【感想・ネタバレ】いつか陽のあたる場所でのレビュー

あらすじ

小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃──。綾香が魚屋さんに恋してしまった! 心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。

3.7
Rated 3.7 stars out of 5
Rated 5 stars out of 5
Rated 4 stars out of 5
Rated 3 stars out of 5
Rated 2 stars out of 5
Rated 1 stars out of 5
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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

この作品を読む度に感じるのは、作者からの作品に対する愛情。必死に生きる芭子に地の文や登場人物たちを通して常に励まし、温かく見守っているように思える。芭子の俯きがちな人生観は共感する部分も多い。だからこそ、繰り返し読みたいと思ってしまうのかもしれない。
このタイトルもたまらなく素敵!

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

傷ついた人、傷つけた人、見守る人、裏切る人。
いろいろな人間の心の中。でも自分の心の傷と妙に共鳴してしまう。読みながら、自分の生き方を見直させてもらいました。

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2021年11月18日

Posted by ブクログ

中学生だか高校生だかで読んだ時もそれなりに泣いたような記憶があるけど、改めて、芭子ちゃんが道を違えた時の年齢になって読み返すと、嗚咽するほど泣いた。

家族にも縁を切られ、唯一の社会との繋がりであった仕事も辞めた芭子も、「独り」ではなくて。

お向かいのおじいちゃん、おばあちゃんが仕事を辞めたことに気がつき、気にかけてくれていたこと。
絶縁を申し出された弟から、これからの芭子の人生を想う手紙が送られたこと。
もちろんずっと支え合ってきた綾香の存在も、全てが温かくて、苦しくて。

ひとりでは生きられないことが、時に苦しくもあるけれど、やっぱり救いなんだなあと改めて感じた。


こんなにも芭子に共感して泣いたのは、私が芭子ちゃんと同じ年齢だからか、同じ3つ下の弟がいるからか、はたまた同じゴールデンレトリバーを飼っているからか。
なにがトリガーになったのかわからないけれど、一番はやっぱりわたしも「夢がわからない」ことかなあとおもう。

「普通のCDショップなどでは売られていないCDや、名前も聞いたことのない歌手が世の中にはあんなにも多いということを、芭子は、綾香から聞いた店を訪ねて初めて知った。スポットライトを浴びることなどなくても、好きな道を歩んでいる人が、こんなに多いのかと思うと、何となく胸のあたりがざわついたほどだ。」

テレビで自分よりうんと若いスポーツ選手やアイドルやらの活躍を目にしたりして、なんとなくちくっとしたり。
親戚やら身近な人が夢に向かって頑張っている噂を聞いて、ちょっぴり惨めになったり。

そんな経験はきっと誰しも少なからずあると思っていて。
まして7年間孤独に罪と向き合っていたら、「夢を見る方法を忘れちゃう」ことへも深い共感が持てた

けれどそんな芭子が、誰かに頼りにされたい、支えたい、そのためにしっかりしよう。と決めたように、とりあえずはわたしも「1人で立てること」を目指してゆっくり生きようかな。

このシリーズはこの1作しか読んでいないから、この先の芭子と綾香の人生が、きっと2人の満足のいくものであることを願って、また残り2作も読んでみようと思います。

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2021年08月30日

Posted by ブクログ

芭子と綾香という大人の女性のほのぼのしたやりとりに、親近感がもてた。
一方で実刑を受けた過去を持つことが、こんなにも生きる場所に影を落とし、生きるための自身の行動すら冷たくかたくしてしまう事に、なるほどと思いつつ、可哀想な仕方ない様な気持ちになった。
これでは更生なんて生半可な覚悟では出来るはずもないだろう。

あと2冊…いつか陽の当たる場所で 2人が明るく生活出来ている事を希望して読み進めたい。

それにしても…聖大のイメージが変わった笑

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2021年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

直木賞の凍える牙から音道刑事シリーズにはまり、そういうミステリーものかと思って手に取ったら、全然違う世界を見せられて魅せられてしまった。乃南アサさんの作品にはまってゆく。
本作は、前科者の女性二人が住宅街の普通の街に溶け込み日々普通にはたらき懸命に生きささやかでほのかに暖かい生活を営む物語。恋人でも友達でも家族でもない、強くて心強い関係があるんだな。
普通の暮らしを地道に真面目に送る二人の物語に、華やかではないけれど、素朴な魅力を感じられて最高。

