乃南アサのレビュー一覧

  • 花盗人

    Posted by ブクログ

    短編が10編。やっぱり乃南さんの短編はスゴイと思う。こんな短い中でよくこんな展開のさせかたができるなぁ、と感心してしまう。日常に潜む落とし穴。ともすれば身の回りで、あるいは自分自身がはまり込んでしまうのではないかという不安。下手なホラーよりもずっと怖い。

    0
    2009年10月04日
  • 暗鬼

    Posted by ブクログ

    洗脳ってこんなふうにされていくんだ・・・と背筋が寒くなった。
    どうにかして逃げ出すすべはなかったのか。

    0
    2009年10月04日
  • 氷雨心中

    Posted by ブクログ

    いずれも「職人」が主人公のミステリー短編集。
    かなり綿密に取材をされたんだろうな〜と想像させる職人の世界に引き込まれたかと思いきや、最後はどれも背筋がひやっとする結末。
    ちょっと先が読めるところもあったけど、安定した面白さでした。

    0
    2009年10月07日
  • ライン

    Posted by ブクログ

    1本の線だけで結ばれている、
    宙に浮かんだような若者たち。
    深夜のパソコン通信に嵌(は)まる小田切薫の周りで次々殺人事件が起こる。
    それぞれの道を歩む高校の同級生たちは、友情と嫉妬が複雑に絡み合い……。
    オンライン社会の若者の心の揺れを描く。

    0
    2009年10月04日
  • 水の中のふたつの月

    Posted by ブクログ

     毎日何かしらの予定を入れていないと気がすまないOLの月本亜理子はある日、かつての親友・松田恵美から突然電話をもらった。亜理子は気がのらなかったが、強引なまでの恵美におれ、さらにもう一人の親友・京極梨紗も誘って3人で会うことになる。本来なら嬉しいはずの旧友との再会。しかしながら亜理子には素直に喜べない理由があったのだ。

     主人公達に秘密があるパターンで、大人になった3人と、小学校の頃の3人とを交互に描き、徐々にその真相が明らかにされていく。読んでいる側は、最後までその秘密が何なのかをひっぱられて興味をそそられるだけでなく、大人の”女3人”の厭らしさ、子供時代の3人の無垢ゆえの怖さ、その両方共

    0
    2011年09月06日
  • ライン

    Posted by ブクログ

    10年以上前に書かれた本なのに、現在にも通じる感じがした。
    パソコン通信の世界にのめり込み自分を偽って日々チャットにいそしむ主人公。
    その中で次々に殺人が起こる。
    パソコン通信人口がまだあまりいないのか、身近な人達の中で話がすすむのはどうかな?!とは思った。
    現実世界とネット世界を混同してしまってはいけないなぁとあらためて感じた。

    0
    2009年10月04日
  • トゥインクル・ボーイ

    Posted by ブクログ

    またも乃南さんの短編。子どもを題材にしたもの。全部で7編。「さくら橋」と「泡」がヒット。純粋さからくる残忍さっていうのかな。無知だからこそ訪れる結末みたいな。しかもその重大性も認識できないという。こういうの好み。乃南さんの短編、いいね。

    0
    2009年10月04日
  • 夜離れ

    Posted by ブクログ

    ちょっとブラックな味付けの短編集(中編?)「4℃の恋」「祝辞」<結末はなんとなくわかったけど、それでもひいた。。ふむぅ。。「青い夜の底で」「髪」「枕香」「夜離れ(よがれ)」

    0
    2011年07月15日
  • 駆けこみ交番

    Posted by ブクログ

    「ボクの町」の新米警官の高木聖大が赴任した等々力交番あたりが舞台の緩いつながりを持つ短編集。各人が秀でた一芸(2,3芸?)を持つ老人の集団「とどろきセブン」が良い味をだす。過去の解決方法があまりスマートでなかったのがちょっと…だけど。

    0
    2011年07月15日
  • 紫蘭の花嫁

    Posted by ブクログ

    【「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。同じ頃、神奈川県下では不可解な連続女性殺人事件が起こり、刑事部長・小田垣の苦悩の日々が始まった…。追う者と追われる者の心理が複雑に絡み合い、やがて衝撃のクライマックスへ】

    【凍える牙】に引き続き乃南アサは2冊目。
    よくできた話で面白かったです。
    時間をかけて読んでしまった為か最初に花嫁が逃げ出したところは忘れてしまっていたのですが、
    最後のつながり方には納得。
    予想通り!と思うところと、意外な真実があって面白かったです。
    最後があっさりし過ぎていたような気もしますが、
    もやもやした感じで終わらな

    0
    2009年10月10日
  • ライン

    Posted by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより)
    一本の線だけで結ばれている、宙に浮かんだような若者たち。深夜のパソコン通信に嵌まる小田切薫の周りで次々殺人事件が起こる。それぞれの道を歩む高校の同級生たちは、友情と嫉妬が複雑に絡み合い…。オンライン社会の若者の心の揺れを描く、直木賞作家の傑作ミステリー。


    +-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
    この本は、ネットやチャットをした事がある人にとっては身近に感じる作品。
    確かに、文字だけの世界。。。
    あたしも、過去7年前位からかな?
    ネットを自分の心の逃げ場所にした事があ

