乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の魅力の使い方を熟知し、入社1年目にして上司と不倫し贅沢な遊びを体験しながら、将来の結婚相手の保険として若手の一番人気も恋人として確保しているという、今だと「猛禽類」と呼ばれるような女性が主人公。
状況を自律的・自覚的にすべてコントロール下に置いている彼女。しかし、まさしく恋とは「堕ちる」もの。コントロールできているということは、それは本当には相手を好きになれていないということと同義でもある。自律性こそを自らのアイデンティティーとして成長した頭の良いヒロインには、ゲームと割り切って遊ぶことはできても、またスポーツでポイントを獲るように目当ての男を落とすことはできても、恋愛に溺れること -
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【あらすじ】
30を前にして家を出て新しい恋にのぼせ上がる栗子と、性同一障害である菜摘の奇妙な共同生活と友情を描く。
それにしても乃南アサは性格に難がある女性を書くのがうまい。それも物語上「嫌なヤツ」という役割が与えられ、そのことがアピールされているキャラではなくて、素で依存心が強かったり、責任感が薄かったり、自分勝手なところがあったり、男にとって都合の良い女を受け入れてしまったり、自己評価が過剰に低かったりする女性だ。『パラダイス・サーティー』の栗子も一人称で書かれている部分を読むとそうでもないのだが、冷静に客観視するとその言動は結構イタいし。
作者のこうしたある意味ではリアルな女 -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
30を前にして家を出て新しい恋にのぼせ上がる栗子と、性同一障害である菜摘の奇妙な共同生活と友情を描く。
それにしても乃南アサは性格に難がある女性を書くのがうまい。それも物語上「嫌なヤツ」という役割が与えられ、そのことがアピールされているキャラではなくて、素で依存心が強かったり、責任感が薄かったり、自分勝手なところがあったり、男にとって都合の良い女を受け入れてしまったり、自己評価が過剰に低かったりする女性だ。『パラダイス・サーティー』の栗子も一人称で書かれている部分を読むとそうでもないのだが、冷静に客観視するとその言動は結構イタいし。
作者のこうしたある意味ではリアルな女 -
Posted by ブクログ
桜が結構咲き誇る福岡から、下巻は帰りの新幹線の中。切符がすんなり取れた割には結構混んでる。
点と点が繋がりを見せ始めた事件に対し、貴子と滝沢は、夏の暑い日ざしに焼かれながらじりじりと真実に近づく。
今回のお話、謎解きの面白さも十分に有るのだけれど、それよりもお互いを変に意識をする貴子・滝沢の、章立て毎に視点を変え語られる相手の心根に対する戸惑う姿の行ったり来たりを楽しむか。
背景に語られる、貴子と奈苗の女同士の微妙な諍い、昂一とのすれ違い、実家の存在、滝沢の大きくなった3人の子どもや思わしくない健康状態などなど。
戸惑いはそのまま完全に融けることはなく、しかし、夫々の警察官としての資質に対する -
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既に桜の便りもちらほらとする春の彼岸の3連休。父の見舞いで福岡へ行く新幹線の中でまずは上巻を一気に読む。
最近、女刑事って本の中では結構見かけるようになったけど、この「音道貴子」シリーズは、事件の中での人々の生活の機微や町の風景の中で主人公の女性としての生活感情を丹念に描いて、安心して読める。
今回のお話は、民家の解体現場から白骨死体が発見されるところから始まる。
貴子と相方の刑事は家主から話を聞こうとするが、その老人は認知症で要領を得ず、徘徊をくり返していたところを撲殺されて発見される。捜査本部が置かれ、各署からも刑事たちが招集される中、貴子の新しい相方は、かつて「凍える牙」でコンビを組み、 -
Posted by ブクログ
【「忙しい」が口癖のOL亜理子は、幼なじみの恵美から十数年ぶりに電話をもらった。梨紗も誘ってかつての仲良し三人組で会おうと言う。突然の電話に不審を抱きつつ、彼女の心は夢のようなあの夏の日に溯っていった。心の奥底へと封印した、妖しい記憶の中へと―。ありふれた生活、時おり見せる特異な性癖。ありふれた彼女たちの表情の裏に見え隠れする、共通の秘密とは?深層に横たわる恐ろしい原体験が日常に染み出す様を描いた、衝撃のサイコ・サスペンス】
面白くて一気に読んでしまいました。
現在と過去の話が交互に展開されていくので
その度に3人共通の秘密にだんだんと近づいていき、
読む手を止められなかったです。
大人にな -
Posted by ブクログ
毎日何かしらの予定を入れていないと気がすまないOLの月本亜理子はある日、かつての親友・松田恵美から突然電話をもらった。亜理子は気がのらなかったが、強引なまでの恵美におれ、さらにもう一人の親友・京極梨紗も誘って3人で会うことになる。本来なら嬉しいはずの旧友との再会。しかしながら亜理子には素直に喜べない理由があったのだ。
主人公達に秘密があるパターンで、大人になった3人と、小学校の頃の3人とを交互に描き、徐々にその真相が明らかにされていく。読んでいる側は、最後までその秘密が何なのかをひっぱられて興味をそそられるだけでなく、大人の”女3人”の厭らしさ、子供時代の3人の無垢ゆえの怖さ、その両方共