三崎亜記のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
決して嫌いな話ではないが、長くて時間がかかった。かなり細かい創造設定が盛り込まれている。(消滅/消滅耐性/分離/別体/汚染/音/珪化/消滅順化/澪引き/管理局/感情抑制/居留地/回収員/余滅/残光etc.)「となり町戦争」を途中で断念した経験があるけれど、どんな本なのかを少し想像できる材料になった。丁寧な文を書く人で、丁寧な文は嫌いではないのだけど何だか疲れてしまう。ゆっくりゆっくり読まれるべき本なのかもしれない。私が一番この話で寂しくなったのは、失われる人々より、章が進むにつれ時の経過によって自然に亡くなる人がいるというところだった。舞台が一緒の小説があるらしいので機を見てそちらの方も読もう
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Posted by ブクログ
「三崎亜記、めんどくせー!」と思うこと間違いなし(笑)
こうやって、日常と非日常の境がわからなくなる三崎小説ワールドができるのか……。
ご本人が「あわい」という言葉を使っていましたが、まさしくピッタリだなと。
三崎さんが気になった言葉についてあれこれ考察したエッセイ、Twitterでの呟き、書き下ろしレポが収録されてます。
雑誌連載がベースなので時事ネタが多め。
「え、そこまで話がいっちゃうのの!?」とツッコミつつも、ちょっとしたことをあれこれ考える時間がいつの間にか減っている自分に気づかされました。
Twitterのつぶやきがそのとき書いていたと思われる小説のライナーノーツの役割や、エ -
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この人は架空の「なにか」を書くのがうまいよな。「掃除」といいつつそれは一般的な掃除とは全く異なるものだった。スポーツとしての「掃除」。でもこの人の文章からは本来存在しないはずの掃除の競技風景が鮮烈に思い浮かぶようだった。観客として競技を観戦しているかのような、実際に自分自身が舞台で舞っているかのような、空想でありながらもそのリアルさはすごい
しかし今巻では完結しない……のかぁ…。終盤に差し掛かってからは薄々感じてはいたけど。結局最初から最後まで作中の謎はまだほとんど明かされてはいないわけで
なにはともあれ「部活」がもう一度やりたくなる。そんな一冊 -
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架空世界の日本で、高校生が「掃除」というスポーツに打ち込む話。
これは…SF?…異世界青春ものというか。
少年漫画のようで、面白いです。
藤代樹は高校2年生。
高校だけに限られている特殊なスポーツ「掃除」を部活で行っている。
箒のような「長物」で、羽根つきの羽根を小さくしたような「塵芥」を自在に操り、回収する競技。
技術だけでなく芸術的な美しさも評価される。
マイナーな部で、樹は部に入っていることを両親には隠している。それには、わけがあった…
樹は、既に州大会新人戦で優勝した腕前。
実は子どもの頃に祖父に「長物」を貰い、一人で練習していた積み重ねがあった。祖父はその後、失踪してしまったのだ -
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架空世界の「日本」が舞台で「掃除」というスポーツをテーマにした青春ものの学園小説。
三崎亜記さんは「となり町戦争」、「バスジャック」、「廃墟建築士」ぐらいしか読んでないのですがかなり好きな作家さんです。
ページを読むにつれて引き込まれる独特の世界観、飽きさせない文章力。他の人じゃ真似できないような独創的で読めない発想が非常に好きなんです。
なんだか読んでいてラノベに近い感じのような気もしました。造語も語感の良さがカッコいい。中二心をくすぐられる……。
試合や練習中とかの「掃除」の描写は、まるで生の映像を見て書いているかのような徹底とした細かさなのも圧巻でしたこれはアニメ化してほしい。
個性的 -
Posted by ブクログ
「頃良し!」
今朝の掃除に取り掛かる時、ハタキを構えて思わず言ってしまった。。。
(箒じゃないところが、ちょっと邪道な気がしたけれど)
ここではないどこかの(?)日本で、国家保安局の管理下、
高校生の間だけ許される活動制限スポーツ、「掃除」。
横8尋×縦6尋の敷舞台の上で、長物を用いて塵芥を巻き上げ、
美しい軌道を描いてそれを迅速に回収する、特殊な競技だ。
この「掃除」のスピード感あふれる描写が素敵で
今は亡き金田伊功さんの、独特のパースをつけた作画で
アニメ化してほしい!と妄想してしまうほど。
そして、この架空のスポーツを構成する
敷舞台、長物、塵芥、差手、柄掃、寄袋、統声、裁定士