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2018年03月25日

Posted by ブクログ

 心にも経歴にも傷を負った女性二人が前向きに生きていく道を探していく一冊です。

 主人公はとある罪で実刑7年、刑務所から出たら浦島太郎のような心地になっている女性。家族からも見放され、近所との付き合いに神経をすり減らし、何かにおびえながら過ごす日々の中で救いになっているのは刑務所で服役していた時に知り合った友人の女性との時間。上手くいったり、いかなかったりしながら、それでも前を向いていくために彼女たちは手を伸ばす。

 刑期が明けて出てきた、前科のついてしまった女性たちの友情を感じる一冊です。
 生きていくことは大変なことだ、と最近ことさらに感じますが、脛に傷を持つ人たちであればなおさらなのだろうなと思います。トラウマのようになっていることもあるでしょうし、どうしてあのとき、と後悔してしまうこともあるのでしょう。刑務所に入れられた人たちが全員が全員そのような感覚になるわけではないでしょうが、少なくとも主人公の彼女は苦しそうで。友人の彼女も、たくさんのことを飲み込んで明るくふるまっている。健気でいじらしく感じました。
 一度は捕まるほどの罪を犯したのだとしても、それでも、誰でも、自分が決めた時には前を向いて、明るい方へ向かって進んだっていいはずだ、と思います。

 少しだけ勇気をもらえるような一冊でもありました。
 解決しない謎が残る部分もありますが、実際の日常の中では解決されない謎なんてたくさんあります。それならそれで、いいのかもしれない。解決しても、しなくても、それでも日々は続いていくのだと感じさせてくれるお話でした。

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2024年12月15日

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タイトルに惹かれて読んでみた。

一度罪を犯した人は刑務所でしっかりと罪を償っても簡単には世間に受け入れてもらえない。
前科があることを隠してひっそりと生きる芭子。
危なげで読んでいてハラハラした。
同じ過ちを犯してしまわないかびくびくしながら生きている。
『いつか陽のあたる場所で』何も気にせず思いっきり自分らしく前を向いて生きられたら。

この先どうなっていくのかな。
『すれ違う背中を』と『いちばん長い夜に』。
続編もあるようなので読んでみよう。

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2024年11月17日

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前持ち二人組の第一作目。

読み始めたのは三作目から。三作目で出た警官や家族との関係が明らかになり、バックキャストで読んでも面白い。

整骨院でのバイトや隣人との関係。詐欺に会うなど苦労しながら進んできた事がわかる。でもどこかホッとする作品

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2024年07月30日

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音道貴子シリーズ以来、しばらくぶりでの乃南アサさん小説。

これもシリーズということですが、警察に捕まってしまったほうが主人公の二人とは、意表を突かれます。ひとりは殺人、他は昏睡泥棒の罪!!しかも刑期を全うして社会復帰中という設定。逮捕歴を他人に秘して、谷中という古き良き時代の下町風情での生活。

ぶっちゃけ更生生活…。どうなることか、でも、そんな緊張感ある日々をさらりとまじめかつ、哀愁をこめ、ユーモアぶくみによく描けていますので、二人に感情移入バリバリです。乃南アサさん、ほんとうまいですね。

シリーズ2~3が楽しみに。こういう時、遅れて読むのは利点があります。すぐ続きを読めますから。

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2023年11月13日

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連作短編だった。主人公が歳上の女性と2人で助け合って生きる話。わりとハートフル。読後感がよい。社会で生きていると、こういうお節介に困惑したり、ご厚意に救われたり、噂話や無意識の差別意識に傷つけられたりするなあと思った。

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2023年07月30日

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感想
温い家の中。罪を犯しても帰る場所はある。地域がそれを受け入れてくれれば。そして友人がいれば。現実は厳しくてもお天道様は照らしてくれる。

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2023年03月02日

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マエ持ち女二人組シリーズの第一弾。
小森谷 芭子、29歳、裕福な家庭で育ったが、ホストに入れ上げて、強盗剤で7年服役して出所。
江口 綾香、41歳、夫からのドメスティック暴力に耐えかね、幼い子供を守るために夫を殺害、殺人罪で5年服役して出所。
このでこぼこコンビが、東京の下町・谷中でひっそりと暮らし始める。
自らが蒔いた事であるが、世間の冷たい風を真正面から受けながら、懸命に生きていく二人。切ないが、やはり一筋の光はある。

