【感想・ネタバレ】女刑事音道貴子 鎖(下)のレビュー

あらすじ

貴子が目を覚ますと、廃屋に監禁され、鎖で手足を縛られていた。一方、行方不明の貴子を救出するため特殊班が編成され、かつて彼女と組んだ滝沢刑事も加わる。やがて犯人らの巧妙な現金奪取計画が明らかになり、貴子も犯人の中の女性を説得し、懸命に本部との連絡を試みる。が、特殊班はなかなか潜伏先に辿り着けない。ついに貴子の気力・体力も限界に――。傑作『凍える牙』の続編!

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どれだけの時間が経ったのだろう。
私は仲間に見捨てられたのだろうか。
いや、始めから仲間と思われていなかったのかも知れない。

音道貴子は限界を迎えていた。
自分を過酷な状況へ追いやったアイツと組まなければ私は警察を恨むこともなく、あの人と幸せな時間を過ごせただろうに…。

呪いのように縛り付けられた鎖は音道貴子の身も心も蝕んでいく…。しかし最後の一線を踏み留めてくれたのは、かつての戦友であった。

感想です。
本作は上下巻の長編で貴子の救出はまだかまだかと様々な感情を巡らせながら、ようやく読み終えました。読後は胸を撫で下ろす安堵と若干の苛立ちは残りましたが、これまでの音道貴子シリーズでも人情味を強く感じた素晴らしい作品でした♪

次回作『未練』も早めに読みたいと思っています!!

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2024年04月25日

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**「鎖」: 乃南アサの音道貴子シリーズに見る緊迫の物語と深い人間描写**

Audibleを通じて「鎖」上下巻を耳読みし、乃南アサの音道貴子シリーズの魅力に改めて引き込まれました。この作品は、読者を一瞬たりとも解放しない緊迫したシナリオと、複雑に絡み合う人間関係が特徴です。物語は、星野刑事の問題行動、堤健輔の自己中心的な振る舞い、中田加恵子の辛苦に満ちた人生といった、心をざわつかせる出来事で満ちています。

それにもかかわらず、物語の核となるのは、昂一の温かみのある人柄、滝沢刑事の団結力、音道刑事の揺るぎない意志の強さです。これらの光るようなキャラクターたちは、暗い展開の中で読者に希望を与え、物語を通じて強烈なカタルシスを提供します。

オーディオブックのナレーションもこの作品の魅力を一層引き立てます。一人の声優が見せる多彩な声色は、登場人物たちを生き生きと描き出し、聴く者を飽きさせません。そのため、物語に深く没入することができ、最後まで引きつけられます。

「鎖」は乃南アサの音道貴子シリーズの中でも、特に心理的な緊張感と人間ドラマが際立つ作品です。次回作への期待も高まる、非常に充実した読書(聴き)体験を提供してくれます。

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2024年02月26日

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最高に面白かった。
最後の最後までどうなるのかハラハラドキドキ。
滝沢刑事も出てきて懐かしさ満点。
乃南さん、さすがー!!

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2023年08月06日

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ネタバレ

 殺人グループに捕まり人質になった音道貴子、自分の持ってた手錠をされ鎖に繋がれ、レイプされそうになりながらも7日間生き延びた。殺人グループでありながら音道貴子を陰で支えた中田加恵子。最後に音道に元気を与えたかつての相方滝沢刑事。この3人の物語。エピローグで、音道の恋人昴一が元凶の刑事星野をぶっとばすシーンは溜飲をさげます。また、音道と中田の2人の間に芽生えた信頼関係がこの物語の先に光を投げかけています! 乃南アサ「女刑事 音道貴子 鎖(下)」、2003.12発行、文庫、再読。解説は川本三郎。

