三崎亜記のレビュー一覧

  • コロヨシ!!

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    架空世界の「日本」が舞台で「掃除」というスポーツをテーマにした青春ものの学園小説。

    三崎亜記さんは「となり町戦争」、「バスジャック」、「廃墟建築士」ぐらいしか読んでないのですがかなり好きな作家さんです。
    ページを読むにつれて引き込まれる独特の世界観、飽きさせない文章力。他の人じゃ真似できないような独創的で読めない発想が非常に好きなんです。
    なんだか読んでいてラノベに近い感じのような気もしました。造語も語感の良さがカッコいい。中二心をくすぐられる……。
    試合や練習中とかの「掃除」の描写は、まるで生の映像を見て書いているかのような徹底とした細かさなのも圧巻でしたこれはアニメ化してほしい。
    個性的なキャラクターも、ひとりひとりが味があって好きです。その点も映像化と相性のよさそうですよね。問題は1クールじゃ終わらなさそうなところですかね……。
    学生時代でひとつのことに打ちこめた経験って、年を重ねるにつれて、かけがえのない光になるんだろうなあ……。

    終盤の終盤で「俺たちの戦いははじまったばかりだぜ!」的な流れになり、「あ、あれ? これページ数足りるんですか……?」と思ったら、なんかちゃんと続編が出ているじゃないですかー! ヤダー! 商売上手!

    個人的には樹と偲よりも樹と梨奈との関係のほうが気になるところです。わくわくしてきました。

    「頃良し!」

    さあ続編を買いに行きましょう!

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    2012年10月14日
  • コロヨシ!!

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    「頃良し!」
    今朝の掃除に取り掛かる時、ハタキを構えて思わず言ってしまった。。。
    (箒じゃないところが、ちょっと邪道な気がしたけれど)

    ここではないどこかの(?)日本で、国家保安局の管理下、
    高校生の間だけ許される活動制限スポーツ、「掃除」。

    横8尋×縦6尋の敷舞台の上で、長物を用いて塵芥を巻き上げ、
    美しい軌道を描いてそれを迅速に回収する、特殊な競技だ。

    この「掃除」のスピード感あふれる描写が素敵で
    今は亡き金田伊功さんの、独特のパースをつけた作画で
    アニメ化してほしい!と妄想してしまうほど。

    そして、この架空のスポーツを構成する
    敷舞台、長物、塵芥、差手、柄掃、寄袋、統声、裁定士
    散華の舞、還立の舞、華宴、添え舞い
    などのディテールや
    西域、居留地、西州第一自治区、異邦郭、政府直轄校
    などの独特の世界観がまた、すばらしい!

    「掃除」の手ほどきをしてくれた祖父がある日突然出奔して以来
    長物を手放さずに育った主人公の樹が
    公立高校の掃除部で、居留地出身の少女、偲の掃除に驚愕し
    政府直轄校の掃除部員との圧倒的なスキルの差に奮起して
    自分だけの掃除を目指して修練を積んでいくのですが

    文庫で520ページという長さのわりに、全国大会でこれから戦う!
    というところで物語が終わってしまって、
    「ええ~?!」と放り出された気分になったけれど
    そこは続編がもう刊行されているということで、自分を納得させたりして。

    掃除部の他、召喚部、肩車スポーツ部、など
    ぜひ見学したり仮入部してみたい(?)部活も登場して
    丁寧に創り込まれた架空世界に気持ちよく浸れる読み手には、ぴったりの作品です。

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    2012年08月14日
  • 失われた町

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    町の消滅とそれに関わる人たちのお話し。

    著者の他の物語と同じくバラレルワールドな舞台設定。完全に異世界なのに説明なしで進行するから、一歩間違うと意味不明な前衛になってしまうが、今回もギリギリ踏みとどまった。
    だけど今回は本当にギリギリ。西域の描写のあたりからそっち向きの描写が楽しくなってしまった様子。
    まぁ量もあるからそれぐらいのアクセントが必要だったのかも。

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    2019年04月03日
  • コロヨシ!!

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    面白いが、言葉遣いが読みにくいと感じる若い人も多いだろう。相当な言葉のセンスが無いと面白さが伝わらない部分がある、

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    2018年10月14日
  • コロヨシ!!

