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*一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。最新作を含む珠玉のベスト短編集、第三弾*
さすが傑作集!どの作品も本当に読ませてくれます。
今回のテーマは「狂気の男たち」。
どの主人公たちも、一見普通で、目立たず、控えめで、自己主張がないように見えるものの、実は人一倍プライドが高かったり、こだわりが強かったりで、一筋縄ではいかない強者揃い。作中や読後に漂う不穏さ、お見事です。
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乃南アサさん「すずの爪あと」(2016.9)、短編傑作11話が収録されています。短編だけど読み応えがあります。さすが乃南さん。揺れる男と女の心理、なぜか幸せに着地できないすれ違い、そしていつも死の影が隣り合わせになっています。大地震で家族と別れてしまった雄猫のすずが、10年の放浪の末に再び家族に会えた「すずの爪あと」は思わず手を叩いてしまいましたw。学生時代の恋人と20年ぶりにメールで交信、癌に侵された男性の優しさを描いた「Eメール」秀逸です!「氷雨心中」は以前も読んでましたが、2度目に読んでも怖ろしい世界です。匂いを感じない男性と匂いに超過敏な女性の辿る道はどうなるのでしょうか「向日葵」です。
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乃南アサの第三弾短編集。表題の「すずの爪あと」は捨てネコが主人公。それ以外の短編は、人間が主人公。どこにでもいそうな、しかし問題を抱えた人たちが主人公。どの短編も、ラストに驚かされたり、ゾッとするような結末!?
読み応えあり
表題の「すずの爪痕」はヒューマンドラマ仕立てでほっこりしました。ネコが狂言回しの役割を担っていて、家族と離れてしまったものの、ラストで再会でき、本当に良かったです。レンタル家族も良かったです。ラストは主人公のおじいちゃんがいたずらしたことで、一波乱でした。
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どの短編も味わい深く読み応えがありましたが 「ふく」と言う名の猫の主人公の目線で書かれた「すずの爪あと」では心が温まるラストに感動。
歯科技工士とジュエリー・デザイナーの組み合わせが新鮮で 恐怖を覚える結末の「こころとかして」
タイトルと内容がぴったりマッチしていてとても良い。
夫婦の心理戦を描いた「寝言」
平々凡々だが心に凶器を持つ男を描いた「指定席」
最後までドキドキが止まらない「向日葵」「水虎 すいこ」
改めて読み直しても臨場感はそのままで以前と同じように楽しむ事が出来ました。
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乃南アサ短編傑作選 第3弾
・すずの爪あと
・こころとかして
・寝言
・僕のトンちゃん
・指定席
・出前家族
・向日葵
・氷雨心中
・秋旱
・Eメール
・水虎
「すずの爪あと」のみ小説新潮への執筆作品。
あとは氷雨心中、花盗人、団欒、悪魔の羽根、行きつ戻りつ。
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いきなり廃線となった能登線の珠洲駅が出てきて、鉄道ファンとしては嬉しい表題作。猫が主役だが心に爪あとは残らないほっこりした結末。それに気を許し、以降の短編を読み進めると毒のある結末に、気持ちが掻き乱される。「秋旱」で不倫と自由恋愛の狭間で揺れ動く女性の描き方が心に残る。書名に惹かれて購入したが、『新釈 にっぽん昔話』に続く2冊目の著者作品でベスト版を読み、何となく湊かなえのような作風なのかな~と感じ……次は傑作選ではない作品を読んでみよう。
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すずの爪あと/こころとかして/寝言/僕のトんちゃん/指定席/出前家族/向日葵/氷雨心中/秋旱/Eメール/水虎
心の奥に潜む暗く霞んだ物が浮き上がってくる。ホッとしたりゾッとしたりして本を閉じる。今度浮き上がってくるのはいつだろう‥‥
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外で時間調整をする予定があった日に本を持参するのを忘れたので、駅で購入しました。
乃南アサなら間違いないかな、と思って気軽に手にとったのですが、やはり良かったです。
あまりにもインパクトのないオチとか、あんまり好きじゃないのですが、ひねるがあるというか深みがある話もあったりして、読んだ甲斐があったなぁと思える内容のものが多い短編集だと思います^^
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乃南氏の文体は比較的好みなんだけど、
読み終わるまで随分時間がかかった。
女は性格が悪くて、男は女が描く女という感じ
まあこれはいつもか
ヒューマンホラーテイストな話が比較的多かった
イヤミス的な要素多数で好きなはずけどおもったよりも読み終わるまで時間がかかった
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どこかで読んだような…のオンパレードだった。期待していたので残念。問題集だと思って読むといいかもしれない。最初の数ページを読んで「このオチはこうこうでこうだ!」と予想し読み進めて「やはりな…」で読み終えてしまった。暗くて、性根が腐ってる人がたくさん出てきて嫌でした。
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内容(「BOOK」データベースより)
一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。不倫に倦んで故郷に帰った女が癒やしを求めたのは――「秋旱」。幼時の事故で嗅覚を失った男が、ある女と出会って――「向日葵」。かつての恋人に書き続けたメールの思わぬ行方――「Eメール」。すれ違い、交錯する男女や家族の想いを、美しい風物とともに丁寧に描き出した11篇。最新作を含む珠玉のベスト短編集、第三弾。