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小樽での子守奉公で初めて都会の暮らしに触れたとわは知床に戻り、森のなかでアイヌの青年と偶然再会する。しかし彼への恋心は胸に秘めたまま嫁ぎ、母となる。やがて戦争の足音が……。まだ遠くない時代に、厳しくも美しい自然とともに生きてきた人の営みを鮮烈に描き出した感動巨編。中央公論文芸賞受賞。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
小樽への子守奉公、奉公先の破綻で知床に戻り、切ないアイヌの成年との恋、そして結婚。主人公のとわは、懸命に家計を支え、子供たちも育てていく。そのさなかにも、悲しい出来事は次から次へのとわを襲う。生きること、生き抜くことの辛さ、政府主導の北海道開拓の現実、そして戦争。 主人公とわと乃南アサ作品『ニサッタ...続きを読む、ニサッタ』が連続性があることを、巻末の「解説」を読んで知った。
最後まで
北海道の開拓者たちの苦労をほんの少しでも知る機会ができて良かった。一気に最後まで読んでしまった。
必死に生きる。とにかく生きる。生きていくために丁稚奉公に行かされ、親の決めた顔も知らない相手と結婚する。そんな生活がたった100年前のこの日本にも確かにあったなんて信じられないくらい時代は変化してきた。自分の欲を出せるような状況が何一つなく、常に大自然の厳しい寒さと戦い続けなければならかった時代に生...続きを読むきたとわ。それでも私は、とわは幸せだったと思う。
3月30日~4月4日 小樽での子守奉公で初めて都会の暮らしに触れたとわは知床に戻り、森のなかでアイヌの青年と偶然再会する。しかし彼への恋心は胸に秘めたまま嫁ぎ、母となる。やがて戦争の足音が…。まだ遠くない時代に、厳しくも美しい自然とともに生きてきた人の営みを鮮烈に描き出した感動巨編。中央公論文芸賞...続きを読む受賞作。
知床を舞台に開拓民少女が過酷な自然、貧しさ、戦争を生き抜く 息子が小学生の時に自由研究でアイヌ文化を勉強していて、夏休みにアイヌを学ぶ旅で道東に行く前に一度読みました。 そして、知床半島の美しい知床連山と知床五胡に心を打たれながら、開拓民の壮絶な人生を思っていました。 再読し、また心に重く深く。...続きを読む 時代の流れと運命は受け入れ、その中で力強く精一杯に生きる、ということ
乃南アサの描き方がすごい。 読んでるうちに感情移入どころか、その本人になってくる。笑笑 わたしはトワです。って。なる。ホントに。 とわになって物語に翻弄される。 知床開拓に来た家族の苦労話、苦戦話なんだけど。わたしが動き出す。夫や家族、バッタ、冷害その他いろんなものに振り回されて、それでも家族...続きを読むを守らんとして必死に生き続けるそのとわやトワのお母さんになってる。読んでる間は完全になっちゃうのよ。わたしを一人ここに残して、完全に『あんにゃは我慢しすぎるけぇ』とか呟いちゃうから。 もう、本を読んでるこのわたしすらトワでした。笑笑 人生の落ち込み、浮き、そしてまた落ち込み、それで少しづつ年を重ねていくそのとわの人生を自分の体で再体験するようなそんな一冊です。 乃南アサがすごい。ホント。ここまで引き込むか。 物語自体はさほどじゃないんだけど、歴史を追うような内容なのに、何故かわたしの目の前に大量のバッタが登場したりするんだ。 これ、乃南アサマジック。 凄まじです。
最後まで暗い内容だった。終章で幾分明るくなったが。 大正から昭和、第二次世界大戦まで、北海道東部への入植者の苦労が描かれている。 暗いけど、面白く一気に読んだ。以前、吉村昭の赤い人という北海道樺戸刑務所の囚人が北海道開拓に一役をなしたという小説があるが、時代は赤い人より後になるが寒さ厳しき北海道東部...続きを読むの開拓本当に大変だったと思う。人間のすごさを感じるととともにそのような環境の中で、少しのことで幸せを感じるということに感動した。
奉公から戻ったとわは、初恋の相手と再会するも嫁に行くことになる。 自分の気持ちも殺し、親の言うままに生きていかなくてはならない辛さや寂しさが伝わってきて切なくなる。 やがて母となり、更に強く強くなるとわ。 地のはてまでやってきた幼子の頃から母になるまでの壮絶な人生は、涙なしでは読み進むことが難しかっ...続きを読むた。 2015.2.2
下巻も引き続き、 不運が続く。 ただ主人公が大人になってきたので、 子供のときのような周りに振り回されるだけではないから、ちょっと穏やかに感じる。 個人的にはアイヌの男性との恋物語が 気になったが、結末はなくても良かったような。想い出はそのままキレイであってほしい、私の願望か(苦笑)。 いい後...続きを読む味が残る大作でした。
大正の初期に知床の地に入植した一家の娘「とわ」を主人公にした一代記。「おしん」のオンエアは見ていないが、さながら知床版「おしん」と言った感じの苦難の歴史。 これが私の父と10歳程度しか違わない世代の物語とは到底思えない。 「生きること」を真摯に問う長編小説。
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