【感想・ネタバレ】ニサッタ、ニサッタ(下)のレビュー

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心理描写が上手なので、感情移入されてしまう。同じような場面で同じように考えてしまう気がして余計に落ち込む。だからこその、最後の清々しさがとても良かった。いろんな経験をしたからこそ見つけられた大切なものは、意外と身近にあるし、そんな大層なものでなくて良いのだ、と気付かされる。

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2021年05月12日

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ネタバレ

評価は5.

内容(BOOKデーターベース)
借金を何とか返し終えた耕平は、北海道・斜里の実家に戻る。その雄大な自然に癒されたものの、働き口は見つからない。そこに新聞配達所で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やって来る。ようやくスーパーの正社員の道が見えてきた矢先、酒酔い運転で事故を起こしてしまう。明日への希望を問う感動長編。

おばあちゃんの言葉が1つ1つ心にしみた。

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2017年09月20日

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故郷の北海道斜里に戻った主人公の片貝耕平。寝起きする場所、食事は心配する必要もなくなり、地元でのアルバイトも始める。しかし、耕平の甘さは、ここでも同様。再び、転げ落ちる人生が始まる。
沖縄出身の杏奈の抱える生い立ち。北海道と沖縄、そして都会との地域間格差。非正規従業の増加といった誰にも起こりそうな現実。そして、方貝家のオンナたちの逞しさ。
解説を読んで、著者の「方貝」という苗字をつけた思いを知った。解説も秀逸。

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2017年09月17日

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故郷の北海道・知床に帰り、
母と祖母との暮らしを始める片貝耕平。
そこに東京の新聞販売店で同じ仕事をしていた杏菜が
話したいことがあるからとやってきた。
荷物をすべて持って・・・

スーパーのアルバイトで正社員目指して頑張ろうとする耕平は
東京にいる頃よりも成長したかのように見えたけれど、
やはり、甘いのだ。
飲酒運転で事故を起こし、将来は絶たれる。


どこまで転落するのだと思わせるが、
人間はどこからでもやり直せると、
希望の見える明るい終わり方でホッとした。
主人公にはまったく共感もできないけれど、
彼を支える祖母と杏菜には泣かされた。

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2013年08月23日

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自分の中に常にある没落や貧乏とは言えないまでもお金に苦労したくない深層心理を見つめ直す機会になった。もう少し自分が不器用なら、主人公・耕平のようになりかねないな。社員と非正規雇用の差異、中央と地方の差異、標準的な容姿を持つか持たないか。明日より今日という感覚、色々考えながら一気読み。

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2013年01月13日

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ネタバレ

乃南さんの作品とはとても思えない、異色な純文学?社会小説?だった。

でも、上巻から暗い。。暗いというか、ダメすぎて、一瞬でも同じようなダメ人生を味わったことがある人がこれを読むと、ちょっとそのときのことを思い出して、たぶんイヤな気持ちになるかも。

でも、主人公が少しずつどん底から上がってくる期待感もあって、下巻に突入!またここで、どん底に突き落とされる。

生きるのがつらいなら、明日のことは考えずとりあえず今日だけのことを考えなさいっていう、おばあちゃんの言葉が最高によかった。
明日のことなんてわからない。希望になるか、脅威になるか、それはそのときのその人の気持ち次第。
ほんと、そうだなーと思った。

この作品は、おばあちゃんとアンナがいい味をだしている。
彼女たちなしには、成り立たない。

アンナが吐いた最後の一言を思い出すと、ホロリと泣ける。

なんだろう、あの感触。
私もいつかどこかで、同じような気持ちを何度か味わったことがあるような気がする。

『あー、今まで生きてきて、よかったなー、って。。』

…だって(泣)。

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2013年04月25日

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故郷へ帰った耕平、相変わらずやることなすことダメダメで生きる希望も無く自死を考える毎日。そこに杏菜が出生の告白をする。生きるって何だろう、最近親ガチャという言葉があるが、それでいけば杏菜はハズレもハズレということになるだろう。でも一生懸命に生きている、耕平と二人で幸せな人生を歩んでいって欲しい。

