三崎亜記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あらすじを書いちゃうとネタバレになるし、書かないと説明が難しいし、感想を書き辛い本です。
ネット上のフェイクニュースの怖さや陰謀論的な国家活動など現代に合わせた設定に成って居るし、ストーリーも全く違うけど、デビュー作『となりまち戦争』のリメイクという印象。中心から少し離れた狭い範囲の人々や事件を描く事で、全体像を感じさせようとする手法の所為ですかね。
読み始めてすぐに「多分、この戦争って、こういう状態だろうな」という想像はつきます。そしておおよそその予想通りに話が進む。終盤に入って、三崎さんだからエンディングは大ドンデン返しではなく中途半端にひっくり返すんだろうな~と思ったら、まあこれも予想の -
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ネタバレ久々三崎さん。
主張が違う人、理解できない現象とやっていくために、自分の心とどうやって折り合いをつけるか…難しい問題です。
ここで描かれる主張はいやちょっと無理筋、みたいなものもありましたが。でも現実に「そうはならんやろ」みたいな説も目にするので、あまり変わらないのかも。
「坂」の主義主張大バトル面白かった。頓知か詭弁か。
お役所が杓子定規なところは、元公務員の三崎さんならではのリアリティあります。イラッとさせられる。
ラストを教訓めいた文言で締めてしまうんだな相変わらず…と思っていましたが、「ニセモノの妻」のブラックな終わり方は好きでした。「断層」は切ない。 -
Posted by ブクログ
6人の様々な「人」。
それを「私」という記者が文字にして記録を残す。
だから、この「私」は、あくまで黒子。
「ナナツコク」は頭の中にしかない地図の国の物語。
どこにもない国を代々女性が記憶として受け継いでいく家系があるのだという。
語らない、記さない、自ら変えない……繋ぎ続けるものには、そんな掟があるそうだ。
地図は日々変わり、それを記憶し伝える者はナナツコクが他国から攻められても何もできない。
なんとふしぎな世界だろう。
物語はナナツコクが主人公の嘘やもうそうなのか、それとも本当なのかについて明らかにしない。
なぜなら人の心の中は自由だから。
嘘か誠か、それはそこでは大きな問題ではない。
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく感想が書きにくい。そんな読後感の本。
『失われた町』が良かったのでこれを買ったが、最初の短編を読んだときには「(買ったことを)間違ったか?」と思った。
「最初に本書を読んでいたら他の著書は買わなかったかもしれない」と思いながら読み進めたが、読み進めていくうちに、短編の順番はこの順で良いと思うようになった。
本文も良いが、解説が秀逸で、まさに"何かが書いてある"だ。
むずむずとしたものがあるのだが、それを感想として文章に吐き出しにくい。それをうまく表現したのがその言葉だ。
名詞や概念を入れ替えることで不思議な世界観を演出している本作だが、最初の短編(『7階闘争』 -