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2022年06月13日

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最後までドキドキした。
上下通して殆ど音道は監禁中。

音道だけでなく、犯人達も、音道を救出したい警察も鎖に雁字搦めになってるみたいで、身動きが取れない。ギシギシしながら話は進む。

能天気な星野はちゃんと最後までクソなセリフを言い放ってくれるし、警察を辞めるなんて選択肢1ミリも考えず、「え?なんで僕が辞めなきゃなの?」なんて言いそうだ。

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2021年12月06日

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音道貴子刑事シリーズ、
はらはらドキドキした。くじけない強い精神に
応援した
だいぶ前に読んでほとんど忘れてるけど
夢中になって読んだことだけは覚えてる。

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2020年01月12日

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後半、音道が限界に達しようとしている。滝沢がいい味見せます。テレビドラマでは高橋克実だったんだ。確かに。最低野郎は阿部力か。緊迫の籠城戦。読んでてもしんどいわ。

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2018年03月25日

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Rさまオススメ本の下巻。
昨夜から一気読み!続きが気になって止まらなかった。
ずっと縛られてて、なかなか助けも来てくれなくて、ほんとにもどかしい思いをしましたが、
この苦しいところを読みきった分、最後の爽快感がたまりませんでした。

滝沢さんが必死に助けようとしているのに、なんであのおやじなの?ってところはちょっと切なかった。もっとちゃんと見てあげて!という感じ。
星野は最後までほんとに大バカ者でサイテー。最後はスッキリ‼️

早くちゃんと立ち直って普通の生活を取り戻してほしいと思いました。
乃南さんすごいなぁ。

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2017年10月06日

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ネタバレ

音道刑事がこんなに酷い目に…
かなり長い本だったけど、気になってぐいぐい読んでしまった。
滝沢が音道のために必死になる姿、音道が辛くて限界寸前な感じ。息をのむ展開だった。
しかし星野がひどすぎて本当に憎しみが芽生えた笑

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2025年10月01日

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女性刑事・音道貴子シリーズ第四弾。後編、384ページ。前後編と長く続く監禁シーン。音道刑事の心も折れそうになる。早く救出をと、ページをめくる。救出シーンでは思わず涙が出てきた。

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2025年01月05日

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犯人が立て篭る建物を見つけるところまでは面白かったが、その後の説得交渉などが現実っぽくてスピード感がなく、ちょっとだるかった。

新宿鮫みたいにパッと行かないものか

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2024年07月30日

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シリーズ物なので買った一冊。

拉致された刑事の話

事件が解決するまでスピード感はなかったが、緊張やドキドキが続いた。

あの気の強い主人公がだんだん心が折れて行く様子がちょっとショックだった。
そして怒りの対象がだんだん犯人から自身の仲間にまで移って行く様子は、なんとなくわかる気がする。

主人公と元相棒の信頼関係は感動した。
この信頼が主人公が心折れるのを食い止めたと思う。

主人公と元相棒がまたコンビを組んで事件解決してくれないかなと思った小説でした。

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2021年12月03日

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音道貴子貴子シリーズの2番目の長篇。4人の惨殺事件で貴子とコンビを組むのは捜査一課の星野。こいつがとんでもない食わせ者だった。貴子に告白し、断られるととことん無視。挙句は一人で捜査させてしまう。
そして貴子は犯人グループに拉致されてしまう。
ここから警察の長い戦いが始まる。まず貴子がどこにいるかを地道な捜査で割り出していく。熱海にいるとわかってからは、どの建物にあるのかを一件一件潰していく。その捜査員の中には「凍える牙」の滝沢も懸命に立ち向かっていた。
その間貴子の拘束生活も緊張の連続。息を呑む展開に上下巻一気に読み上げた。

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2021年04月24日

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緊張感が続く下巻だった。
音道刑事の心情の揺れ動きがヒシヒシと伝わってきた。
犯人グループの中のかなこがキーパーソンであり、この作品に厚みを持たせている。
人の心の弱さ、強さ、そして人との繋がりの持つ力を感じられた。

