【感想・ネタバレ】暗鬼のレビュー

あらすじ

両親、弟妹、祖父母に98歳になる曾祖母。いまどき珍しい8人家族に嫁いだ法子を待っていたのは、緑あふれる広大な屋敷、何不自由ない暮らし、家族全員の歓待と、心の底から自分を大切にしてくれる夫だった。しかし、近所で起きた心中事件に家族が関係しているという疑念を抱いた法子は、疑心の闇にはまっていく。家族みんなが何か隠している。そして私を殺そうとしている──これは私の妄想なの!? やがて暴かれる、呪われた血の絆で結ばれた家族の真実とは!?

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Posted by ブクログ

ぞわぞわと不気味な恐怖が走る。洗脳ってこんな風にされていくのか…という初めての体験。
元々この家で生まれた人はどのようにして育ったのだろう…そこも読んでみたくなった。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

「ウツボカズラ…」と真逆なシチュエーション。
家族ってかなり閉鎖的なもので、その中で何が起きてるなんて本当分からないものだ。
日本での殺人事件の大半は家族内で起きてるっていうし。拗れたら拗れ切れてしまうのだろう。
だから
志藤家は呪われた家族というよりは、大ばばちゃん率いるカルト集団て感じ。
振り返れば公恵の言葉…結構ヒントくれてたんだな。

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2021年07月01日

Posted by ブクログ

暗鬼って疑心暗鬼の暗鬼かと読んでから気付いた。
最初は秘密を隠した家族モノのミステリーなのかと思って、この家族の言動にはどんな背景があるのか気になってワクワクしながら読み進められた。秘密の部分は期待してた形ではなく、そっちの方向はやめてくれと思ってしまったが、勢いそのまま最後まで読んでしまえたので面白かった。
家族って小さいカルトですよね。結婚して子供が産まれてからなお実感。。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

タイトルは疑心暗鬼の『暗鬼』…この言葉は、妄想からひきおこされる恐怖心。 実際にはないことを、あると思ってこわがる気持、とのことだ。これだけでも何だか引き込まれていた。

主人公の女性が親子四代、総勢8名の大家族に嫁ぐところから、物語は始まる。この家の嫁として早く溶け込みたいと張り切る主人公。

が自分に優しい、いや優しすぎる?一見温かく理想的な家庭。しかしの裏に潜む奇妙な違和感がある…効率的だからと、義母や義妹と一緒に風呂に入らされる。絶対的権力を持つ『大ばばちゃん』と呼ばれる98歳のひいお婆さんが君臨している。
この家は何だかおかしい?それとも私が間違ってるのか…主人公は疑心暗鬼に囚われてゆく。

今の世の中では男の偏見だと言われるかもしれないが、『嫁ぐ』という字は『家に女』と書き、女性は結婚後に夫の苗字を名乗り、その家の一員になることが当たり前と思われてきた。

しかし本来は、結婚したこと=相手の家に入ること、ではない事は、だいたい頭の中ではわかっているが、波風立てないように相手の家の風慣習に合わせようと努力するものだろう。

主人公も夫の家族に対する様々な違和感が芽生え、それが拭えないものの、だんだんと生活していくうちに、その家の慣習に、教義に、考え方に洗脳されていく過程が実に怖かった(ネタバレになるから、洗脳される過程は書けないが)
ラストは何とも言えぬ気持ち悪さと後味の悪さがある。

世の中にはここまで極端では無いものの、結婚相手の家になかなか馴染めずに、結婚自体を放棄して離婚する場合もあるだろう。そう考えてみると、事実婚だけで当人同士だけの問題で相手の家とは全く付き合わない方が気楽だし、うまくいく場合もあるよなあ。
『結婚』ってやっぱり難しい、ある意味ではそれは『賭け』のようなものかもしれない。
そんなことをふと思った…。

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

ドラマを見てるような感覚で、あっという間に読み終わりました。宗教に狂った家族のような、世間と違う価値観で生活してる人ってこんな感じなのかなと思いました。終わり方が違えば星5でした。

