三崎亜記のレビュー一覧

  • 決起! コロヨシ!! 2

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    現実と紙一重ながら非現実的な世界を描くのがウリだと勝手に認識していた三崎氏ですが、本シリーズは予想範囲を遙かに超える独自の世界に引き込まれます。
    読み出すと止まらない。早く続きを読まなければ。

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    2016年04月28日
  • 逆回りのお散歩

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    久しぶりの三崎ワールド。取り立てて盛り上がりがあるわけではないのに、なんとなくジーン?ズーン?という感じで響いてくるものがある。
    一時に読んでなくて、話の繋がりが見えていないけど、色んなところに伏線とか断片とかが仕組まれてそうで、どこかで全部読み返してみたい気持ちがある。
    160406

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    2016年04月10日
  • 逆回りのお散歩

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    世界観の作り方がやっぱりうまい。
    当たり前のように設定される非現実的な設定が楽しいです。
    物の見方が秀逸だなぁ。

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    2015年12月02日
  • 逆回りのお散歩

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    ネタバレ

    再読。自分の立っている場所が、確かなものではないのだとあるとき気づいてしまう不安感。既存の立ちはだかるシステムとどうやって戦ったらよいのかという焦燥感。傍観者でいることへの罪悪感。戦いに一歩踏み出すことは、勝利という結果を手にすることではないのだと突き放しながら、それでも立ちすくむことは許されないのだと叱咤される。

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    2015年11月26日
  • バスジャック

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    『となり町戦争』がおもしろかったので、その作者の二作目。購入したのはだいぶ前なので、かなり積読していた。外れの少ない短編集。好きなのは…

    「二階扉をつけてください」町内会の回覧板に書かれたその言葉。わからないままつけた二回扉に隠された秘密。SFチックで後味が少し悪い。笑

    「バスジャック」バスジャックブームにより、ルールや様式美が定められた不思議な世界。「ロマンはどこだ」感。

    「動物園」動物を表現できる不思議な能力を持った女性の話。おじさん飼育員との会話が良い。

    「二人の記憶」彼女との記憶に少しずつすれ違い。そのずれをどうするかという話。彼女と主人公、どちらが違うのかもはっきりしないんで

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    2015年11月02日
  • バスジャック

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    回覧版で知らされた『二階扉』なる設備をつけるべく奮闘する男の話『二階扉をつけてください』、バスジャックがブームとなり形式化しつつある世界を書いた表題作『バスジャック』などの七つの物語。


    突如不条理な世界で繰り広げられる三崎ワールド全開の短編集。
    一番目の話が、戸惑いつつもコメディタッチだったのに、オチがホラーで少々ビビりましたが、その他はほぼ優しさの中に寂寥感漂うお話でした。
    特にラストの『送りの夏』は、小学生の女の子の生き生きとした目線で話が書かれている為、対局である『死』もより強く、残された者達の苦しさ悲しさが感じられる話だったと思います。
    この中で私が一番気に入ったのが『動物園』。ど

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    2015年09月24日
  • コロヨシ!!

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    「一瞬の風になれ」のような青春スポーツもの。
    架空のスポーツ「掃除」をテーマにしていて興味を引いたので読んでみたけれど、「舞」の表現が想像をかきたてるもので面白かった。
    個人的にはクィディッチと重なるようなイメージをもちました。

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    2015年07月05日
  • 終舞! コロヨシ!! 3

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    ヒロイン高倉も合流し、
    卒業までの大会や国家陰謀に対して頑張る完結編。

    隠された掃除の奥義や
    樹回りの人物の秘密の解明、
    そしてライバルや恩師など、超えるべき人物との戦い…。

    ここまで少年漫画の王道展開を
    地で行ってもらうととても気持ちがいい。

    結局戦後久々に国が掃除を必要とした
    理由が明示されていないが、
    同じ世界観の他作品を読み返すと
    状況を把握できるかも。

    個人的には後藤に日の目が当たって良かった。

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    2015年04月30日
  • 決起! コロヨシ!! 2

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    気がついたら文庫化されていた
    掃除がスポーツ認定されている世界の
    ファンタジースポ魂小説第二巻。
    (「となり町戦争」の著者が
     「もしも掃除がスポーツだったら」な世界を
     かなりディープに作り出してる。)

    登場人物たちが「こいつ…デキる!」
    みたいなのを感じとっていくのだけれど、
    理由が良く分からないので納得できず
    読者がおいてけぼりをくらう気分。

    居留地や西域の雰囲気を掴むためにも
    映像化(アニメーションかな?)が望まれる。

    主人公の樹が後輩達一人ひとりとの絡みで
    一緒に成長する描写は良い感じ。

    あと、後藤がやな感じのキャラ
    に育ったのがやっぱり残念。
    必要悪なりに今後見せ場が欲しい

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    2015年04月19日
  • コロヨシ!!

