乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
明治時代に横浜の女学校で学んでいた鈴木カネの兄の銃太郎は、同窓の2人と共に北海道開拓に挑むと旅立った。
その後、兄のいる北海道の十勝オベリベリの地に、父とカネも行くことになる。
カネは兄の同窓の1人渡辺勝と結婚して、オベリベリの地で暮らすためだ。
母や弟妹たち、慣れ親しんだ女学校の先生たちとは離れて暮らすことになる。
何もない地に着いたカネは、自然の厳しさや慣れない暮らしに戸惑いながらも、日々教会での教えを思い出し、聖書を開き、感謝の気持ちも忘れず、夫との新しい暮らしにも前向きに過ごしていた。
ただ、決して暮らしは楽ではなく、働いても働いても作物は多く育たず、同じように内地から希望を抱いて来た -
Posted by ブクログ
働く女性たちの心に芽生える闇を綴った短編集ということになるか?裏表紙の作品紹介を読んで、なるほどこういう筋でこういう題名とはいささかキツイなあ、と思って手にとったんだけど、これ表題作の紹介ではないのだね。よくよく見ると小さく(「春愁」より)って入っている。なるほど。ストーリーとしてインパクトがあるのはこちらで、題名としては表題作がいけるっていう判断か。うーむ。
女性ならずともサラリーマンなら身につまされるであろう「熱帯魚」にはじまり、矛盾点があるようでちょっと気になるんだけどありそうで怖い「ばら色マニュアル」、この作品集中もっとも不安な気分になった「降りそうで降らなかった水曜日のこと」 -
Posted by ブクログ
作者の直木賞受賞第一作である表題作を含む短編集。ちょっと怖い話が多い。それも女性の怖さというのか。冒頭の「薬缶」というのはごく短い話なのだが主婦の不満ということを題名がじつにうまく象徴していてうまい。しかも耳に?いやほんとうに怖い。ある女性と義弟の不可思議な関係を描いた「愛情弁当」というのもよい。これを愛情だと言われてしまうとなんとももっていきどころがなくなってしまうんだがなあ。「最後の花束」っていうのもそういう意味では女性の怖さを描いた作品ですよね。そう、男が真似ようと思ったってかなうわけはないんですよ。それに表題作もなんというか口の中で砂を噛むような読後感ですね。どうも、なんだかやりきれな