三崎亜記のレビュー一覧
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ネタバレ星3つは、最初の話の「終の筈の棲家」が星3つ。「ニセモノの妻」が2つ。「坂」が1つ。「断層」が4つということで、その平均(笑)
三崎亜紀は以前『鼓笛隊の襲来』というのを読んで、話のなんとも珍妙な設定がよくって。この『ニセモノの妻』もそれを期待したのだが、どの話も『鼓笛隊』ほどには珍妙さが足りなかった…、かな?(笑)
「終の筈の棲家」の星3つは、「最初だからこんなものか?」と評価はかなり甘くなっていると思う。
雰囲気は悪くないのだが、途中で出てくるエントランスの監視映像の少女のエピソードが投げっ放しで終わっちゃうところとか、かなり不満。
そこいくと、「ニセモノの妻」は最初の話より話が完成され -
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うーん、うーん。
今回もまた「構想はすっっごく面白いんだけど、小説としてはイマイチ...」でした。デビュー作からずっとずっと同じ感想で、何度か「お、描写が良くなった、これは期待できるかも」と思ったもののあまり良くならず期待を裏切られ続けて12年。流石にもう決心がつきました。
三崎さんは、おそらく監督であって、俳優ではないんだろうと思います。小説家はどうしても監督兼俳優になってしまうけど、漫画のように原作と作画担当で分業したり、映画のように監督と脚本と俳優とその他たくさんの専門家の協業になったっていい。
名監督は名監督として素晴らしい作品を作って欲しい。
だって、今でも三崎亜記ほど素晴らしい着眼 -
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ネタバレ世界にとって重要だと言われているが、実際にどう使われるのか判らないP1という製品を作り続ける工場。
工場内ではP1を神格化した用語が使われ、それは住民のほぼ全てが関係者である町全体に広がっている。ある日、工場で「汚染」が起きて・・・。
原発事故や「20世紀少年」のような話も出てきます。
三崎さんの面白さの一つは「あり得ない設定」に牽強付会の論理をぶら下げて行くところなのです。しかし今回はその根本のところが”お金”がらみ(それも途中で予測できた)になってしまい、妙なリアリティーと生臭さが出てしまいました。
むしろマインドコントロールに対する警告の書と見るべきでしょうか。する方もですが、受ける方 -
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バスジャックやとなり町戦争の三崎亜紀さんの作品。
この二つは昔読んだことがあったので、きっと面白いだろうと思って読んでみました。
最初の方は、つかみどころがないというか
なかなか世界に入れなくて読み進めるのがしんどかった。。
後半になるにつれて面白くなったけど!
たぶん難しい言葉を使おう使おうと思って使ってるから
あんまり内容が入ってこなかったのかも。
設定としては、これぞ三崎亜紀作品!っていう感じの日常+非日常。
そこで暮らす人も巻き込んだ町の喪失に
立ち向かったり、巻き込まれたり、残されたりする人々の話。
ずっと東日本大震災を思い浮かべながら読んでいたんだけど
これって2006年の作 -
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ネタバレたった一つの製品を生産する企業に支配された町のSF小説。
作者らしい世界観、キーワードで拘束感を盛り上げてくれます。
後半はその世界が欺瞞に満ちていることに気付いた人々がレジスタンス的に行動しますが、作者得意のジワジワ感ではなくサスペンスアドベンチャー的ですが、転がるような展開は面白かったです。
ただ、落ちとしては不条理感が前面に出て、何がなんだかすっきりしない感じでした。
他の物語との繋がりがあるかなと思いましたが、そうでもないようです。
結局「P1」って何?「ME創研」って何?という疑問のみが残りました。
やはり作者は短編や短編を基に膨らんだ長編の方が面白いような気がします。 -
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7種類の短編
二階扉をつけてください
世にも奇妙な物語でありそうな話、コミカルでテンポが良いです。
しあわせな光
ほのぼのしてますが、職質されないように!
二人の記憶
記憶は曖昧なものだけど・・・
バスジャック
バスジャックが娯楽として認知されてる世界!物語の造りは同作者の『となりまち戦争』のようです。
雨降る夜に
こんな来客が居たら雨の降る夜も楽しいでしょうね!
動物園
超能力もの!こちらは同作者の『失われた町』が思い出される。続編希望!
送りの夏
母が失踪、そんな母に文句を言ってやろうと娘が母を追い掛ける。追いついた先では人形のような人達と暮らす住人が居ました。