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2023年01月18日

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ネタバレ

Rさまオススメ本の下巻。
ようやくちゃんと働くようになったかと思ったら、なぜそのような女に?と思うような女性に入れ込み。
果ては飲酒運転で事故とは。
もうほんと読んでて情けない、歯がゆい思いをさせられるのだけど、思いの外、芯は優しく人に対しても誠実な良い人間なのだと思う。だからなおさら歯がゆいのか。
母親や杏奈にあたり散らしたものの、婆ちゃんのあたたかさには素直になれる。
ようやく落ち着いて母親や姉のことも考えられるようになるなど、やはり根は優しく思いやりがあるのだと思う。
杏奈もそんな部分に救われたのだろうと思う。
最後にはやりたいことを見つけ、希望に溢れる感じが良かったと思う。

しかし、就職難や借金地獄、家族の問題から民族の問題などなかなかに痛烈な内容を孕んでいて、これでもかと主人公が転がり落ちて行くのはしんどかった。
何が悪かったのかと考えるとき、まず自分を振り返るよりも前に周りのせいにする。なんかここまでではなくても、自分でもそんなふうに考えてしまいそうなときがありそうで尚更しんどく感じたのかも。

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2019年08月12日

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ネタバレ

乃波アサの小説を久々に読んだが、知らん間にこういう小説も書くようになっていたんやねぇ。ミステリー作家のイメージがあったが、この小説はミステリー色薄く、人間再生小説である。まるでパーカーの「愛と名誉のために」のような感じである。

主人公の人生の落ちっぷりがリアルで怖い。若気の至りで会社を辞めてしまうとか、再就職した会社が計画倒産とか、派遣で働いても単なる小間使いで仕事にやりがいがなくてついついサボるとか、学習塾で働いている時インフルエンザを圧して出勤し生徒に染してクビとか、行きがかりで出会った女に全財産持ち逃げされるとか、パチンコで負けが込み消費者金融で借金漬けとか、付き合った女が実はバツイチ二人の子持ちとか、酔っ払い運転で交通事故とか…

こうやって列挙すると、こいつなんなん?と思うが、こういうトラップって現実の世の中にいっぱい仕掛けてあるわけで、明日いや今日にでも自分の身に降りかかってきてもおかしくないものだってある。主人公が「甘いヤツ」と切って捨てるだけじゃないリアル感があるのだ。

どん底から這い上がり、人生を再生する小説が好きである。前述の「愛と名誉のために」なんかは、その中でもお気に入りで、何度も読み返しては「俺も頑張ろう」と勇気づけられている。
翻って、この本。確かに再生小説なのだが、何度も何度も底を見る姿とか、パーカーの小説ほどストイックになりきれない態度とかに、忸怩たるものを感じて勇気づけられる部分が少ない気がする。「一度や二度のやり直しで再出発できるほど人生甘くないよ」ということは分からなくもないし、その分リアルさも迫真なんだが、何度も読み直そうと思えるほど勇気をもらえる小説ではないと思った。

世の中そんなに甘くないんやで…ってことを、若い連中に教えたい時に読ませると、ちょっとは効果があるかも知れない。真面目に堅実に生きることが一番で、波風立たない刺激の少ない生き方の幸せさをしっかりかみしめて生きていきたい。

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2017年10月07日

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何をやってもだめな主人公が下巻では故郷に帰ってやり直そうとします。でもやはりなんだか甘い、基本甘ったれで、どうにかなる、今ダメなだけといつも心に逃げ場所を作って、少しでも余裕ができるとすぐに前の苦しみを忘れてしまう。あーでもなんとなく自分の中にもある要素なんで、昔の自分も若干こんな感じあったかもしれないです。
基本的には真面目にやろうと思えば一所懸命なんだけど、少しつまずくとリセットしてゼロからやりたくなる感じなんでしょう。わかる、なんとなくわかる。
彼を追って北海道にくる前職の後輩の杏奈ちゃんが不細工で色黒で豆タンクなんですが健気でかわいいです。とても重要な役目で僕はこの子の行く末を見るために読んだといっても過言ではありません。ジンときました。

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2016年04月08日

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下巻は、いろんな問題に触れられていた。
歴史、民族、法律などなど、さまざまなものが凝縮され、深い味わい。
人生には色々あるけれど、その先にはきっと信じられる何かが待っている。
頑張っていれば、その気持ちがあれば!