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2024年03月05日

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暖かい家族ばかりの裕福な家に嫁ぎ、誰もが羨む生活と思いきやどうも裏がありそうで。タイトルの暗鬼は疑心暗鬼の暗鬼か。その様子はまさに「ミッドサマー」抗わずに身を任せるのもまた一興。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

中村うさぎさんの解説で、「家族とは宗教」という言葉があってとてもぴったりだった。
カルトや宗教団体はこうやって出来上がるんだとも思った。
家族ってそんなに良いものなのかな?絶対的な絆って何?と思っている人におすすめ。

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

人間の恐ろしさが如実に描かれており、後味の引く気味悪さがクセになります。
重苦しい世界観ではありますがテンポが良く、また文章の作り方も巧いのでかなり読みやすいです。
人を選ぶ作品だとは思います。

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2021年12月24日

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怖い。こわい怖い〜って思いながら読んだ。昔は読み終わりがスッキリしないものは好きではなかったけど、怖さや気持ち悪さを楽しめるようになった。面白かった。

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2021年09月08日

Posted by ブクログ

後味の悪さが抜群。ぞわっとする怖さを楽しむ本。
途中までは法子の身を心配して読むけど、いつの間にか紀子まで「宗教」の一員になっていっている。
解説の「家族とは、ひとつの宗教である」とはその通り。カレシ家族の言動で理解できないことが多々あったけど、それは宗教が違うから、ということか。入信したくないなあ、カレシは好きだけど。

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2020年09月07日

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「家族とは、ひとつの宗教である。」

かつてこんなにも的確な解説文があったかね?
言わばこの全国至る所にある宗教団体に人は知らない間に属してて、信仰して崇めてこれがあたかも当たり前のように生きていくんですよね


「本当の家族になる」「立派な家族の一員になる」読み終えたらこの言葉たちが途端に鳥肌立つくらいには気持ち悪くて気味が悪くて綺麗な言葉なのに不気味。というのもこれは私がまだ結婚なんてしていなくて、無宗教だと思って今日まで生きていたからなのでしょうか。あらやだ「本当の家族」になれてないんだわ。

でもそうだよね、彼氏と結婚を考えている友人が言ってたんです「結婚って当人じゃなくて家族と家族が妥協して一緒になるもんだよね」って。それを思わず思い出しました。たった一枚の紙切れに名前を書く。それだけで知らずにこの宗教団体に入ることになるんですよ、今までは全く違った世界にいたのに。そうなったらもう親御さんだって「お相手のご両親はどんな人なの?」って聞くよね、違う宗教なんだもん。当たり前だ。そんなとこに自分の大事な子どもぶち込むんだもんね、そりゃ怖いし気になるよ。

やられたこともないけど洗脳ってこうやって少しずつじわじわとじわじわと進められていくんだろうし、それにすら気付かずに自分が幸せだと思って生きていくんでしょうね。それは多分本人にとって幸せなんですよ。でもね、でも私はどうももう「きっと、素晴らしいことがあるわ」って言葉が恐怖だよ

そうかこれが疑心暗鬼の始まりだったのかーーーーーー。

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2019年01月11日

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一つの家族のサスペンス。

東京・小金井の大家族の志藤家に嫁いだ法子。

夫である和人をはじめ、父・武雄、母・公恵、知的障害の弟・健治、妹・綾乃、祖父・松造、祖母・ふみ江、そして98歳になる曾祖母・エイの9人家族の一員となる。

法子は手厚いほど歓待され、順調に新婚生活が2ヶ月が過ぎた頃、志藤家の借家に住む本庄屋家が心中してしまう。

身寄りのなかった本庄屋にかわって、葬儀を取り仕切る志藤家であったが、深夜に法子以外の家族が密談の場に遭遇し、家族が事件に関わっているかもしれないと疑心暗鬼になる。

濃密な接触をする弟妹、不気味な曾祖母、花壇に生える怪しい植物・・・

徐々に狂気な家族に飲み込まれていく法子の運命は?