    0
    2009年10月04日
  • 5年目の魔女

    Posted by ブクログ

    3回コールの後に切れる不気味な電話。この電話は…。艶やかで奔放、計算高く
    身勝手。魔性を秘めた女、貴世美。関係を持った妻帯者の上司を狂わせ、友達
    だった景子は退職を余儀なくされた。5年という歳月が過ぎて、景子はインテリア
    デザイナーとして、新しい一歩を踏み出したその矢先だった、景子の部屋の
    電話が3回鳴った―。女という性の持つ深い闇を暴く長編心理サスペンス。

    0
    2009年10月07日
  • しゃぼん玉

    Posted by ブクログ

    『自分は生涯、しゃぼん玉のように、ただ漂って生きていく。そしていつか、どこかでパチンと弾けて消える』
    暴れる父と自分を疎む母、そんな家庭に育ち、通り魔や傷害を繰り返して“しゃぼん玉”のように生きていた青年・翔人が、逃げ込んだ山奥でふとしたことで助けた婆ちゃんのところに転がり込むことになる。
    彼を婆ちゃんの孫と勘違いした村のおばちゃんの世話焼き、爺ちゃんとの山仕事、訳あって都会から戻った女性との触れ合い。
    『白くふっくらとした銀杏が、山ほど入っているビニール袋を差し出した老婆は、そう言って恥ずかしそうに笑った』、はにかむお婆ちゃんが目に見えるようで、この村の人々のなんと純真無垢なことか。
    こうし

    0
    2025年09月23日
  • 結婚詐欺師(上)

    Posted by ブクログ

    ストーリーは、タイトルから想像するままの世界ですが、上下二巻を先へ先へ読ませていく筆力。さすがに「凍える牙」の作家です。

    0
    2009年10月04日
  • パラダイス・サーティー(上)

    Posted by ブクログ

    中学の同級生だった栗子と菜摘。
    栗子は、ごくごく普通のOL、30才目前の結婚予定なしの
    ちょっとふてくされた感じの、どちらかというと、「女女した女」

    菜摘は、幼い頃から自分の中の性同一障害に気がついていて
    20歳のときに、家族に打ち明け、カミングアウトとともに
    家から追い出され。
    わりと裕福な家庭に育った菜摘だったけれど、それからは
    「一人」で生きていくことに・・
    世間からは「オナベ」と呼ばれる世界
    レズビアンの世界、水商売で成功していく菜摘。
    それとは別に私生活では複雑な恋愛を繰り返し
    傷つくことの多かった菜摘。

    栗子だけは、女どうしでもなく、恋愛関係でもなく

    0
    2009年10月04日
  • パラダイス・サーティー(下)

    Posted by ブクログ

    まるで宝塚の男役を思わせるような想像で菜摘の話を読んでったんだけど。
    こんな菜摘のような人って、世の中には、とてもたくさん
    いるんだろうな〜なんて思うと。
    そういう人の本当の苦しみとかってのを描いたドラマって
    まだないかも。と思ったり。

    いっぽう、栗子のほうは、男性にとって
    ちょっと重たい女性だったりするんだけど
    マジメなだけに、古窪の正体が暴かれていくのが
    面白いやら、かわいそうやら^^;
    うう〜ん、菜摘に会ってみたい・・・・。
    え、私はレズじゃないです。

    0
    2009年10月04日
  • 結婚詐欺師(下)

    Posted by ブクログ

    ストーリーは、タイトルから想像するままの世界ですが、上下二巻を先へ先へ読ませていく筆力。さすがに「凍える牙」の作家です。

    0
    2009年10月04日
  • 女刑事音道貴子 未練

    Posted by ブクログ

    今回の貴子さんは、この間に『鎖』があったと思しき構成もあって、結構ハード。
    事件は単なる発端で思わぬ物語の展開をみせる『聖夜まで』。
    中途半端に終わったかと思わせた話がもう1回希望の火を灯す『立川古物商殺人事件』『殺人者』。
    それぞれの物語に、登場人物の人生がじんじんと沁み込んで、きつい。そして、それに真摯に向き合うことの大事さを知る。
    白眉は『山背吹く』、今の状況を諦めて受け容れることの何と難しいことか、耐えて生きることの何と美しいことか。

    0
    2015年07月20日
  • 花盗人

    Posted by ブクログ

    淡々とした中に冷たい怖さが潜む短編集。短い中で、的確に人間を抉る手腕には感服です。さらさら読めますが、後に残る。「脱出」「最後の花束」が好き。表題作の「貴方がくれたものは桜の小枝、奪っていったものは私の全て」的な文はよかったです。

    0
    2009年10月04日
  • 駆けこみ交番

    Posted by ブクログ

    今時の若者高木聖大くんの交番勤務の日々です。派手に活躍することを漠然と夢見ながらも具体的な目標はなく、彼女がいないの先輩がお天気屋だのと不満はこまごま。そんな中地元のお年寄り達「とどろきセブン」と仲良くなって、色々な事件に関わるように・・・。ミステリではあるんだけどある意味青春物語です。それは第二の青春を生きるとどろきセブンにもいえること。世の中にはいろんな人がいて、それぞれいろんな事情があって、正直関わりたくないなと思うこともありますが。付き合っていかなきゃいけないし、その中から大事な出会いがあるかもしれないし。そう思って社会にでられるといいな。

    0
    2012年09月01日