乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
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幽霊
待ちわびて
スケッチブック
引き金
再会
キツネ
はなむけ
全7話
色々な夫婦関係、さまざまな親子関係、
多種多様な家族の中で生じる家庭内の悩みや
争いごとを調整し、解決に向けて手を尽くす
家裁調査官たちの物語。
1話毎にタイトルの『涙の雫』が伝わってきて、
頬に鳥肌が立って胸が詰まりました。
生きた人と人が関係して起こる争いなので、
各人の主張が真っ向から対立していて、
相容れないものや理不尽に感じるものには
腹が立ち憤りを感じて怒りの感情が湧きます。
通じない言葉にはもどかしさが募り、
諦めや悲しみの感情にも深く共感してしまって
脳の疲労を緩和させたくなりました。
嘘 -
Posted by ブクログ
久しぶりの乃南アサ作品。
「音道貴子シリーズ」が好きで、久々の警察物、それも女性刑事ものということで期待して読んだ。
だけど、音道シリーズが事件8:主人公の内面2くらいの比重だったのに比べ、この作品は事件3:女性刑事の内面7くらいの比重で、あまりにもサラッと事件が解決しすぎるし、2人の女刑事の内面重視の感じが期待外れだった。
カメラアイを持つ見当たり捜査班の川東小桃と広域捜査共助係の佐宗燈、2人の刑事の、離婚や介護など私生活の問題をメインに据えた物語。
燈の考え方には納得がいくし応援もしたくなるけど、小桃の自分本位で身勝手な考え方や振る舞いには全く同情もわかず、小桃目線のパートはかなりイラ -
Posted by ブクログ
高木聖大という警察学校の卒業配置として警察署に配属された人物が主人公の一種の成長物語。
特に正義感もなく、なんとなくお仕事として警察に入ったという感じで、お調子者でいろいろやらかしてしまうのだが、何となく憎めないヤツ。別の交番に配属された正義感あふれる同期の三浦と手柄を競い合いながら、少しずつ成長していく姿が描かれている。3歩進んで2歩下がる、時には1歩進んで2歩下がることもあったりするのだが、人間臭さが全面に溢れている。
最後は大きな事件が起こるのだが、それまでは小さな事件はあるものの全体的にほのぼのした感じで話が進んでいく。
舞台は警察だが、警察小説の緊迫感やスピード感とは無縁とも