家族という形をこんなにミステリアス、グロテスクに描けるのは流石乃南アサ!という感じ。

一気読みでした。

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2018年11月15日

Posted by ブクログ

いっきに読み終わった。
テンポが良くて読みやすかった。途中で先が読めた感はあったけど、訳のわからない宗教とかにはまる人ってこんな感じで洗脳されていくんだろうなと思った。
まぁ小説だからあり得ない話だとは思ったけど只々気持ち悪かったなぁ。

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2017年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「嫁ぎ先の人々は異常なほど優しい。恵まれた生活。でも、殺される?!」と帯にありますが、ある意味殺されるより恐ろしい結末になってしまったかも……。途中からこれはホラー小説なんではないかと思い始めた

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2017年02月13日

Posted by ブクログ

うー、気持ち悪。が凄いものを見たという感想。
大家族に嫁いだ主人公が一家に疑念を抱き調査を開始するという、序盤は推理小説のような話を見せます。徐々に洗脳されていくというドロドロとした展開を見せ、主人公が人として壊れていく様が描かれます。最後には一家心中事件を含む謎はきっちりと回収されるので、ミステリーとして見るとスッキリしてます。
どの家族にも大なり小なりルールがあるとは思いますが、血が濃すぎる家族の闇を描いた様は恐ろしいの一言。

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2016年12月03日

Posted by ブクログ

大なり小なり、その家族にしかわからない常識ってあるなぁ。新しく、その一員となる嫁さんには洗脳に近い状態でようやく受け入れられるかもしれない。これは自分の経験からも。
中村うさぎさんの解説も良かった。救いのないモヤモヤとした読後感を言葉にして表現してくれた。

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2025年11月14日

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嫁にきて大家族で生活することになった法子は、明るく仲の良い家族には自分の知らない秘密があるのではと疑いはじめる。
疑心暗鬼からの題名だったのね。
なんだか設定に無茶も感じたけど、追いつめられる法子の様子が切羽詰まっていてハラハラした。
こんな家族やだなあ。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

サイコミステリー、ホラーとあるが、それほどでは無かったのである意味安心しました。
ただ、このような家族も昔はいたんだなあと歴史書を思い出しました。
主人公の心の変化が丹念に丁寧に描かれておりました。


親子四代、総勢9人という現代では珍しい大家族に嫁いだ法子。まだ他人の法子にとって、初めて知る大家族とは、暖かくお互いが理解し助け合う最高の絆であった。だが、ふとしたきっかけから、法子は家族の表面的な優しさの奥に潜む奇妙な人間関係、謎の多い行動に気付き、ひとり調査を始めた――。“本当の家族になりたい”と切に願う法子によって、次々と解き明かされてゆく真実の家族の姿とは……!?家の呪縛、血の絆まで描ききる本格サイコ・ミステリー。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とんでもなく気持ちの悪い話だけど、途中からラストが予想できて、さらにプラスで主人公の法子の友人、知美までも引き込まれるのはどうなんだろう。
まさにカルト宗教のやり方っぽい。
全員で法子を褒め殺し、からの罵倒。
にこやかかと思えば泣き落とし。
秘密を覗こうとして、蟻地獄へはまる。
純血を守る、血を濃く保つ、私たちみんなの子、って。
大きな事件も起こらないのに、気持ち悪くてページをめくる手が止まらなかった。
さすがの乃南アサ!

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2024年05月28日

Posted by ブクログ

2023年は小説を読んでいこうと思い、第一弾は乃南アサ。
彼女の作品は中高生の時にちょくちょく読んでいたけど、この本は初めて(祖父の家にたまたまあったので拝借)
大家族に嫁いだ主人公・法子は家族みんなに優しくしてもらい、不自由ない生活から幸せな結婚をしたと思っていた。
しかし、小さな違和感から疑心を抱き、友人にも相談しながら一家の調査を始めていく。
20年以上前の作品とはいえ、毒親や宗教といった今の時代にも通ずる内容。
巧みな心理描写に引き込まれて、ぐいぐい読んでしまった。
もっとも、メリーバッドエンドな終わり方で、読者としてはなんとなく小さなしこりが残る感じ。
でも、乃南アサってこういうテイストだったなと呼び戻される昔の記憶。仄暗い感じ?(全部の作品を読んでるわけじゃないし、読んだけど内容忘れてるものもあるが、ハッピーエンドの作品もあるはず)
この日本においても、表面化していないだけで実はこういった家庭はもしかしたらあるのかもしれない…。
読み終えた後は、結婚するのがちょっと怖くなる笑