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2022年10月11日

Posted by ブクログ

どこかのサイトで紹介されてたので買ったみた一冊。

マエ持ち女二人組の話だった。

刑務所から出てきた女性二人の日常が書かれていた。
刑務所にいた過去を隠し、地味にいろんなものを捨てて生活していくのは大変だと思う。
罪を犯してしまったのだからしょうがないどんな思うけど
それができない人達がまた罪をおかしてしまうんだと思う。

この二人組の関係はすごく良かった。
お互い真逆のような性格なのにうまがあっている
友情を書いた小説じゃないと思うが、この二人の関係はすごく良かった。

この小説はまだ続きがあるみたい。
ぜひこの二人組の話を読んでみたいと思った小説でした。

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2022年07月01日

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ネタバレ

刑務所からでてきた2人の女性のお話
自分には想像したこともないような世界の話だった。芭子が「多くの人は犯罪を犯す前に踏みとどまる」と言いながら激しい後悔に襲われているのを見て、刑期を終えただけで終わりではないということを痛感させられた。
シリーズものだということ知ったので次を探してみたい。

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2021年07月07日

Posted by ブクログ

結構好きな作品でした。

性格も年も違う2人だけどその凸凹具合がぴったり。
お互いに何かがあるとさりげなく寄り添い合うのが素敵だと思った。

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2021年05月14日

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芭子と綾香のやり取りがなんともいい。
また、二人の前科の自虐的なやり取り
たまにスリリングな雰囲気になる場面も絶妙で
ただ最後には何気にほっこり終わるところも良かった。谷根千の描写はリアルです。懐かしい。

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2020年11月29日

Posted by ブクログ

面白い。

ハコ29歳と、綾香41歳。刑務所からでてからの2人の暮らし。

後ろ暗い過去がある2人が刑務所で知り合いその後を懸命に生きていく2人。

暖かいような冷たいような近所や世間にもまれつつ、なんとか普通の生活に戻ろうとする中で、刑務所の生活を思い出したり、やっぱりわたしは幸せになんてなれないと思ったり。

家族との葛藤だったり、隣近所に知られまいとするのに必死だったり、仕方なかった犯罪だったのかもしれないし、誰でも起こしうる犯罪だったんだけど、捕まってしまった2人のその後。

性格も正反対で持ちつ持たれつの2人の生活がよんでいて、まるで私もその仲間に入れたような、隣の家の人を覗き見るような、なんとも言えない立体感がある小説でした。

乃南アサ。そこがすごい。

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2020年10月21日

Posted by ブクログ

乃南アサの2作品目。
しっかりとした世界観で描かれていて、読みやすい。しゃぼん玉とこの作品を読んでそう思った。

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2020年08月03日

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軽い感じに書かれてるけど、けっこう重たいお話し。
不思議なくらい読みやすい?馴染みやすい?
文章でした。

女の友情とか男の友情とか言うけど、芭子と綾香の関係は
まさに、人間同士の友情って感じがして
少し羨ましくも思えてしまいました。

綾香があんなに頑張ってるなんて全然気づかなかった!
不器用で、上手くやれない人の心の涙にきずけるように
なりたいです。

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2019年11月26日

Posted by ブクログ

乃南アサさんの本を読むのって初めてじゃないだろうか。この小説、NHKでずいぶん前にドラマになっていてそれを見て以来、原作を読みたいなと何となく思っていた。
やっぱりドラマより原作のほうがいい。ドラマでは結局、主人公・芭子は親・きょうだいとのつき合いが復活するというものだったけど、何だかその経緯がすっきりしないと思っていたのが、この原作を読んでなるほどなと思った。
原作では親・きょうだいと決別していた。前向きに、強い気持ちでというのではなく、自分の過去を思えばそれもしかたがないと思いながら芭子は受け入れるわけだけど、そのへんから生き直そうとし、人として強くなっていく様子がつたわってくる。血のつながりなんかじゃない人どうしの結びつきにシンパシィを覚える私にとって好ましいエンディングだった。というか、これ連作の第一弾らしいので、続きも読んでみたい。

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2018年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

刑務所から出所した二人の女性のその後を描いた作品。29歳の芭子と41歳の綾香の友情と、罪を犯した過去を持つ心境を、芭子の目線で描かれています。お嬢様育ちの芭子の甘さが鼻につくものの、最後には彼女を取り巻く世界の中で自分だけの不幸に酔うことの甘さに気づく成長物語でした。綾香に比べて圧倒的にただただ愚かな罪。そこには同情の余地がなく、彼女の人生の恥でしかありません。それを知るからこその卑屈だともとれるけれど、これからはもっと前向きに生きて欲しい。シリーズ化しているようなので、続きが楽しみです。

