あらすじ
小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃──。綾香が魚屋さんに恋してしまった! 心理描写・人物造形の達人が女の友情に斬り込んだ大注目の新シリーズ。ズッコケ新米巡査のアイツも登場。
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Posted by ブクログ
刑務所からでてきた2人の女性のお話
自分には想像したこともないような世界の話だった。芭子が「多くの人は犯罪を犯す前に踏みとどまる」と言いながら激しい後悔に襲われているのを見て、刑期を終えただけで終わりではないということを痛感させられた。
シリーズものだということ知ったので次を探してみたい。
Posted by ブクログ
罪を犯し、前科持ちになってしまった主人公と、同じく前科のある友人の話。読んでいる間ずっと、辛い気持ちでいっぱいだった。
刑期を終えても過去は消えない。いつか自分のことが世間にバレるのではないかと怯え、静かにひっそりと生活している。救いは自分のことを分かってくれる友人だけ。
あー、誠実に生きよう。人に後ろ指を刺されるようなことは絶対しない、とつくづく思わせられた。
それと同時に前科のある人への偏見を持ってはいけない、誠実に生きようともがき苦しんでいる人も大勢いるのだ、と思う。
とても考えさせられる本だったが、いつか主人公たちの前科のことがバレてしまうのではないかと、読んでいる間ずっと気が気ではなかった。それとお話の終わりが中途半端で、なんだこれ?と思った。もしかしてこの本の続きがあるのだろうか?
、、、と思ったらちゃんと続きがあるではないかー!しかも2冊も。
2. すれ違う背中を
3. いちばん長い夜に
気の休まらない時間がまだまだ続くのかなあ、とは思うが、続きが気になるので読むしかない。
登場人物の警察官、高木聖大が主人公のシリーズも2冊あるらしい。
1. ボクの町
2. 駆け込み交番
Posted by ブクログ
下町で新しい人生を始める芭子さんの物語。服役期間と同じ期間をかけひっそりと社会に順応しようとしている姿が切ない。一線を越えてしまった「自分」が許せないのでしょうか?「過去」が圧しかかっているのでしょうか?犯罪者という、罪と罰。
ただ、綾香さんとの生活の中で、「一人の人間として、誰に頼ることなく、一方で、地域にとけ込んで生きていくこと考えなさい。良い隣人を持てば、あなたがたの人生だって、きっとやり直しがきく。」その姿に応援している自分を見つける。
ぜひ、続きが見たい。
印象的なフレーズ:
★ほどほどということを知り、誘惑からも、犯罪からもするりと上手に逃げれるものだ。それが出来なかった愚か者だけが、大した決断もないままに一線を越えてしまうのだ
★同じ人間同士と言いながら、ここには明らかに、目に見えない「違い」があるような気がした。意志の弱さか、運の悪さか、誘惑へのもろさか--。
★私、誓ったんだ。やったことは無駄にしない。絶対。私は私の人生を生き直すって。
★刑務所を出るときに言われた言葉を思い出す。一人の人間として、誰に頼ることなく、一方で、地域にとけ込んで生きていくこと考えなさい。良い隣人を持てば、あなたがたの人生だって、きっとやり直しがきく。
★平気なわけ?人殺しと、一つ屋根の下に住んで
★セクハラとか暴力っていうのは、こっちが我慢すればするほど、絶対にエスカレートするものなの。
★もしもあのとき、一人でも想いを寄せてくれる人がいたら、あんなことにはならなかった。