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    ネタバレ

    仮想スポーツ「掃除」をテーマとした
    意外と展開は王道な青春スポ魂小説。

    掃除というスポーツだけがフィクションで
    あとは現代の学校が舞台かと思いきや、
    歴史や国自体もどうやら現実とはことなる世界観のよう。
    舞台である国は果たして「日本」と呼ばれているのか。
    「居留地」「西域」といった独特の歴史を辿った
    国の文化の描写も面白い。

    映像化したらカッコいいだろうな。
    少年漫画でも張り合える緊張感。

    伏線だらけで謎が多いのはもどかしい。

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    2013年04月15日
  • 鼓笛隊の襲来

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    三崎さんの文才を感じさせる作品!
    三崎亜記さんの魅力は独特な言葉の紡ぎ方。余計な言葉は一切ない。なのに、短い文節には心理描写を詳細に読者へ伝える繊細な言葉が、所狭しと盛り込まれている。長くもない、難しくもない。余計な言葉が無いから、読み手のリズムは一定に保たる。優しい文調も心地いい。
    ストーリーに関しては好き嫌い分かれるだろうが、とにかく三崎亜記さんの非凡なる文才を十二分に味わえる秀作。いかに自分に才能が無いかを思い知らされる。

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    2015年03月23日
  • 鼓笛隊の襲来

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    リアリティの障壁を避けるため、現代社会以外をを背景にする物語があります。その背景が過去ならば時代小説、未来ならSF、現代あるいは時代不詳ならファンタジーと呼ばれます。しかし、それらは背景であって、物語の主題はヒューマニティだったりミステリーやサスペンスだったりします。
    一方で、背景としてではなく、世界そのものを描こうとする物語もあります。科学の進化によって変化した未来の世界を描くのがハードSFだし、過去ならば歴史小説になります。
    三崎さんは現代の中にちょっとした不条理を持ち込み、不思議な世界を作り出します。例えば台風の如き鼓笛隊だったり、ラピュタのような浮遊都市だったり。とはいえ、それらは科学的な裏付けを与えられたものでは無くファンタジーの世界です。そして、描いている対象は、三崎さん自身が奇妙な前提を与えた世界その物のようです。
    う〜〜ん、ハードファンタジーとでも呼びましょうか。
    ファンタジーの世界では珍しい描き方だと思います。

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    2016年07月30日
  • 失われた町

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    相変わらず不思議な世界を作り出す作家さんです。
    日常の中にボコッと非日常の(今回は町の全住民が消失する)シチュエーションを突っ込みます。その現象の理論的説明は無いのでSF的では無いし、ファンタジーと言うには周りが日常過ぎるし。
    最初は「当り!」と思ったのです。
    でも読み進めるうちに、色々不満も出てきました。一言で言えば「やり過ぎ」です。古奏器、西域、消滅耐性、電域など特殊な熟語を用いて雰囲気を出すのは面白い手法ですが、余りに多用しすぎて小道具感がして来ます。さらには登場人物の造形も面白いのですが、少々カリカチュアライズされ過ぎて浅く見えてしまいます。
    ともあれ、なかなか面白い作品でした。

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    2016年07月31日
  • バスジャック

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    「二階扉をつけてください」
    すごい発想。
    この話、結構好きだった。

    他は「送りの夏」が印象的。
    表題作はいまいち微妙。

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    2017年02月02日
  • みしらぬ国戦争

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    そんな設定あり?!と思いつつも、妙にリアルに感じる物語がクセになる三崎作品。今回は架空の隣国との戦争という、一見ありえへん状況下でのお話です。しかも特定の人物に”寄り添い”続け、その人生を”誘導”する任務とか…国家がそんなことしていいんですか?ていうか、そんな上手いこと行きますかね?って話ですが(^^;) でも描かれる状況がこの国の現在とだぶって見えるというか…いや、この国にこんな根気の要る計画は無理やろとか思えたりもするし…国民の幸せとは?とか、シンプルだけど難しい課題もあって、このご時世を考えさせられます。

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    2026年07月06日
  • みしらぬ国戦争

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    ネタバレ

    新たな三崎ワールドによる見えない戦争小説。

    「となり町戦争」の三崎ワールドに原点回帰をしたようでもありながら、現代に沿うようにアップデートした感じです。
    主人公たちの息遣いより、現代の不気味な情報氾濫を感じて怖くなりました。
    著者が創造した固有名詞はやっぱり好きです。

