乃南アサのレビュー一覧
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90年代前半、つまり平成初期のバブルピークと思わしき東京が舞台。現在から約30年前、つまりちょうど1世代前の話。
携帯はあるがポケベルもまだ現役。ローバーの乗用車が高級車として販売されている。水商売の女性はタバコを吸い、飲酒運転も一般的。インターネットはなく、メジャーなプロスポーツはプロ野球と大相撲。30代半ばから40前後の主要登場人物は1955年〜60年ごろに生まれている模様。PCは存在しているが、30代以降のおっさんにとっては面倒なものの模様。東品川と鮫洲の間のシナネンのゴルフ練習場がマンションになる前の時代。
インターネットと携帯の普及によって、情報伝播の経路や、仕事の進め方がこんな -
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6月19日に結婚式を挙げることになっていた池野千尋は、交通事故で記憶をうしなってしまいます。彼女は、道端で倒れていたところを前田一行という男に救われ、彼のもとに身を寄せます。そして彼女は、わずかな手がかりを頼りに記憶から消え去った自分の過去をさがし求めます。
やがて彼女は、新宿のクラブ「柚子」でホステスとして一年間働いており、原田というエリート・サラリーマンを手玉にとって、6月19日に結婚式を挙げる予定だったことを知ります。ところが、彼女は結婚式の直前に杉崎という別の男とドライヴに出かけて、その途中で事故にあって記憶をうしなったのでした。彼女が自分を裏切って他の男と会っていたことを知った原田 -
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女刑事音道貴子シリーズ第6弾。「凍える牙」「鎖」に続くシリーズ3作目の長編。
今回は再び音道刑事と滝沢刑事がタッグを組み、事件捜査に当たることになった。
前2作は割と短期間の展開だったのでストーリー自体がスリリングな様相を呈していたが、本作は事件の内容上、割とゆっくりとした展開になっている。それだけにお互いが今までどのように思ってきたのかも描かれており、信頼関係を垣間見ることができる。
上巻はあまり進展しない事件捜査について描かれているが、最後に音道がフッと思いつきを口にする。そこから一気に進展する予感をさせたところで下巻に引き継がれている。