三崎亜記のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレたった一つの製品を生産する企業に支配された町のSF小説。
作者らしい世界観、キーワードで拘束感を盛り上げてくれます。
後半はその世界が欺瞞に満ちていることに気付いた人々がレジスタンス的に行動しますが、作者得意のジワジワ感ではなくサスペンスアドベンチャー的ですが、転がるような展開は面白かったです。
ただ、落ちとしては不条理感が前面に出て、何がなんだかすっきりしない感じでした。
他の物語との繋がりがあるかなと思いましたが、そうでもないようです。
結局「P1」って何?「ME創研」って何?という疑問のみが残りました。
やはり作者は短編や短編を基に膨らんだ長編の方が面白いような気がします。 -
Posted by ブクログ
7種類の短編
二階扉をつけてください
世にも奇妙な物語でありそうな話、コミカルでテンポが良いです。
しあわせな光
ほのぼのしてますが、職質されないように!
二人の記憶
記憶は曖昧なものだけど・・・
バスジャック
バスジャックが娯楽として認知されてる世界!物語の造りは同作者の『となりまち戦争』のようです。
雨降る夜に
こんな来客が居たら雨の降る夜も楽しいでしょうね!
動物園
超能力もの!こちらは同作者の『失われた町』が思い出される。続編希望!
送りの夏
母が失踪、そんな母に文句を言ってやろうと娘が母を追い掛ける。追いついた先では人形のような人達と暮らす住人が居ました。 -
Posted by ブクログ
自分たちの総意であるかのように錯覚させられて、実は全く別の誰かによって、コントロールされている。メビウスの輪のように、わざとねじれを作り真実を覆い隠し、大きな欺瞞の歯車の小さな歯車となって滞りなく回り続ける人々。何も見ず、何も考えずに歩き続ければ、平坦で歩きやすい道がどこまでも続く。足元を一旦見つめれば、自分がねじれた空間にいることに気づいてしまう。気づいてしまえば、ねじれた部分から振り落とされてしまうだけ。だから、人々は、目をつぶる。そうすれば、足元がねじれていることなど気にかけることもなく、元の通りに平坦な道を歩くことができる。見ないフリをすれば少なくとも平穏に日々を送ることができる。目を
-
Posted by ブクログ
巨大な企業が支配する、極端に閉鎖的な街が舞台。外界との交流も制限され、小さな世界で何の疑問を持つこともなく暮らしている人々の生活に、少しずつ亀裂が生じてくる。
何を作っているのかもわからないまま、工場で真心を込めて作業にあたることが美徳とされ、素直に恩恵を受けることが強要される。全体主義の社会では、日々の暮らしも通貨も価値観さえも、独自の基準で統一されている。
正体不明の中枢によって情報が操作され、すべてを支配されている様は、まるでどこかの社会主義国家のよう。
本当はねじれているメビウスの輪の上を、何も考えずに歩き続けること、気づかないことが幸せという、そら恐ろしい世界だ。
非常事態には得 -
Posted by ブクログ
そこかしこに「喪われた」何かが存在していて、本当は読んでいてしんどくもあった。
影を失った男の話もそうなのだけど、見えないタワーであったり、活気を失った町であったり。
そうしたモチーフが、三崎亜記らしいシステムで彩られていくといった感じ。
ただ、他作品との大きな差というのは見られないようにも思う。
喪われた人々は、こちら側の人々には見えても、触れることが出来ないというシチュエーション。
それは、思い出とか、幻想と呼ぶにはあまりにも生々しくて切なくなる。
けれど、いつもこの三崎亜記的消失が、いつか自分にも起こるのではないか。
いや、既に消失しているのだけれど、そのことに気付いていないだけなの -
Posted by ブクログ
ネタバレ架空のスポーツ「掃除」に情熱を傾ける男子高校生の物語です。
現実にはありえないものをあるように思わせるのが作者の持ち味ですが、中短編では控え目なこの表現力を全開にしたらこうなるのかと、面白く読ませてもらいました。
内容としては青春小説の王道を踏まえ、多分にライトノベル的・少年誌的であり、その手の話に慣れている人間にはとっつきやすかったと思います。
ただ中盤以降の「修行」時代は、どこを目指しているのか分かりにくかったり、顧問の筋書き通りに動く展開が繰り返されたりで、やや間延びしてしまった感もあります。
その点は作者がこのジャンルをまだモノにできていないことが原因なようで、今後に期待という