三崎亜記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく感想が書きにくい。そんな読後感の本。
『失われた町』が良かったのでこれを買ったが、最初の短編を読んだときには「(買ったことを)間違ったか?」と思った。
「最初に本書を読んでいたら他の著書は買わなかったかもしれない」と思いながら読み進めたが、読み進めていくうちに、短編の順番はこの順で良いと思うようになった。
本文も良いが、解説が秀逸で、まさに"何かが書いてある"だ。
むずむずとしたものがあるのだが、それを感想として文章に吐き出しにくい。それをうまく表現したのがその言葉だ。
名詞や概念を入れ替えることで不思議な世界観を演出している本作だが、最初の短編(『7階闘争』)は、私が戦っている側に感情移入できない(解説に言わせれば、"すぐに別の階に移っていく多くの人々")ので変な話だと思ったのだろう。
さみしさ(哀愁かもしれない)を感じる不思議な雰囲気の話は良かったが、一方で『失われた町』と同じ作風で、「作品の幅がない人なのかもしれない」という疑念も生じたので、前作ほどの感動がなく、4点ではなく3点となった。 -
Posted by ブクログ
暗喩、というのだろうか。
廃墟を建築する、というのは、理に叶わない話に聞こえるかもしれないが、結果全ての建物は無に帰す。
つまり、その無に帰す前の段階では、どんなに短い間でも、廃墟、となる理屈ではある。
最近、自分が入社当時やっていた仕事で、あるいはそれ以降やった仕事で、今もかたちをなしている、価値を持ち続けているものはあるのだろうか、と思うことがある。
もう少しスコープを広げると、考えたくもないが、自らの人生それ自身も、同じだが。
だからといって、全て無意味と短絡するのも、多分早計だとは思うが、はきとした答えは見つからぬままではある。
この小説を読みながら、そんなことを考えた。
古くからの友人の推薦だったのだが、同じことを考えながら、読んで、勧めてくれたのだろうか。