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    掃除の流れとか頭で想像するのが多々難しい部分もありましたが、全体としては苦悩し、悩みながらも進んでいく青春小説で読んでいて成長していく過程にとても楽しく読み進められました。謎はたくさん残っているので続きを読んですっきりしたいです。

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    2015年03月28日
  • バスジャック

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    叙情的な季節感を醸しながら語られる不思議な短編集。その中にあって、二階扉〜とバスジャックの2篇はブラックユーモアテイストで読み手を飽きさせない。
    作者は情景描写がとても素敵ですね。
    お気に入りは、送りの夏かな。小6の少女が大人過ぎだけど。

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    2015年03月04日
  • バスジャック

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    再読。
    建築物に執着を見せる三崎さんですが、この短編集では建物は「二階扉をつけてください」に少し出てくる程度です。
    初読の時と同じくこの短編集の中では長めの「動物園」「送りの夏」が印象に残ります。特に今回は「送りの夏」。
    それぞれ動かないマネキン人形のような人間を抱えた4つの家族が共同で暮らす家。主人公の小学生・麻美の母親も家出してそこで暮らしていた。
    愛する人の死を受け入れるための場所。そこで麻美の知らない動かぬ男性と暮らすどこか奔放な母親と、妻や娘を信頼する父親。ちょっと不思議な家族。
    夏の物語なのにどこか静寂でひんやりと、しかし暖かな気持ちになる話でした。

    ==============

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    2016年05月15日
  • 鼓笛隊の襲来

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    現代日本に似ている世界だけれども、
    不思議な現象、制度が紛れ込んでいる短編集。

    オチにひねりのない(というか投げっぱなし?)
    話も多いけれども、
    個人的には世界観の面白さでおなかいっぱい。

    話に出てくる不思議な現象や制度
    (鼓笛隊や覆面)が社会風刺的な
    何かの暗喩なのかなと思いつつも、
    意外と何も裏がなくまんまなのかと思ったり。

    作者は公務員時代こんなことを
    日々妄想していたのだろうか。

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    2014年11月27日
  • 鼓笛隊の襲来

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    【本の内容】
    赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が、勢力を拡大しながら列島に上陸する。

    直撃を恐れた住民は次々と避難を開始するが、「わたし」は義母とともに自宅で一夜を過ごすことにした。

    やがて響き始めたのは、心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲で…(『鼓笛隊の襲来』)。

    ふと紛れ込んだ不条理が、見慣れたはずの日常を鮮やかに塗り変えていく。

    著者の奇想が冴えわたる、驚異の傑作短編集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。

    列島上陸・直撃の被害を恐れた住民が避難するなか、鼓笛隊の襲来体験をもつ義母の言葉を受け自宅に残ったわたし。

    恐るべき鼓笛隊の真相と

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    2014年10月06日
  • 鼓笛隊の襲来

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    小説のカテゴリの切り口を、現実世界と、非現実世界にしているが、この作者の小説はいつも迷う。
    読後時間がたつと、鼓笛隊が襲来したのかなという気持ちになる。
    私が読んだこの作者の本にしては珍しく、祝福された存在が小説の核となっている気がした。

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    2014年10月05日
  • 廃墟建築士

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    となり町戦争は昔読んだはず。「一ヶ所だけズラした設定を端正な文章で」という印象。嫌いじゃない、むしろ好きなんだけど、これを続けるのはしんどいんじゃないかなぁ、と思ったような。で、今回文庫交換会で当たって読んでみたけど、まぁ同じ感想。どれも変な設定なのにリリカルで切ないんだけど、ホンマにこれを飽きさせずに書き続けるのは大変よね。4作あるけどなかなかに甲乙つけ難い。「蔵守」がちょっとトリッキーな書き方してるけど、これはちょっと合わないような気がしてちょい落ちるかなぁ。

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    2014年08月07日
  • 鼓笛隊の襲来

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    現実的な世界の日常に、非現実的な設定が混ざりこむ不思議な短編集です。

    作者の書きたいことが明確にあり、それを分かりやすく読者に伝えようとする姿勢はこの作品でも健在でした。

    多くの話の中に過去や現在の「喪失」という要素が含まれるのが印象的で、作者の主要な主題となったのでしょうか。

    各話について細かいことを言えば、お約束ではある「お役所仕事」は無理に入れなくても、とか、設定に慣れた頃に話が終わってしまった、とか感想はありますが、作者らしい安定して面白い短編集でした。

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    2014年06月29日
  • ミサキア記のタダシガ記

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    自分の好きな作家「三崎亜記」のエッセイ。現実と非現実を織り交ぜた不思議な感覚の小説とは違い、現代の流行などについて斜めから皮肉たっぷりにバサバサと斬っていく。「タダシガ記」は同調できるところも多々あるものの、「ツブヤ記」についてはもうひねくれ過ぎ。べつやくれいの挿絵がまたいい味を出し過ぎてニヤリとする一冊。最近、ちょっとひねくれた作家のエッセイがお気に入り。「先進国」という言葉は、実は定義がなく、なんとなく人々の共通認識で成立していたことを初めて知った次第。

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    2014年05月31日
  • ミサキア記のタダシガ記

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    『ダ・ヴィンチ』、『本の達人』で連載されたエッセイタダシガ記、
    twitterを抜粋したツブヤ記、
    居酒屋甲子園体験記のケンブツ記の3構成エッセイ。

    不可思議な物語を書く人だけれど、当然ながら福岡在住の元公務員なので、その日常はごく普通である。
    こだわりや着眼点は一風変わっているけれど、そこまでおおっというところはなかった。

    最初のワープアが便座カバーを買うことについての考察が面白く、全体としてシニカルな見方が興味深かった。
    震災を挟んでの連載ということで、震災以前に書いた文章について今コメントするという形式が内容を厚くしている気がする。

    ただ、既に作品に現れているのだが、2010年〜は

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    2014年05月06日
  • ミサキア記のタダシガ記

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    三崎さんの作品は不思議な設定となんとなく失われているという感覚があるのですが、エッセイを見ると、まともな感覚の人なんじゃないかと疑ってしまう。ちなみに、感覚がまともなだけで、まともな人ということではありませんので。。。

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    2013年12月09日