乃南アサのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この小説は「新潮ケータイ文庫」に連載された小説らしい。
携帯でアクセスして読める小説だと解説を読んでなるほど・・と。
短い文章だけ少し読んでも、グググっと引き込まれるのだ。
なんか幽霊っぽいんじゃない?とか
なんかありえなくないか?とか思いながらも
ついつい、次が気になって気になって・・・。
主人公は川島秀明・二浪の予備校生。
東京育ちで、ちゃらちゃらした遊び好きで女好き。
いい加減で軽薄。計算高くずるがしこい。
その上小心者。
そんな秀明の身に、あるときから「気配」を感じるようになるのだ。
誰かが、秀明をじっと見つめている。
しかもその「気配」がわからの秀明に対する -
Posted by ブクログ
この「気配」とは何なのか??
最後はどうなってしまうのか?
一気に読めてしまって、このだらしなくて餓鬼っぽい秀明が
また、別のタイプの女性と出会うことからも
心身ともに成長していくところとか、相手の波動によって
自分の波動もキャッチのしかたが変わってくることとか、
自分の心の成長によって、周りも変化していくというのが
とてもとても細部に描かれていて、引き込まれる。
ホラーだと解説があるけど、あまりホラーのイメージはなくて
今のこの便利なネット。携帯、メールなどの言葉のやりとりと
心の言葉、人間の言葉、心理。今失いつつあると思われるものが
実は、一番大切なのは心の内面なの -
Posted by ブクログ
サラリーマンの城戸崇は、一人息子の渉をつれて絢子と再婚した。年頃の男の子にも関わらず、継母との関係も良好、すべてがうまくいっているような家族だった。そんなある日、崇は満員電車の中で痴漢に勘違いされてしまう。警察にいかなくてすむのならと、示談金を払うことにしたが心は晴れない。帰ると今度は絢子に「妊娠した」と告げられる・・・。渉は渉で、毎日学校で繰り広げられる”ゲーム”に辟易していた。
家族に心配かけないようにと、崇も絢子も渉も、言いたいことを全部閉じ込めるが、同時に何も話さないことでお互いを疑い、家族の溝が広がっていく。ちょっとしたことがきっかけで家庭崩壊が始まっていくこの恐さ。特に絢子の