これまでの活動で性別の壁を越え、仲間との信頼関係を築いてきたのは彼女の努力と賢明さからだと思う。
これからの活躍も見ていきたい。

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2020年08月18日

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 犯人の潜伏先(音道の監禁先)特定から事件解決までを描く下巻。
 タイトル「鎖」には、音道刑事自身が鎖に繋がれて監禁されていたという意味合いがまず読み取れる。しかし、それとは別に、本作では人と人との切っても切れない関係というか、相互依存の関係というか、そのような人間模様が浮き彫りになって描かれているので、その有様がまるで鎖に繋がれているようと思わせる構成になっていると感じる。
 人は誰かに必要とされることで存在価値を認めることができ、生きる希望を見出すことができるということがよくわかる作品である。警察ミステリーではあるが、ミステリー要素よりも、そういった人間模様を如実に表現している印象が強く残る。

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2020年06月14日

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今作での鎖の意味として巻末の解説にもあるように、
物理的な鎖、運命の意味の鎖、親子の絆の意味の鎖、社会のしがらみの意味の鎖など
様々な意味で用いられて、最初タイトルを見て重いなと思ったが、読んでみてなるほどと納得がいった。

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2020年01月31日

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絶体絶命の貴子のピンチを救ったのは「凍える牙」でコンビを組んだいけ好かない中年刑事。
最後まで手に汗握るストーリーでした。
「凍える牙」を読んでからでないとこの面白さは伝わらないと思う。

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2019年01月02日

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面白かった!途中から感情が溢れてくるのが止められなかった。感動と爽快感。
加恵子の肉親の反応がとても現実的で、それ以上の情報がないところが自然で良かった。そこで無理矢理に感動的なクライマックスに持ち込むことができたが、読者に情報を与えすぎないところが現実的で安定感がある。また、星野への報復も意外とあっさりしていて、その後の星野や加恵子と肉親、加恵子の判決、井川が息子に言いたかった事など、どうなったのかもっと知りたいと思ってしまうところが、著者乃南アサの凄さだろう。
貴子は毎回、困難と悲しみと苦しみに立ち向き、つい重く暗くなりそうなストーリーなのだが、そこには必ず小さな希望や幸せや喜びが探せばある。それはわたしたちの日常がどんなに満足のいかないものでも、探せばそこには小さな幸せがあるものなのだろうと思わせてくれる。

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2018年08月22日

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女刑事の代表格といえばこの人。

乃南さんが描くところの音道貴子だ。
音道シリーズの中では、この作品が一番好きだ。

刑事として、女として、そして人間として、極限まで追い込まれた中で、救いの手をひたすら待つ。そんな音道を、かつてコンビを組んだ滝沢ら、特殊犯のメンバーが探し求める。

人質となった音道側と滝沢側が交互に描かれ、緊張感を保ったまま、最後まで一気に読ませる。

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2017年09月04日

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いまや寂れゆく熱海の廃屋旅館に監禁。
本作「鎖」というタイトルにこめられた意味とは、と考えると、作者なかなか…と思わされてしまう。

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2016年12月11日

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下巻はまるっと監禁された貴子の犯人たちとの駆け引きや、救出作戦でした。もう限界に近い貴子も、助ける方の滝沢も、私も焦れに焦れました。下巻のクズは堤と加恵子の育ての両親でした。まさか、彼女にあんな壮絶な過去があったとは……。無事に救出されると判っていても、やはり、その場面ではほっとして滝沢の不器用な優しさにもニンマリ。次の巻からは昂一さんの出番ももっと増えるといいなあ。

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2016年05月18日

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「凍える牙」のような本来の刑事ものらしい躍動感ある追跡劇とは裏腹に、囚われの身という閉塞感や籠城する犯人に声を押し殺しながら少しづつ接近していく描写に息が詰まる思いだった。 次の音道刑事にも早く会いたいね。(。^_^。)

