三崎亜記のレビュー一覧
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数年前「武士道シックスティーン」を読み、「おっ、青春スポーツモノいいかも?」と続けて購入した一冊
で、やっぱりオッサンには青春ものキツいんじゃないか…と不安になった。
元々、三崎作品が好きなので抵抗なく読めるかと思いきや「青春×スポーツ×三崎ワールド」に馴染めず、また続けて同じジャンルを読むのも良くないかと思い止める。
それから数年経ち再挑戦
スポーツとしての「掃除」が存在する世界で、高校の「掃除部」として活動する少年が主人公
この「掃除」がクセモノで…
部屋の掃除とは違い「塵芥」と呼ばれるバトミントンや羽子板の羽のような物を「長物」と呼ばれる箒のような物で空中に巻き上げ技術を競う競技( -
Posted by ブクログ
ファンタジーほどまで飛ばない
日常をズラす三崎ワードの短編集
「終の筈の住処」
「ニセモノの妻」
「坂」「断層」の四篇
「終の〜」実は、これに似たような現象
(同建物内で周辺に一切居住者が居なくなる)に遭遇し、なんだか怖さが強まる。
なにより主人公の職場の先輩の立ち位置が怖かった。
「静かな戦争」であるマンション建設反対運動が出てくる。
「ニセモノの妻」自分がニセモノなんじゃないかと言い出した妻と本当の妻を探す話。
何がニセモノでホンモノなのか曖昧なところをどう捉えるか?
読み終えて、いつ入れ替わっているのかも分からない自分の妻を観察する。
「坂」坂ブームという三崎作品ぽい
「ないない -
Posted by ブクログ
「となり町戦争」の前日譚も収録されているが、そちらよりは表題作の方が良かった。(ぼんやりとはしている)
A町に住む女性が主人公、隣のC町との市町村合併が「乗っ取り」なのではないか?と言う噂を友人から聴き、ネット上での「合併反対派」の動きや、デモ活動(お散歩)について知っていくうちに、何が真実なのかがわからなくなっていく…
情報操作、印象操作の攻防、切り取られた報道、怒りが長続きしないとか、ネット上だけ=仮面をつけた人達のこと、など
Twitterやってることで、より身近に感じる事がテーマ
そして静かな「目に見えない戦争」と言うテーマはとなり町であれ遠くの国であれ無関心な意識のこと
そう -
Posted by ブクログ
ネタバレ3
終着駅として鉄道と共に発展してきた静原町。衰退、再興を巡り、町民や元町長、駅長等各登場人物の視点で話が進む。三崎ワールド全開で今回も設定がなかなか。隧道と呼ばれる生きた闇のトンネル、影なき者、見えないが「ある」タワー、鉄道原理主義者。設定に慣れるのに時間がかかるが入っていくと町の興亡に揺れる人々の姿が見えてくる。町の未来を考え、清濁併せ飲む町長の姿にリーダーとして強さと辛さを感じた。町長の犠牲と残された町民の決意の上に町は発展する方向に。駅に捨てられ駅に育てられたという天才丸川も頭がよくカッコいい。
全ての立場の者が納得できる、不満のない落とし所など存在しない。状況を冷静に見極めたなら大