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2018年04月02日

Posted by ブクログ

(オーディオブックにて)
人に話せない過去をもつ二人。
表に出られない理由があり、ひっそりと生きている。
小さい街に起こる様々な人間模様。
いつまでもこの世界にいたいと思う。

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2017年12月31日

Posted by ブクログ

刑務所から出所した2人の女性の気持ちや生き様を書いたもの。微妙な気持ちの揺れ動きや罪を犯した事による後悔などの描写が良かった。

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2024年04月29日

Posted by ブクログ

友人から借りで拝読。

特に、大きな事件もなく、
ハコとアヤさんの日常を垣間見ている感じ。
シリーズものみたいだから、読み進めると、なんか違う感じもあるのかな?

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2023年04月26日

Posted by ブクログ

乃南アサさんは初めて読みました。
ドラマでみていたので読みやすかったけど、そうでなかったらどうだったのだろう。

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2022年03月06日

Posted by ブクログ

乃南アサさんて、色んなジャンルの小説書くな。
基本読むのは、ミステリーとか、SF多いんやけど…
最近、近くの古本屋が閉店になって、最後は1冊11円になって、その時に、爆買い。あらすじすら見ずに、作者だけで…
失敗しても、この値段なんで(^^;;
さて本題。
マエ持ち女二人組シリーズ第1弾!
前科持ちの女二人が日陰で生きる。
そら、勤めを果たしたとはいえ、刑務所入ってたなんて、言いたくないし、聞いたら線引きする人もいると思う。
「気にするな!」と言われてもね。
それぞれ、支え合いながら生きていく。やはり、人は、自身だけより、誰かと共に生きた方が楽しい。
もう過去は消せないので、前向いて未来に向かって生きてくれ〜!
大きな事件(人死ぬ)が起こって、それを解決みたいなのばっかり読んでるけど、こういうのもたまには良い!

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下町で新しい人生を始める芭子さんの物語。服役期間と同じ期間をかけひっそりと社会に順応しようとしている姿が切ない。一線を越えてしまった「自分」が許せないのでしょうか?「過去」が圧しかかっているのでしょうか?犯罪者という、罪と罰。
ただ、綾香さんとの生活の中で、「一人の人間として、誰に頼ることなく、一方で、地域にとけ込んで生きていくこと考えなさい。良い隣人を持てば、あなたがたの人生だって、きっとやり直しがきく。」その姿に応援している自分を見つける。
ぜひ、続きが見たい。
印象的なフレーズ:
★ほどほどということを知り、誘惑からも、犯罪からもするりと上手に逃げれるものだ。それが出来なかった愚か者だけが、大した決断もないままに一線を越えてしまうのだ
★同じ人間同士と言いながら、ここには明らかに、目に見えない「違い」があるような気がした。意志の弱さか、運の悪さか、誘惑へのもろさか--。
★私、誓ったんだ。やったことは無駄にしない。絶対。私は私の人生を生き直すって。
★刑務所を出るときに言われた言葉を思い出す。一人の人間として、誰に頼ることなく、一方で、地域にとけ込んで生きていくこと考えなさい。良い隣人を持てば、あなたがたの人生だって、きっとやり直しがきく。
★平気なわけ?人殺しと、一つ屋根の下に住んで
★セクハラとか暴力っていうのは、こっちが我慢すればするほど、絶対にエスカレートするものなの。
★もしもあのとき、一人でも想いを寄せてくれる人がいたら、あんなことにはならなかった。

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2021年02月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下町でひっそり生きる女性の話
短編小説なので気軽に読める。
自分がムショ帰りであることが常についてまわっているという心理描写が丁寧。
二人の切っても切れない関係が良いと思った。

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2020年10月11日

Posted by ブクログ

あらすじ
小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃-。綾香が魚屋さんに恋してしまった!心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。

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2019年11月05日

Posted by ブクログ

ピアカンの大切さや出所者への支援を考えさせられる良作。家族との生き別れ、絶縁…。底まで沈んでしまったら後は自然に浮き上がるもの。そうした時の流れが必要な時もある。寄り添ってくれる人がいたら安心が他者への関心を生み出す源泉になるのだなぁ。

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2019年03月26日