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    2026年05月16日
  • 鼓笛隊の襲来

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     表題作含む9編収録の短編集。
     日常では起こり得ないが、ものの見方を変えると随分と違った景色に見えてしまう不思議な世界へと誘う作品集。コミカルだが、ちょっと恐怖あり、感動あり、といった作品。

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    2026年04月07日
  • バスジャック

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     表題作含む7編収録の短編集。
     どの作品も現実的にはあり得ない設定だが、何かしら考えさせられるものがある。表題作「バスジャック」は固定化された概念を打ち破ることが求められていること、「送りの夏」は死との向き合い方についての一つの問いかけ、といった感じでどの作品にもメッセージ性を感じる。
     個人個人の琴線に触れる作品があるのではないかと思う。

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    2026年03月26日
  • みしらぬ国戦争

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    ネタバレ

    個人に戦争の全体像が見通せない状況だとか、国家が国民に仕掛ける工作とかいったネタなら、既に先行作品があるだろうけれど、SNSやら動画配信やら、政府から断続的に発せられる無味乾燥な数字の情報(Jアラートとか、新型コロナ感染者数の発表とか)やら、この10年くらいの間に日本で見慣れるようになった事物を踏まえることで現在の日本社会を感じさせる。一方で、ある集団・ムーブメントの呼称だとか旗だとかいったものが、何ともリアリティに欠ける感じで登場するので、一読者としてはそれほど深刻に受け止めることを強いられることはなく、ファンタジーとして読むことが出来る。

    現在の日本社会をダブらせ、また、今時の日本人の行動・生活のスタイルをもダブらせているように思うので、もしも、この小説からファンタジー的な要素(明らかなウソっぽさ)をなくしてしまったら、それは“日本政府は影で国民を騙すこんなことをしでかすのだ”という陰謀論そのものに置き換えられると思う。してみると、なるほど今の日本(或いは今の世界)というものは、陰謀論が幅を利かせるのにお誂え向きな状態なのだなあ、と思ったりもする。

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    2026年03月01日
  • となり町戦争

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    戦争を業務的に表現されていたのが新鮮だった。
    悲しみの表現も事務的に感じた。
    それにしても主人公と香西さんが最後まで付き合っていて欲しかったと残念に思った。

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    2026年02月06日
  • みしらぬ国戦争

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    衝撃を受けたデビュー作『となり町戦争(2005年発行)』から20年。
    あの「見えない戦争」に
    AIが導入され、デジタル化され、規模が町から国家に拡大されている~。

    コロナ禍を彷彿とさせる、見せかけの恐慌も取り入れられて、
    令和という時代ならではの説得力がある。

    現実って、リアルって、はたまた虚構って何なのだろうか。
    生きている世界の根底を揺さぶるこの感覚、相変わらず好きです。

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    2026年01月02日
  • みしらぬ国戦争

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    名前もどこにもあるかも分からない「みしらぬ国」との戦争をしている日本。三崎ワールドの世界観ではあるが、一方実際の現実正解でも起こりうることだとも感じ、いつもとは異なる感覚をうけた。

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    2025年12月31日
  • 本からはじまる物語

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    好きな恩田陸さんが入っていたので思わず読んでみた。短いながらほっこりする感じのものが多くてよかった。

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    2025年11月13日
  • みしらぬ国戦争

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    こんな国家の陰謀が情報操作されて実在すると思うとゾッとするが、案外これに近いような事が行われているのではとまたまた怖くなった。

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    2025年10月23日
  • 本からはじまる物語

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    作品紹介・あらすじ

    1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。

    森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
    青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。

    *****

    本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
    僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
    ホロリとさせるものから、ミステリーっぽいもの、恋愛ものまでジャンルは様々で、似たようなアイディアの作品もある。
    どれも短い作品なので、ちょっと食い足りなさを感じるのだけれど、逆に短いからこそ重くならずにすっと入ってくる心地良さがあって、全体的に好感が持てた。
    肝心の梨木果歩さんの作品だけれど、これがホラー。ラストが明記されていないだけに、余計に怖さが残る。

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    2025年10月05日