乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレさっぱりした結末で、読後感がよかった。
これまで深い恋愛をしてこなかった白馬の王子様を待つタイプの栗子と、自分が相手にとって望ましくない存在になっていると自責しやすい菜摘、実は栗子と似た経験をしていた栗子の母、離れた方が幸せなように思う山猿と離縁しない紘子、と様々な女性が出てくる。
栗子の幼さと、菜摘の青臭さ(カッコつけ)はまったく違うが通じるものがある。それぞれお互いにさらけ出せたのは幼なじみのなせる技なのかもしれない。菜摘のような性的マイノリティで幼なじみと続いている方は少ないだろうし、また菜摘とくったくなく接することができる(無知ゆえの偏見はあれど)栗子の組み合わせは稀有な存在なのではないかと思う。
また、紘子のような存在は初版から20年以上経ったいまでもいる。男性がいないと生きていけないと思い込まされている一部の女性は、現代でも存在する。
暗く描かれがちな不倫や性的マイノリティをさっぱりと描き(性的マイノリティが出てくるストーリーで誰も死なないのは貴重)、一方で女性の自立とは何なのかというテーマをさらっと残していく、ストーリーを楽しみもできるし深いテーマをじっくり考えることもできる幅の広い作品だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ罪を犯し、前科持ちになってしまった主人公と、同じく前科のある友人の話。読んでいる間ずっと、辛い気持ちでいっぱいだった。
刑期を終えても過去は消えない。いつか自分のことが世間にバレるのではないかと怯え、静かにひっそりと生活している。救いは自分のことを分かってくれる友人だけ。
あー、誠実に生きよう。人に後ろ指を刺されるようなことは絶対しない、とつくづく思わせられた。
それと同時に前科のある人への偏見を持ってはいけない、誠実に生きようともがき苦しんでいる人も大勢いるのだ、と思う。
とても考えさせられる本だったが、いつか主人公たちの前科のことがバレてしまうのではないかと、読んでいる間ずっと気が気ではなかった。それとお話の終わりが中途半端で、なんだこれ?と思った。もしかしてこの本の続きがあるのだろうか?
、、、と思ったらちゃんと続きがあるではないかー!しかも2冊も。
2. すれ違う背中を
3. いちばん長い夜に
気の休まらない時間がまだまだ続くのかなあ、とは思うが、続きが気になるので読むしかない。
登場人物の警察官、高木聖大が主人公のシリーズも2冊あるらしい。
1. ボクの町
2. 駆け込み交番 -
Posted by ブクログ
5話の短編集。
視点の違うそれぞれの立場からの母親を描いていた。
(「ビースト」はどっちだろう、、母本人かな、母となった娘を見たその母かな、、)
「セメタリー」なんか、題名だけで不穏だし不安感を誘うし、この息子の頭の花畑をどうひっくり返すのか、予想はできたもののきっちり落とす最後を読めたのはよかった。
この息子や、ほかの作品に出てくる娘は善良だとは思うけど、あまりに呑気。
気づかせないよう、“いい子”に育つようにしたのはその母親なんだから、なんとも皮肉。
こういう、“家族神話”がとっくに崩壊してる小説、このところ多くなったと思う。
いつもそうそう、そうだよなんで気づかないの?と思いながら読んでいる。
この短編集も、描くところは家族あるあるの話だと思うのだけど、乃南アサさんの文体が緊張感があり、全体のバランスがよいので読み続けてもしんどくならない。綺麗な文体だと思う。プロだなぁ。
乃南アサさん、やっぱりいい。昔、『凍える牙』を読んで揺さぶられた。内容覚えてないけど。ほかのも読まなくちゃ。
・セメタリー 息子視点
・ワンピース 娘視点
・ビースト 母親?その娘?
・エスケープ 娘視点
・アフェア 管理人視点
視点が違うとなにもかも、ぜんぜん変わるということをわかりやすく読ませてもらった。 -
Posted by ブクログ
この小説、平成3年刊の文庫化なんですが、こんなに面白いんだからもっと早くに文庫にして欲しかったなあ。などというと読者のわがまま?文庫化までの間隔って2~3年くらいだろうと思っているんだけれど。
結婚式まであと5日の花嫁が記憶を失って見知らぬ場所で目覚めるっていう「お約束」な始まり方ですが、そこからは一味もふた味も違う。主人公の心理描写が細やかで良いなあ。ミステリとしてもすばらしいと思う。
ただ、ひとつだけ文句をつけておきましょう。いえ本編ではなく解説になのですが。解説にいろいろと書きすぎです。まあ、ミステリファンが解説を最初に目に通すとは思いませんが。みなさん、本編から先に読みましょう。(あたりまえか) -
Posted by ブクログ
ネタバレ初作家さん
「マザー」という題名に 芦田愛菜ちゃんが小さくて、泣いているイメージが浮かんだのだが・・・・
母親だけど老親の娘として葛藤したり、
子を宿して妻の座を勝ち取ったのに子にうけいられなかったり、
我が家はいい家庭と子供は信じてたけど それは母の我慢のもとに作られていたり。
「母親として」とひとくくりにされてはたまったもんじゃない ブラックな立場
様々な母の有り様と事情が重すぎて ちょっと咀嚼できない話もあるけど
短編集なので乗り切れる。
元気な時に読んだ方がイイかも。
直木賞作家さんなので、次は受賞作の「凍える牙」読もうかな。