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Posted by ブクログ
結城充考さんのクロハシリーズで、女性刑事が主役の作品にハマり、乃南アサさんの音道貴子シリーズを知って、もうすぐ三年。
あえて一気読みをせず、たまに読む音道貴子シリーズは、空いた時間の長さだけ貴子と滝沢の再会に懐かしさを感じ、色んな感情を引き連れて楽しんだ作品です。
そんな音道貴子シリーズも2025年時点の既刊作で最後となる『風の墓碑銘』を読み始めました。
概要です。
都内の小さな工事現場から顔を出したのは、日常で目にすることは珍しい数体の白骨死体であった。
所轄署を転々としていた音道貴子と滝沢保は不可解な事件の謎を解くため、またバディとなって都内を歩く。そこで出会った奇異な過去を持つ男に、ベテラン刑事二人は何を感じたのか?
感想です。
プロローグの衝撃は、一作目『凍える牙』の人間発火を思い出しました。また音道と滝沢の心の声も懐かしく、三作目『鎖』の過去を乗り越え、どこまで二人は下巻で活躍するのか楽しみです♪
Posted by ブクログ
タイトルにもなっている音道貴子とは、『凍える牙』以来、久しぶりの再会となる。滝沢とのコンビもどうやら健在のようである。
本編は上下巻に分割されているから、上巻だけでは事件の全貌はまだつかめない。むしろ滝沢と音道が、互いに相方をどう感じているのかという描写を楽しませてもらった。互いが相手を評する言葉は、しばしばとても手厳しい。しかし、その厳しい言葉は互いに相方をリスペクトしている、というところが根源的にあり、それゆえの評言だと感じる。そう思わせる書き方は、著者乃南氏の面目躍如たるところであろう。
上巻においては、二人の捜査範囲はまだ限定されているが、物語の進行速度はとてもよい。つまり読みやすいスピード感で、つい物語に引き込まれる。音道と滝沢の心理描写と本筋である事件を巡る物語の量的バランスもいい。
乃南氏は人間を描くのがとてもうまい。登場人物は、主人公の刑事のみならず、一人とて手抜かりなく、緻密に描かれる。読み手は、おのずと自身もその場にいるかのような臨場感を持って読み進めることができるだろう。
滝沢にせよ、音道にせよ、互いに男あるいは女であることを意識しすぎているきらいはあるが、そのキャラクターが二人の掛け合いを、さらには音道シリーズの一連の物語を成立させている要因であるともいえる。下巻に続く二人の掛け合いを楽しみたいと思う。
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