あらすじ
デパートのショーウィンドウの中で暮らす一人の女性。いつしか僕は、そのディスプレイの前で時間を過ごすのが日課になり……(「スノードーム」)。ゴミ集積所に座り込むサラリーマン。回収日ではない日に捨てられたその男は、近所の主婦には迷惑な存在でしかなく……(「回収」)他19編。中学・高校の教科書に採用された「私」「ゴール」「公園」も収録!――5分後には、あなたの日常が足元から揺らぎだす! 幻想、シュール、不条理、感動……。想像を超える驚きに満ちた三崎ワールドを堪能できる珠玉の掌編集!
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Posted by ブクログ
”近年ますます、日常生活で「自爆」を求められる状況は多様化している”
そうなのか?と疑問を挟む余地を与えられずにストーリーは進む。
解説に書かれている作風の説明で「予め疑問が排除されている空気感」とあり、まさにそうだと思う。
現実に見えるが、明らかに異なる世界が現実として存在するかのように世界観を作り上げる。
本書はショートショート19編、
うがいをした拍子で体から部品を失くしてしまった男の違和感を描く「部品」
政府が確認したために日常で見かけることが多くなった飛行物体をめぐる「確認済飛行物体」
祖父も父も失踪した原因となる”闇”が、ついに自分の近くで見かける機会が増えた「闇」
その女性は、二重管理されていて削除されたデータのほうが本当の私だと訴えた「私」
エレベータを使うのが嫌いな私は、非常階段に本棚があることに気が付いた「名もなき本棚」
緊急時に自爆に迫られた時の手段である”緊急自爆装置”導入の予算に悩む公務員「緊急自爆装置」
回収は一週間先の”会社員”が不法投棄され、今週のゴミ置場の当番の主婦は怒りを感じる「回収」
ほか、全19編
Posted by ブクログ
三崎亜記さんの大ファンなので、色々なところに発表されていた短編たちがまとめられてとても嬉しい!と思って購入しました。
収録されている「私」という作品は教科書に採用されていまして、もう既に教科書からさよならしてしまった私にとっては、読みたくても読めない〜!!とハンカチを噛む思いをしていたのでした。それがついに!こちらに収録されまして!読むことができました!ありがとうございます。フリマで教科書買おうか悩んだことが懐かしい・・・・・・。内容は流石というかちょっと不思議でちょっと難しいんですけど、テスト対策و・◡・وみたいな動画がYouTubeに上がってたりして、新鮮な楽しみ方ができますよ。
お気に入りは「スノードーム」です。これはアンソロジー作品集『不思議の扉 ありえない恋』で先に読んだことがありまして、うわ〜流石三崎亜記先生!天才!甘酸っぱいね!!と1人でめちゃめちゃ感動したお気に入りの1話だったので、ここで再録されて嬉しかったです。簡単なあらすじですが、ディスプレイの女性に恋する男性の物語です。変態じゃないですよ!?静かで美しい雪を見ながら、あったかい部屋でココアを飲むみたいな雰囲気の美しい話です。恋っていいな〜♥クリスマスにぴったりのお話なので、私は友人へのクリスマスプレゼントにこの本を選びました。
Posted by ブクログ
初読。19編の短編集。いろんな味わいの短編が一息で読める幸せ。コワイものも、ホッコリするものも、悲しくなるものも、幸せに感じるものも、どれもこれも三崎さんらしさが滲みでているのがスゴイ。
Posted by ブクログ
不思議な話、ほっこりした話、恐ろしい話。
まるで某番組を見ているかのよう笑
いろんなジャンルの話が楽しめる全19編。
ほんとよく思いつくなぁと思う笑
あなたはどの話が好き?
特に私は【待合室】【スノードーム】【名もなき本棚】【回収】【妻の一割】が好き。
やっぱ色んな意味でのホラー系が面白いよね笑
現代ではあり得ないような話たち笑
いろんな面白さがありました!
綺麗で素敵な話もありましたよ!
Posted by ブクログ
教科書に載っている「私」の影響で読みました。
ショートショートの形式で不思議な世界を味わえました。
感動、不思議、恐怖と様々なジャンルで日常と非日常が混在した話が多かったです。
自爆に関しての感じ方やデータへの考え方などが印象に残っています。
Posted by ブクログ
19の掌編。最後の「The Book Day」には羽ばたく本が登場し、これまでの作品とのつながりを感じさせますが、いつも三崎作品に登場する”この国””この街”は出てきません。しかし、原因と結果がひっくり返ったような不思議な世界、理由も分からない不条理な設定、これぞ三崎ワールドという作品ばかりです。
帯に”中学・高校の教科書に採用された「私」「ゴール」「公園」も収録”とあります。いくつかの文学賞候補にはなるものの、デビュー作『となり町戦争』の小説すばる新人賞以外に受賞作も無く、さほどポピュラーとも思えない三崎さんの作品が教科書に載るのですね。この不条理な世界に面食らう生徒さんも多いでしょう。いや、むしろ頭の柔らかい若い人向きなのかもしれませんが。
クレームを回避するために全てが取り払われ、入るのに誓約書が必要になった「公園」の様な風刺的作品も良いけれど、旅人の間で回し読みされる本を描いた「待合室」、亡くなった妻と旅をする「きこえる」、亡くなった人の大切な本を手放す「The Book Day」など、今までにはあまりなかった様な素敵な透明感のある話が印象的でした。
Posted by ブクログ
ショートだったり、ショートショートだったりからなる一冊。
ほとんどの作品が、"結局何だったんだろう"という不可思議話の不可思議結末で終わるけど、それで良いというか、そこが良い作品だと思う。
ピースの又吉さんのYouTubeでやっている、インスタントフィクションであった作品を思い出させる作品があり、もしかしたらこれを見て又吉さんのYouTubeに投稿した?と思ったけど、
もし違ったとしたら、同じ様な事を考える別人がいることが不可思議話だと思いました( ͡° ͜ʖ ͡°)
Posted by ブクログ
ありえない事が普通に起こる世界という設定ばかりで星新一みたいだった
短編も意外と面白いな、と思ったけれど、時々ホラーっぽい話もあって、とりあえず命を大事にして欲しいと思った
Posted by ブクログ
不思議でブラックなショートショート集。
「部品」「闇」「私」「回収」「妻の一割」「緊急自爆装置」「流出」が印象に残りました。どれも遠くない未来におこりうるかもしれない、そんな怖さがありました。何よりも淡々とした文章が感情を置き去ったように思えて、不思議な世界観をより広げていました。