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2023年04月29日

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女刑事音道貴子シリーズ。
監禁された音道貴子に対し、犯人の仲間の女性中田加恵子はだんだんと心を開き始める。
中田加恵子の数奇な人生、音道貴子は最後の力を振り絞る。

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2022年11月28日

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貴子の心の表現が乃南アサさんらしくて良かったが、鎖に繋がれてからの人質のところが長くて、もっとテンポ良く展開してたら楽しく読めたかな。

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2022年07月16日

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「凍える牙」で印象的だった音道貴子刑事の活躍、長編第二弾。

本編も事件に取り組む時の相方刑事のキャラクターがくっきりと描かれている。
が、とんだことになってしまう原因がその相方のキャラクターでもある。

どんな相方か。
悪い印象ではなかった。

『切れ長の目をわずかに細め、意外に人なつこい様子で』気軽に話しかけてくる、優しげな男。
女性に理解ありそうな…。うーんこれはもしかしたらうまくコンビが組めそう。
男社会の職場に一筋の光が…と期待が膨らむ。いい顔もする。

ところが、何を思ったか「バツイチ同士、付き合いましょう」ときた。
貴子はこの編では恋人もいるのに、当然、否。

だが、根にもつタイプだったから大変。
鼻持ちならぬ、エリート意識過剰丸出しでぐじぐじと。

険悪な事態。そうして事件の解決に難題が山積してくる。この男のお陰で。
でどうなったか、そこがお楽しみというか、お苦しみというか。

「凍える牙」よりはおとなしやかだが、どうしてどうして読み応えあり。

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2021年09月14日

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音道貴子シリーズ長編二作目。
何年か前に一作目の『凍える牙』を読んで面白いと思っていたのに、本作は表紙とタイトルから怖そうな話な感じがして(まぁ事件が起きるんだから怖いだろうよ)手を出せずにいた。

ハラハラドキドキでこれまた面白かった。
人物描写、特に嫌なやつの書き方が上手で、リアリティがある。
そして貴子のかっこよさ。ぐぅっと堪えることができる強さ。仕事に対する真面目さ。どれも魅力的だと思う。

上下巻の下巻は辛い描写も多かったので、楽しめるという点では上巻のほうが良かった。

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2021年05月29日

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内容(「BOOK」データベースより)
貴子が目を覚ますと、廃屋に監禁され、鎖で手足を縛られていた。一方、行方不明の貴子を救出するため特殊班が編成され、かつて彼女と組んだ滝沢刑事も加わる。やがて犯人らの巧妙な現金奪取計画が明らかになり、貴子も犯人の中の女性を説得し、懸命に本部との連絡を試みる。が、特殊班はなかなか潜伏先に辿り着けない。ついに貴子の気力・体力も限界に―。傑作『凍える牙』の続編。

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2019年11月05日

Posted by ブクログ

長かった……貴子を拉致した場所特定から、突入までが長かった。でも飽きずに最後までワクワク感が止まらず。嫌いな人を叫べ→『星野です』にヤッター!みたいな(笑)滝沢が貴子を思う気持ちと、貴子が滝沢を思う気持ちの温度差がw 昂一が良かったなぁ~~。次回作でシリーズ終わりみたいですね。貴子と滝沢、貴子と昂一が、どうなるのか楽しみです。警察内部が貴子を信じてくれる仲間意識にホッとしました。

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2019年01月20日

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上巻に比べるとやや読み応えがなくなったなぁと感じた。

下巻はもっとまとめることができたのでは、と思う。

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2017年01月30日

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ネタバレ

音道巡査が救出されるまでの捜査の様子・以前コンビを組んだ滝沢の心情、彼女の犯人グループと自分の属する警察組織の間を揺れ動く心が交差していやがうえにも緊張感が高まって来ます。
救出された後の滝沢とのやりとり・・やっぱり彼女は刑事だったんだと納得!それにしても滝沢の音道に対する感情が「-女にしておくのは、もったいねえな」とは・・・

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2016年09月14日

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