あらすじ
幼なじみの“よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで……(「二十二時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、“遠く”という“悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。
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Posted by ブクログ
0時から24時までをアトランダムにその時間その時間を乃南アサの観点で綴っている作品。
たとえば最初の『23時』
足を踏み込んだおかまバーがたまたま20年前に訪れたことがある同じバーであったことから、当時の思い出がよみがえる。
門限が23時ととても厳しい家で、門限に遅れ何度も言い訳を考えこと、たまたま乗ったタクシーの運転手が門限ギリギリを救ってくれたことなどなど・・・
その時間の思い出が子どもの頃のことだったり、高校生の頃のことだったり、OL時代のことだったりと、短い章立てですぐに読んでしまえた。
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(2013.7.15 再読)一時間ごと、その時間にまつわるエッセイというのか私小説というのか、そういうものが綴られた本です。
興味深いものもあれば、退屈な話もあったり。
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乃南アサさんのエッセイ。
今まで読んだ作品からイメージしていたのとは違って、心もとなく頼りなく、でも好奇心旺盛ですとーんと自分の世界にはまりこんでしまい、そしてまたふわふわと漂うような。まるで江國香織さんのエッセイを読んでいるような気分になった。
おふたりの作品は全然ちがうのに、根っこにある「不安だけれどおっかなびっくり動いてみてしまう」というパーソナりティがとても似ているように感じられて不思議。
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短編集のようなエッセイのような、、、さすがに丸ごと事実ではないようだから私小説というのが一番かな。
乃南さん自身の経歴に沿った小話の数々から彼女のこれまでの歩みが浮かび上がってきます。
相当な数の作品を発表している彼女、その原動力には愛猫そっくすの病弱な性質も一役買っているのね。
愛犬くまにまつわるエピソードが重なっていて、彼女の彼らに向けた愛情の深さが伝わってきました。
乃南作品では「しゃぼん玉」が最高傑作という感想は不変だけど、細切れの記憶をそれぞれ時間ごとに書き分けるというのは案外難しいことなんじゃないだろうか。
Posted by ブクログ
前からこの人の小説を読みたいと思っていて、とりあえず短編から入ろうかなと思って買ったもの。
主人公はそれぞれ違うのかと思ってたけど、読み進めていくうちに同じ人と気付いた。
小説というよりエッセイを読んでる感じだった。
割とこの人の書く事に共感できた。
さらりと読める感じ。
この人の他の短編や長編も読みたいと思った。
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内容(「BOOK」データベースより)
幼なじみの“よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで…(「二十四時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、“遠く”という“悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。
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13時,17時,21時,10時の話では子供の頃の気持ちが甦り、
8時のオオカミ犬の話は「あのオオカミ犬だ!」と嬉しくなり、
2時のアパートの隣人の話では1人暮らしをした時の思い出が甦り、
1時,0時の話にはドキッとさせられ、
15時のネコの話には微笑ましいものがありました。
1話が短いので、少しずつ読むのにはちょうど良かったです。
私の人生もこんなふうに時間で描けたら面白いな~と思ったり。
でも面白い話なんてないんですけどね(苦笑)
Posted by ブクログ
◆あらすじ◆
幼なじみの"よっちゃん"は、会う度に違った。
私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。
でもその内面はいつも温かで……(「二十二時」)。
子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた、
方向感覚を失って、"遠く"という"悲しく寂しい場所"に迷い込んでしまった(「十七時」)
人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。
Posted by ブクログ
なんだ、エッセイか。24時間をバラバラにして、印象的な時刻に対するエピソードを連ねてるのが新鮮。年齢と思い出が交錯して存在するのは、リアルに人の脳の中を旅している様。