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町の住民のほとんどが働く巨大工場。しかし、そこで何が作られているのか、実は、誰も知らない――。妻子を連れて地元の町にUターン就職し、町一番の工場に就職したアルト。完璧な管理システムを持った工場は、町民の誇りと憧れの存在だったが、アルトは働き続けるうち、徐々に工場の“秘密”に気づきはじめ――。閉鎖的な企業城下町を舞台に、現代日本を照射するSF長編。【目次】第一章 新入社員/第二章 鑑定士見習い/第三章 熟練工/第四章 新入社員、その後/第五章 新人鑑定士/第六章 パンデミック/第七章 お尽くし
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年07月02日
読みやすい背景描写だったが、また違った世界観で流されて生きている人とこの働き方?製品は間違っていると言う人の生活模様。日本の中の一つの国、この中でしか通用しないお金、価値観、他者を受け入れた事からひずみが起き、波紋が広がるが汚染によって人々が散らばり、また集められ信奉者はまた戻って疑問も持つことなく...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月13日
面白かった!
最初は宗教臭のする街の気味悪さから引き込まれ,何をつくってどのように街が動いているのか考えさせられ,そしてP1とは一体何なのかを探るようになっていた.それら全てを含めて,騙された.注目すべきはメビウスの世であり,自分は果たして自由なのか,それを自分自身に向けて疑問視する本だった.
この...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年09月16日
例えば、ある会社に勤めていて、ある日とんでもない大問題が発生する。
もう明日は来ないかもしれない、どうしよう。
なんて緊急事態は社内だけで、世間的にはどうでもいいことなのかもしれない。
近視眼的になりすぎて、世の中全体が見えてない。
だけどそれって、ある特定の組織だけの問題なのか。
世界...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年11月05日
生まれ育った街に家族とともにUターン就職したアルト。この街で唯一の大工場の生産ラインで働き始める。慣れないことばかりだが、面倒見のいい先輩にも恵まれ、家族も街に馴染んだかに見えた。
しかし、工場で何気なく発した一言が「緊急事態」を生み出す原因となってしまう。
妻も街に違和感を感じ始めた。
それでも...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年04月12日
P1と呼ばれる製品を作る工場が全てを支配する街。そこでは工場が管理する電子マネーで暮らし仕事も「奉仕」と呼ばれる管理社会。それは宗教などによる単一価値観の社会を思わせる。
また「20世紀少年」を思わせる部分もあり楽しめるがオチもまた20世紀少年の様に中途半端というか曖昧さを残す。
もう少し収集をつけ...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月04日
近未来SF
最近話題の村田沙耶香さんと近いジャンル。
少しだけ未来のあり得そうだがそうなったら怖い世界を描く。
ライトノベルの軽い内容だと思って読んでいたけどなかなか深かった。
町を作った意味も仕組みも最後には判らないが政府や組織の上層部の発表をそのまま信じて良いのか、疑問を持つべきなのてはないのか...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月22日
自分たちの総意であるかのように錯覚させられて、実は全く別の誰かによって、コントロールされている。メビウスの輪のように、わざとねじれを作り真実を覆い隠し、大きな欺瞞の歯車の小さな歯車となって滞りなく回り続ける人々。何も見ず、何も考えずに歩き続ければ、平坦で歩きやすい道がどこまでも続く。足元を一旦見つめ...続きを読む
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