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2023年01月25日

Posted by ブクログ

一見幸せそうな、しかし明らかにおかしい(かもしれない)家族に飲まれ、疑惑・諦め・憤怒、さまざまな形で自己を取り戻しては再び家族という宗教に振り回されていくお話。

同じような話がフェーズを経て繰り返されるので、長くない話でも若干の中弛みはあるように感じた。ただし、その分リアルで恐ろしく、自分も気が触れそうになるところが逆に良かったのかもしれない。

結部分、真実に辿り着く辺りから最後までの怒涛の狂気はなかなか他の本では味わえないかもしれない。

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2022年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

嫁ぎにいった1人の女性がそこの家族に洗脳、支配されるまでの話。

いつも明るく良心的な家族。9人もいる家族は誰一人としていじの悪い人がいない。そういう所から始まるが、氷屋家族の死亡と家族が関係あるかもしれないことを知った主人公が徐々にこの家族はおかしいと思いはじめる。

歩けないといっていたおおおばあちゃんが歩けていたり、話せないと言っていたおじいちゃんが話せていたり。家族同士が異常なほどに濃密すぎていたり。

結局は主人公も家族に飲み込まれて最後はとにかく気持ち悪い。

おじいちゃんおばあちゃんと思っていたのは兄弟でお母さんお父さんと思っていたのも兄弟で
とにかくこの一家の血を強く信じている一族。
あやのは氷屋の娘だったし、取り込まれたら最後。
もうこの家族から抜け出せない。

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2022年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ



毒々しい。
だんだんと毒が回っていく感じが気持ち悪い。
救いようのない主人公。ちょっとイライラしてくる。

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最後はやっぱり主人公も取り込まれたか〜。
友人にまで手を出すとは思わなかったけど。

洗脳ってこんなやってジワジワ追い詰めていくんだなと怖かった。褒めたかと思ったら蔑んでプライドずたずた。
ウシジマくんでも読んだけど、洗脳ってまず睡眠不足に陥らせるところからなんだな。怖。

そもそも何で主人公に白羽の矢が立ったんだろ。

最後の最後に家の中でみんなで狂ってた姿はゾッとした。

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2021年08月01日

Posted by ブクログ

親子4世代が住む大家族に嫁いだ主人公が、その家族の在り方に疑心暗鬼にかかりながらも、家族総出での飴と鞭の手法で徐々に洗脳されていくミステリー。

作中の家族の在り方は、もはや常軌を逸し過ぎているが、作品から受け取ったものは、生理的な気持ち悪さと、解説にあった【家族とは宗教】に尽きる。

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2021年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本家族版のミッドサマーだ!!!!!!と思った。(こちらの方が先だけど多分こっちの方がわかりやすい人もいるはず)

