三崎亜記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が、勢力を拡大しながら列島に上陸する。
直撃を恐れた住民は次々と避難を開始するが、「わたし」は義母とともに自宅で一夜を過ごすことにした。
やがて響き始めたのは、心の奥底まで揺らす悪夢のような行進曲で…(『鼓笛隊の襲来』)。
ふと紛れ込んだ不条理が、見慣れたはずの日常を鮮やかに塗り変えていく。
著者の奇想が冴えわたる、驚異の傑作短編集。
[ 目次 ]
[ POP ]
戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。
列島上陸・直撃の被害を恐れた住民が避難するなか、鼓笛隊の襲来体験をもつ義母の言葉を受け自宅に残ったわたし。
恐るべき鼓笛隊の真相とは……(表題作)。
奇想天外な設定とリアルな人間描写が織りなす短編集。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
『ダ・ヴィンチ』、『本の達人』で連載されたエッセイタダシガ記、
twitterを抜粋したツブヤ記、
居酒屋甲子園体験記のケンブツ記の3構成エッセイ。
不可思議な物語を書く人だけれど、当然ながら福岡在住の元公務員なので、その日常はごく普通である。
こだわりや着眼点は一風変わっているけれど、そこまでおおっというところはなかった。
最初のワープアが便座カバーを買うことについての考察が面白く、全体としてシニカルな見方が興味深かった。
震災を挟んでの連載ということで、震災以前に書いた文章について今コメントするという形式が内容を厚くしている気がする。
ただ、既に作品に現れているのだが、2010年〜は政治や社会問題への言及が多い。
特に震災以降はかなりの割合で出てくる。
主義主張についてとやかく言う気はないけれど、論壇誌ではないのだから、政治への批判が強すぎて好きになれない内容である。 -
Posted by ブクログ
決して嫌いな話ではないが、長くて時間がかかった。かなり細かい創造設定が盛り込まれている。(消滅/消滅耐性/分離/別体/汚染/音/珪化/消滅順化/澪引き/管理局/感情抑制/居留地/回収員/余滅/残光etc.)「となり町戦争」を途中で断念した経験があるけれど、どんな本なのかを少し想像できる材料になった。丁寧な文を書く人で、丁寧な文は嫌いではないのだけど何だか疲れてしまう。ゆっくりゆっくり読まれるべき本なのかもしれない。私が一番この話で寂しくなったのは、失われる人々より、章が進むにつれ時の経過によって自然に亡くなる人がいるというところだった。舞台が一緒の小説があるらしいので機を見てそちらの方も読もうと思う。情景がよく浮かぶ。灰色とか、青とか、硬質な薄水色の。
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Posted by ブクログ
「三崎亜記、めんどくせー!」と思うこと間違いなし(笑)
こうやって、日常と非日常の境がわからなくなる三崎小説ワールドができるのか……。
ご本人が「あわい」という言葉を使っていましたが、まさしくピッタリだなと。
三崎さんが気になった言葉についてあれこれ考察したエッセイ、Twitterでの呟き、書き下ろしレポが収録されてます。
雑誌連載がベースなので時事ネタが多め。
「え、そこまで話がいっちゃうのの!?」とツッコミつつも、ちょっとしたことをあれこれ考える時間がいつの間にか減っている自分に気づかされました。
Twitterのつぶやきがそのとき書いていたと思われる小説のライナーノーツの役割や、エッセイの下書きの役割も果たしていて興味深く読めました。そして即フォロー(笑)
書き下ろしの居酒屋甲子園レポが、くだらなすぎて面白かったです。 -
Posted by ブクログ
この人は架空の「なにか」を書くのがうまいよな。「掃除」といいつつそれは一般的な掃除とは全く異なるものだった。スポーツとしての「掃除」。でもこの人の文章からは本来存在しないはずの掃除の競技風景が鮮烈に思い浮かぶようだった。観客として競技を観戦しているかのような、実際に自分自身が舞台で舞っているかのような、空想でありながらもそのリアルさはすごい
しかし今巻では完結しない……のかぁ…。終盤に差し掛かってからは薄々感じてはいたけど。結局最初から最後まで作中の謎はまだほとんど明かされてはいないわけで
なにはともあれ「部活」がもう一度やりたくなる。そんな一冊 -
Posted by ブクログ
架空世界の日本で、高校生が「掃除」というスポーツに打ち込む話。
これは…SF?…異世界青春ものというか。
少年漫画のようで、面白いです。
藤代樹は高校2年生。
高校だけに限られている特殊なスポーツ「掃除」を部活で行っている。
箒のような「長物」で、羽根つきの羽根を小さくしたような「塵芥」を自在に操り、回収する競技。
技術だけでなく芸術的な美しさも評価される。
マイナーな部で、樹は部に入っていることを両親には隠している。それには、わけがあった…
樹は、既に州大会新人戦で優勝した腕前。
実は子どもの頃に祖父に「長物」を貰い、一人で練習していた積み重ねがあった。祖父はその後、失踪してしまったのだが。
もうすぐ正式な大会に出て、優勝でもしたら、隠し通すことは出来ないが、まだためらっている。
幼なじみの梨奈は、有力者のお嬢様で、無敵の美少女。
何かと無理を言ってくるが、まったく太刀打ち出来ない樹。
「彼氏失格よ」などと言われて「彼氏じゃない」と抵抗はするのだが。
後輩の偲という可愛い少女に出会い、その優しい風情に救われる思いになります。
だが、偲は「掃除」の強力な選手で、しかも「居留地」の流儀らしい謎めいた技を持っていた。
「掃除」とは、もともと旧国技にも関連する実戦用の物だったらしい。
偲とは、やがて互いに教え合うことになるのだが、ライバルでもある。
「召喚部」で一人わけのわからないことをやっている友達も「掃除」の腕前はなかなかのもの。
この友達とのいきさつや、数々の試合の様子などが、少年漫画ぽくて、妙にわかりやすい面も。
試合だけでなく、「異邦郭」という社交場での「添え舞い」を仮面を付けてバイトでやっていたりと、色々なシーンが展開。
超絶技巧がつぎつぎに繰り出されていくが、それが「掃除」っていう。
樹たちが特訓したり、行き詰まったり、精神的な問題を乗り越えていく様子が、いきいきと描かれます。
スポーツ物の漫画で、全然知らない競技の場合、けっこうこんな感じかなと。
ほかに「肩車スポーツ部」とか、おかしな設定も楽しめます。
この世界の設定は斬新で、描写も流麗で面白いんですが、謎が多すぎるのが、感情移入するのにちょっと、難ですね。
少しずつはわかっていくのですが、そのテンポがやや遅い。
高校生が意味も事情もよくわからないまま、ひたすら練習しているっていうのも、あり得ない事じゃないけど。
さあ次の段階へ!
というところで、終わってます~。既に次作も出ているので、乞うご期待!?