乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2023年は小説を読んでいこうと思い、第一弾は乃南アサ。
彼女の作品は中高生の時にちょくちょく読んでいたけど、この本は初めて(祖父の家にたまたまあったので拝借)
大家族に嫁いだ主人公・法子は家族みんなに優しくしてもらい、不自由ない生活から幸せな結婚をしたと思っていた。
しかし、小さな違和感から疑心を抱き、友人にも相談しながら一家の調査を始めていく。
20年以上前の作品とはいえ、毒親や宗教といった今の時代にも通ずる内容。
巧みな心理描写に引き込まれて、ぐいぐい読んでしまった。
もっとも、メリーバッドエンドな終わり方で、読者としてはなんとなく小さなしこりが残る感じ。
でも、乃南アサってこういうテイストだったなと呼び戻される昔の記憶。仄暗い感じ?(全部の作品を読んでるわけじゃないし、読んだけど内容忘れてるものもあるが、ハッピーエンドの作品もあるはず)
この日本においても、表面化していないだけで実はこういった家庭はもしかしたらあるのかもしれない…。
読み終えた後は、結婚するのがちょっと怖くなる笑 -
Posted by ブクログ
祖母の思い出の地、台湾に行って思い出の場所を探し巡るストーリー。現代の日本人の若者である未來は台湾の歴史を何も知らなかった。それは読者の私も同じ。だから未來と同じ目線で驚いたりしながらの読書でした。
台湾の歴史はこんなにも複雑だったのね。台湾が日本だった時代があること。その後、蔣介石による恐ろしい弾圧の時代。初めて知って改めて考えさせられました。同じ台湾人でも世代によって感じ方が違ったり時には言語が違ったり。表情の乏しい台湾人と豊かな若い世代、何が彼らをそうしたのか?というのは、そんな事情があったのか…と。
かなりの長編で、内容的にも重い部分も多かったのでちょっとしんどかった(コロナ療養中にちょこちょこ読んだせいもあるかもしれないけど)。全く共感できない嫌な奴が出てくるせいかも。未來の叔母にあたる隣に住む女、あと台湾の元祖母の住む家に今暮らす一家の惨状に、読んでいて本当にしんどくなりました。挫折しそうになりながらなんとか読み切ったわ。 -
Posted by ブクログ
題名をみて気になって買った一冊。
欲の話だった。
なんか薄気味悪いような、気持ち悪いようなそんななんて言ったらわからないモヤモヤが残った。
始めは主人公の女性が幸せになるために頑張っていくみたいな話なのかと思って読んでいたが、全く違った。
欲に動かされる話しだった。
特に主人公が世話になってる家庭は皆自分勝手に行動してそれを咎める人もいないから、家族という形があっても家族ではなくなってる。
すごい家族だなと思ったが、実際子供がある程度成長したらどの家庭も、そんなもんじゃないかとも感じた。
この小説をなにかに例えると
不味くもないが、美味くもない、食感はすごく悪い
みたいに感じた小説でした。
自分でもよくわからないな -
Posted by ブクログ
昭和20年8月15日水曜日。その日誕生日でもあった鈴子は、母と敗戦を迎える。
戦争は、彼女達から多くを奪って終わった。そして、敗戦は、若い多くの女性たちに新しい苦難を与える。
戦後、RAA(特殊慰安施設協会)が設立され、若い女性達が、一般女性の防波堤として集められていく。彼女達は、自分や家族の生活の為、仕事として受け入れる。
鈴子の母親は、夫を事故で亡くし息子達を戦争に取られ、生きていく為、RAAでの通訳の仕事を得る。
RAAを近くで見た鈴子が、見聞きして理解した戦後を描く。辛い箇所はあるけれど、中学生くらいから読めるのではと思う。
鈴子は、それと共に彼女のお母さまの変貌を見てきた。戦前、妻と母親であったお母さまは、生活の為、好きだった英語を武器に通訳として、働く。娘に「自分で生きる力をつけなさい。」と教育を与える。その変化に戸惑い反発もするが、戦後を生き抜こうとする女性たちも立ち上がり始める。
多くの犠牲と労苦の上に今があるんですね。 -
Posted by ブクログ
1998年から2020年にかけて書かれた乃南アサさんの短編小説アンソロジー。
最初の作品は普通小説っぽくて、意外とそういう作品が並んでいるのかと思い油断して読んでいると、いきなりホラー小説みたくなったり、ミステリっぽくなったり、なかなか多彩である。読み始めた時はどんな作品なのか分からないので、読んでみてのお楽しみ、というスリルがあった。
しかし、私はこの本に対してちょっと申し訳ないことをした。途中から、ヘンリー・ジェイムズの短編集と同時に、つまりかわりばんこに読んだのである。そうしてしまうと、ジェイムズ作品の文章の味わい深さ、物語世界の(心理的な)深さが際立ってしまい、そうすると本書の諸作はあまりにも薄っぺらく見えてしまうのだ。特に文章は読み安すぎて、音も無く流れ去っていく感じだ。この辺はもう、芸術としての格の違いとしか言いようがない。
そんな比較をしてしまうとかわいそうだが、本書の短編は、現在の日本のエンタメ系作家が書いたものとしてじゅうぶんなレベルに達していると思う。悪くはない。 -
Posted by ブクログ
なおなおさんに、「松子さん、警察小説好きですよね?それなら…」と
女性刑事が主役、乃南アサさんの
『花散る頃の殺人』をおすすめしてもらった♪
ブク友さんのレビューやおすすめから、いつも読みたいものを決めていたので、自分が警察小説好きだった事に気付いていなかった!
ほんとだっ!自分の本棚を見ると警察小説がけっこうある∑(゚Д゚)
なおなおさん、すごっ!
初めての女性刑事が主役のお話。
音道貴子、32歳、バツイチ、三姉妹長女、バイク好き、職場でのあだ名は"おっちゃん"。
強く真面目で優秀な刑事。
そんな貴子の女性刑事としてのリアルな日常が書かれていた。
捜査でくたくたになる一方で
再婚に悩んだり、近所で刑事バレして居心地が悪くなったり、三姉妹の長女として妹達を心配したり、男性社会でがんばる女性の苦労がつきまとったり…。捜査と現実にある問題に板挟みになりながらも、まっすぐ彼女らしく進んでいく姿がとても良い♪
『長屋』貴子と安雲の友情が好き!
『茶碗酒』大晦日の警察署内の、何人かで署内でお酒の飲みながら少しくだけた感じで新年を迎える様子がちょっといつもと違う雰囲気で好き(^^)
なおなおさん、
新しい世界と楽しい時間をありがとうございました!