…なんというかどのような読者を想定して書いたのだろうか?

    三崎亜紀ファンでこれまでの作品を読んできたのであれば、出てくる要素と過去作とのリンクを少し楽しめると思うのだが、内容はヤングアダルト向けのファンタジーっぽい印象(昔NHKの夕方放送されてた少年少女を主人公にしたドラマのような雰囲気)なので読んでいて「自分は読者層の話なのか?」と考えてしまった。
    また、三崎作品初の人にとっては「地味なファンタジー」として見えるような気がする。

    「日常から少しずれた世界」よりも濃くファンタジー要素に近づく作品は「失われた町」などにもあったけれど、では"

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    2022年05月16日
  • 本からはじまる物語

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    もっとストレートな本や本屋さんの話が読みたかったけど、どちらかというと、ファンタジー寄りやSFっぽい話もあり、私としては少し物足りなかった。

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    2022年05月08日
  • 本からはじまる物語

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    ネタバレ

    本、もしくは本屋さんにまつわるショートショート。
    いろんな作家さんたち集結。
    でも、やっぱり好みの作家さんのしか読めなかったわ。

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    2022年04月29日
  • 本からはじまる物語

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    本にまつわるショートショート18編。半分以上がファンタジー系。当然というか、本屋が舞台の話が多い。隙間時間にちょうどよかった。

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    2022年04月12日
  • となり町戦争

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    「三崎 亜記」の『となり町戦争』を読みました。

    第17回小説すばる新人賞受賞作ですし、映画化もされているので、ご存知の方も多い作品だと思います。

    隣の町と戦争をするという奇抜な設定の中で、フツーのサラリーマンである主人公が、戦時中という実感のないまま、流れに任せて戦争に巻き込まれて行く姿が淡々と描かれており、なかなか興味深く読めました。

    -----story-------------
    ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。
    僕は町役場から敵地偵察を任ぜられた。
    だが音も光も気配も感じられず、戦時下の実感を持てないまま。
    それでも戦争は着実に進んでいた―。
    --------------

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    2022年04月01日
  • となり町戦争

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    いわゆる公共事業として、役所がとなり町との戦争を淡々と遂行する世界。いまいち実感が持てないまま、見えない戦争は着実に進んでいる。そこに主人公始め、人々は巻き込まれていく・・・。という話。非常に読みやすくズンズン読み進められます。

    戦争というショッキングなものと、となり町という身近なものを組み合わせたタイトルの妙。
    戦争という大きな動きに実感が持てないまま進んでいく様は、現代の日本の社会問題と私たちの関わり方を表している素晴らしいストーリー、、、と三分の二までは思えるのですが、、、
    最後の方の結の部分で、言い方は悪いですがズッこける思いでした。

    淡々と、しかし確実に話が広がる中、どんどん残り

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    2022年01月24日
  • 博多さっぱそうらん記

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    これはSFなのかな。
    それともファンタジーかな。

    博多に思い入れが無いと厳しいと思いました。
    説明が多過ぎる。
    もっとシンプルにすれば面白くなると思いました。

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    2022年01月16日
  • 博多さっぱそうらん記

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     本書とは関係ないけど、私が住んでいた長野県では歴史的に長野市と松本市の仲が悪い。
     明治時代、長野県と筑摩県の県庁所在地を長野と松本で奪い合いしたからだ。

     で、本書ではそれと同じように、福岡県の最大都市の名称をめぐって福岡と博多の争いがあったというのが、この話のテーマ。
     武士の町”福岡”と町人の町”博多”が那賀川を挟み、町の名称を主張しあい、結果として福岡市になり博多は駅の名前として残った。

     そして時が経つ。
     建設会社の事務員として働く”かなめ”は、東京から来た建設事務所のデザイナー”博”と高校卒業以来ぶりに再会する。
     再会を喜ぶかなめだが、博は再会を全く喜んでいない。
     かつ

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    2022年01月15日
  • 博多さっぱそうらん記

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    三崎亜記による地元愛溢れるジェットコースターファンタジー小説。
    三崎さんの本では『30センチの冒険』、他にはすっかりうろ覚えだけれど中村航の『デビクロくんの恋と魔法』とか恩田陸の『ドミノin上海』なんかを思い出します。福岡/博多を舞台に次から次にドタバタと少々突拍子も無いファンタジックな事件が起こる。そしてその中でボーイミーツガール。
    もとは2021年3月から9月にかけてRKB(旧 Radio Kyushu Broadcasting)の連続ラジオ朗読劇。これを小説化して「シティー情報ふくおかナビ」に2021年7月から9月の掲載。それを単行本化した物です。つまり、完全ローカル。
    色んな博多あるあ

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    2021年12月21日
  • となり町戦争

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    ある日、突然となり町と戦争が始まった。

    街の会報で知ったというのに、日常が続きます。
    会社の上司は、別の国で戦争体験者、という事で
    度々主人公と会話しています。

    スパイ活動をするように、と任命され
    偽装結婚する事になり…。
    終着地点はどこだろう、と読み進めていましたが
    戦争の掃除というか、後片付けというか。
    そこだけが感じられ、主人公の知らない場所で
    顔見知りがさようならしてみた、という感じで終了。

    主人公と一緒に、わけがわからない状態で
    戦争をしていたんだな、という気持ちだけ
    かかえた状態で終了してしまいました。

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    2021年11月08日
  • となり町戦争

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    浅井りょうさんが雑誌で紹介していたことがきっかけでこの本を読んでみた。
    隣町と戦争をしている話。戦争を地域事業の一環として役所が条例に乗っ取って手続きを進めている。
    主人公は偵察の役として町から任命されたが、実際に戦争をしている様子を見ることはなく、最後まで戦争していることを実感することがなかった。
    しかし、戦死者は確かにいて、主人公を助けるために亡くなった人もいたので、実感することはないが戦争の痛みは感じていた。

    見えないものは存在しない。
    そんな訳がないのに、実感できないものを見ることの難しさについて考えさせられた。

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    2021年10月31日