【感想・ネタバレ】逆回りのお散歩のレビュー

あらすじ

地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく……。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。

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Posted by ブクログ

三崎氏の作品にしてはリアリティがあるというのが第一印象です。
行政やマスコミによる情報操作が、ネット社会になり誰もが情報を発信できるという神話によって、更に高度化している可能性に対する怖さを感じた。

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2019年01月05日

Posted by ブクログ

面白かったですが少しこわくて考えさせられました。
大きな流れには個人の力なんて無力なのだろうと思います。何年もかけて根回しして、その流れを推し進めてきたことは特に。
見えないなら、それは無かったこと…本当に、それでいいのかなと思いました。
今の日本の縮図だ、というような解説だったのですがそう思います。こういうこと、行われているんだろうな。
見えないからといって、知らないままで良いわけではない、ということは忘れずにいたいです。

「となり町戦争」の前日譚の「戦争研修」も面白かったです。
前に読んだときはさらっと読んでしまいましたが、「となり町戦争」を読んでから再読すると、この作品を思わせるような台詞もありました。
そして香西さんの結婚相手がめっちゃ出てる…気付かなかったなんてぼんやりし過ぎ。
戦争が公共事業になる、というのは今でも荒唐無稽ではありますが、形を変えた戦争が日常に入り込む、というのはこれからあり得る話です。

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2018年11月15日

Posted by ブクログ

久しぶりの三崎ワールド。取り立てて盛り上がりがあるわけではないのに、なんとなくジーン?ズーン?という感じで響いてくるものがある。
一時に読んでなくて、話の繋がりが見えていないけど、色んなところに伏線とか断片とかが仕組まれてそうで、どこかで全部読み返してみたい気持ちがある。
160406

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2016年04月10日

Posted by ブクログ

世界観の作り方がやっぱりうまい。
当たり前のように設定される非現実的な設定が楽しいです。
物の見方が秀逸だなぁ。

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2015年12月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

再読。自分の立っている場所が、確かなものではないのだとあるとき気づいてしまう不安感。既存の立ちはだかるシステムとどうやって戦ったらよいのかという焦燥感。傍観者でいることへの罪悪感。戦いに一歩踏み出すことは、勝利という結果を手にすることではないのだと突き放しながら、それでも立ちすくむことは許されないのだと叱咤される。

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2015年11月26日

Posted by ブクログ

「となり町戦争」の前日譚も収録されているが、そちらよりは表題作の方が良かった。(ぼんやりとはしている)
 
A町に住む女性が主人公、隣のC町との市町村合併が「乗っ取り」なのではないか?と言う噂を友人から聴き、ネット上での「合併反対派」の動きや、デモ活動(お散歩)について知っていくうちに、何が真実なのかがわからなくなっていく…

情報操作、印象操作の攻防、切り取られた報道、怒りが長続きしないとか、ネット上だけ=仮面をつけた人達のこと、など
Twitterやってることで、より身近に感じる事がテーマ
そして静かな「目に見えない戦争」と言うテーマはとなり町であれ遠くの国であれ無関心な意識のこと

そういう感覚を再認識するには良い。
「となり町戦争」と通じるテーマ

でも、ちょっと「これは話がどう言う方向に向かうのか?解決するはずがないので、どう終わりに向かうのか」がなんとなく、予想の中のひとつ通りで少し弱く感じた。

でも、この先何度も思い出す気がする。

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2021年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実在する町じゃないし
そんなことあるけないと思うけど
妙にリアルな感じがして
ちょっと怖い。
いい歳だから政治もちゃんと
理解しなきゃって思った。笑

短編の隣町と戦争するお話は
ほんとにリアリティがあって
怖かった

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2021年02月02日

Posted by ブクログ

どっちかというと期待外れだった。三崎作品は長編かもしくは短編がいいのかも。長さが中途半端だったのか?
割と好きな作家さんなので期待しすぎたのかもしれない。
寓話とか風刺とかそういう三崎さんらしさはもちろんあるのですが、ほとんど現実に近すぎてちょっと月並みだったかなと思う。

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2020年01月07日

Posted by ブクログ

あれ、えらくドロドロとしちゃったな、というのが正直な感想。

建築物を偏愛する三崎さんですが、もう一つのこだわりが戦争なのでしょう。これは『となり町戦争』の系譜の作品です。

三崎さんの作品は、どれも現実とは少しずれた不思議な共通の世界を舞台にしていますが、この作品にも州都とか自治区とか隣国とか、『コロヨシ!!』にも出てくる用語が出てきます。
しかし、何だかちょっと違います。暗めの雰囲気はいつも通りですが、いつもはサラリと距離感を置いて描かれる登場人物たちが、この作品では妙にドロドロと重いのです。何だか昼間のメロドラマでの雰囲気なのです。
同時併録された短編『戦争研修』は『となり町戦争』のスピンオフ物語でなかなか良いのですが、表題作の『逆回りのお散歩』は、どうも私には合いませんでした。

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2016年05月15日

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