2013.10.10

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2013年10月10日

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ネタバレ

主人公の成長物語を

どうなることかと心配しながら一気に読めた。

最後は爽やかに終わり、続きが読みたいなと思った。

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2013年09月17日

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下巻の感想としては、ああ、人間ってこうなるまで気付けない弱い生き物だけど、気付けられれば強くもなれるんだなあ、と力強さを感じた作品。
アメラジアンって言葉は知らなかったけれど、ヒロインの背景は読んでる内から読んでいる方が何と無く理解出来たのに、何で実物を見ている筈の主人公が気付けんのや!!と少しだけツッコミを入れたくはなりましたが、それも含めて、こういう主人公だからこその転落と、そこからの復帰なのかな、と。読み応えありました。

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2013年05月20日

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ネタバレ

読み終わりました。言葉がグサグサ刺さりました、途中ほんとしんどかった…。未来の自分かもしれないと思うと笑えないっていう。この主人公の人生が悲惨すぎて、逆に自分が安心してしまったりね。だからどうなっていくのか目が離せないっていうのもあったけど。

うーん、「今日のことだけを考えて生きなさい」ってあのタイミングで言われたら、どうなんでしょうねぇ。自分が耕平だったらとりあえず泣き崩れるかも。なんか刺さる言葉ではあるよね…。
あとは非正規雇用について自分が考える意味でも、今読むべき作品だったと思います。正直な感想、上下で重い内容だった。笑

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2012年12月18日

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ネタバレ

何もかもいやになる、個人個人でそのレベルはいろいろだけどね…、
うん、風と共に去りぬだな。

最後に笑うために、最後に笑っていたいから、誰かと。

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2012年12月11日

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自分の今の気持ちや悩みにマッチする一冊。「フリーター家を買う」と似たようなお気楽な展開だったら、イラっとするなと思ったけど、もっとリアルで、しっくりきた。取り敢えず目の前の課題に一歩一歩取り組んでいくしかないのか。どうやら、シリーズものがあるみたいだから、次に読んでみようかな。

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2012年11月15日

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良くもまあこれだけいろいろな事があるものだと思いながら読んでいた。決して明るい内容ではないけど、俺も頑張らなくては〜なんて思えた。最後までしっかり読んで良かった作品。

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2012年11月10日

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おばあちゃんの言葉が心に刺さった。どうしようもなく途方に暮れて、生きる気力がなくなった人を目の前にした時、自分だったらどのように声をかけられるだろう?
おばあちゃんは、「ただ今日のことだけ考えれば良い」と。確かにそういわれるとスっと楽になる感覚はある。
耕平を前にして叱咤せず冷静にそのような言葉がかけられるようになるには、どんな人生を歩んできたんだろう、と考えてしまった。

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2024年03月29日

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アイヌ語で「明日」と言う意味のニサッタと言う言葉。

裏面の本の紹介を読んで、どうにも気になってしまって早速読んでみた。

主人公の耕平は、本当にどこにでもいそう。
なんかやろうとしても、上手くいかなかったり、なんだかんだと言い訳をして逃げ出したり動かなかったり。本当にどうしょうもないやつ。それでも、時折見せる前に進む姿に惹かれる。

そんな耕平の物語。

途中から出てくる杏菜も不思議なやつで、どこか掴みどころがないけれど、嫌えない。

何だろうね。どこかにあるこんな日常を僕らも生きている。

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2023年01月20日

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ネタバレ

耕平は何やっても言い訳ばかり、多分正社員にはなれないだろうなと思ってたらまさかの交通事故で心も体もボロボロ。どうやって立ち直るのか心配だった。でも昔は優しいおばあちゃんっ子だったんだろう事とか、不正に立ち向う正義感がある事が彼を救ったんだと思う。