薬物売買、近親交配と洗脳で出来た家族に外部から血を入れる為に嫁になる主人公法子。
彼女が洗脳されるまでの本です。

いや〜な感じもあり面白かった。
洗脳方法に関して、尊厳否定から甘やかすが多いと思っていたので薬物が使えれば逆の手法もあるのかと興味深く読めた。

乱交シーンは最悪で最高だったな。最悪が煮詰まってる。良かった。

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2021年02月26日

Posted by ブクログ

大家族の暗部に焦点を当てたストーリー。
だんだんと日常が瓦解していく不穏な雰囲気が読み進める度に味わえました。

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2020年04月29日

Posted by ブクログ

乃南アサさんの作品は、ミステリもホラーも面白いので、余り選ばずに読んできた。
ところが、この作品は、表紙と題名からの期待がちょっと裏切られた感じだった。

見合いで気に入って嫁にきたが8人が同居する大家族だった。98歳の下半身が麻痺した曾祖母までいる。
が、夫を頼りにして入り込んでみると、揃って陰りのない笑顔で、まるで作り物のように笑いかけてくる。何をしても歓迎、喜んでくれる。常に皆が笑顔で褒めちぎられるなんてことなどあるのだろうか。それでも、不思議ではあるが、悪い気はしないで次第に馴染んでいく。
ただ、ときに不審な人物が曾祖母を訪れる。生活の智恵を授けているらしい。
しかし暫く暮らしてみると、大家族の家にしては、お互いになれなれしすぎる。障碍者の世話をしている姉と弟も関係が粘つく、性的なにおいがする。

夜、気がつくと、横に夫がいない。探しに出てみると曾祖母の部屋で人声がする、何か会議でも開いているらしい。その後歩いている曾祖母と祖父の後姿を見たような気がする。

寝たっきりの祖父の世話をする祖母は、普段は他人に触れさせたくないらしい。

考えれば、鬱々としてくる。と、家業の米屋と雑貨を売って繁盛しているらしい店を突然閉めて蓼科の別荘にいくと言い出した、一台車に押し込まれて全員が移動する。そこで奇妙な体験をする。

帰ると蓼科で儀式が済んだらしい、本式に家族と認められたことになり、すこし内情がわかってくる。ますます変ではないか、どこかおかしい。

そこで友人に相談する。招いた友人に家族はこれまでになく実に優しい。

庭で野草を育てている、見るからそれは薬草で、危ない作用をするものがある、曾祖母はそれで悩める人の治療をしているらしい。

店子の氷屋が全焼して、曾祖母のところに憂い顔で通っていた主人が焼死した。
これにもなんらかの関係があるのだろうか。

ますます疑念が深まる。

友人が庭の見学にと連れてきたは男が薬草に異常な興味を示したが、姿が消えた。


様々な出来事に気がつく、揃って愛想よく笑いかける家族の裏の顔がついに暴かれる。家族のおぞましい関係。
不思議な結びつきが暴かれたときは、いつか快い居場所になっていた。友人も引き込まれ新しい血が加わることになる。


生理的なタブーがじわじわと迫ってくるが、それが自然な流れに感じられるところが筆力か。
余りなさそうな、フィクションの世界であっても現実ばなれのしたテーマに、多少距離感を感じてしまった。

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2020年01月13日

Posted by ブクログ

両親に祖父母、曾祖母、弟妹の大家族と暮らす和人と見合いをし、その家に嫁ぐことになった法子。皆優しく何不自由ない生活を送るが、近所で起きた心中事件から、家族への疑惑が生まれる。
その疑惑は膨らむばかりだが、そのうちとんでもない方向へと向かっていく。
確かにそれぞれの家族にしかわからないこともある。そんなことがホラーになっている。
あとがきに「家族とは、ひとつの宗教である」という一文があるが、これを読み終わったら、頷ける一文である。
まだ嫁ぐ前の方にはオススメ出来ません…

2017.4.3

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2017年04月03日

Posted by ブクログ

後味が異様に悪い物語がある。
けっしてつまらない物語でもなく、悪い物語でもない。
ただ、本を閉じた瞬間に忘れてしまいたくなるような、そんな後味の悪さを刻み込む物語がある。
家族とはいったい何だろう。
百の家族があれば百の家族の在り方があり、正解などどこにもない。
幸せだと、家族が感じて暮していること
それが何よりの正解なのだと思う。
志藤家の家族の在り方。
物語なのだから、とは思う。
それでも、粘り気のある何かがまとわりつくような気持ち悪さがどうしても払いきれない。
そんな嫌悪感を感じてしまう物語だった。
歪んだ正義を突き進む者は怖ろしい。
ただひたすらに歪んだ道を突き進む者の中にこそ、鬼は棲んでいる。

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2017年02月17日

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