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2022年07月18日

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自分自身の人生を受け入れ、愛する人のために働くことができるようなった主人公。読み進めていけばいくほど、彼の言動の変化が目に見えてわかりました。一度失敗したって、必ずそばで支えてくれる人はいるのだから、どんなときも人生をあきらめてはいけないと思わせてくれる話でした。

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2020年04月18日

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ネタバレ

耕平のような人って実際いると思うし,杏菜の生い立ちのようにつらい人生おくっている人もいると思います。何か考えさせられた作品でした。

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2016年05月07日

Posted by ブクログ

希望がある終り方で本当によかったと思ったのは、どこかで何かを間違えたら主人公みたいになりかねないって感じたからなのかもしれない。
おばあちゃんの優しさと言葉が暖かくて飛行機の中でも泣きそうになってしまった。
明日を考えて不安になるなら、まず今日を生きることに集中する。

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2016年04月16日

Posted by ブクログ

何か上手くいかないことがあると、周りのせいにしてイライラしている主人公。
もう少しがんばればいいのに、、共感はできないなぁと思いながら読んでいたけど、
この主人公に起きるようなことは、自分には起こらない出来事だなんて100%言えないし、
どうにもならない事なんてこれからもたくさんあるだろう。最近の社会情勢も反映されているし、ある意味誰にでも身近な話なのだと、読んでいて気持ちがざわざわした。
もしも私だったらどうするんだろうか。どんな気持ちで、どうするかで人生は変わってくる。
人生っていうとなんだかおおげさな感じがするけど、大なり小なりいろんなことが毎日あって、その一日一日の「私」の積み重ねなんだと思った。

あと、インフルエンザの予防接種を受けておこうかなとも思った。

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2014年11月29日

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ずーっと主人公がぐずぐずしててやきもきしたけど、最後の5分の1くらいでやっと報われた!
最後の最後で、あたたかい気持ちになりました。

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2013年06月27日

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ネタバレ

「ニサッタ」とはアイヌ語で明日の意味。

北海道出身の主人公片貝耕平は東京の大学をでて、就職するが長続きしない。次に入った会社が倒産。

人災派遣に登録し仕事を回してもらうがこれも長続きせず、めぐりめぐって住み込みの新聞配達員になる。

が、ある事件をきっかけに故郷に帰り、スーパーでアルバイトとして働き始めもう少しで社員になれるかというところで、飲酒運転で事故を起こし大怪我を負い、会社からは解雇される。

最後の100ページをきったところで、怪我が治り料理人として今度こそまじめに働きだすところで終了。

耕平の今後と杏奈との関係がどうなるのか、続編が出てもいいような終わりかた。

耕平の祖母の若い頃の物語が、既に発刊済みらしい。

本編もさることながら、解説の分析がここまで読み込まなきゃ解説はできないのかと思うほどすごい。

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2013年05月30日

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主人公の頭が悪すぎ。全て自分が原因の失敗を嘆き、人生や運命のせいにしている。もっと考えてから行動すれば良いのに、そもそも何も考えていない。
ただ自分にも心当たりがある部分はいくつかあって、それであるがゆえに主人公に不快感を感じるのではないかと。

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2013年05月25日

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ネタバレ

わりと下巻も不幸続きで・・・
人生って厳しいなぁと思いました。
もっと明るいお話かと思っていたのですが、何度も読み返したくなる!というお話ではなかったかも。

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2013年02月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

及川(孝)先生からプレゼントされた。

いや~、マジで読んでてイラついた、この男。
救いようがないね。
いつ気が付いて自分の人生立て直すのかなぁ~って読み進めたら、あらら、最後の10ページほどでやっと更生、というかスタートラインに立ったとさww

さて、ワタシにプレゼントしてくれた先生は、何か意図したんですかね、この小説の内容とワタシの人生に…ww


上下巻、共に売った(h25.1.22追記)。

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2013年01月21日

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 ちょっとずつゆっくりだけど前に進んでいって、でもやっぱり失敗もしたりして…。人生ってずっとはうまくいかないよね。もちろん失敗もずっと続くわけではないよね。という気分になりました。よく言われることではあるけれど、改めて思い出させられますネ。

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2013年01月04日

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