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Posted by ブクログ
ありそうな話だが、それが恐ろしい。
日本工芸を材にした完成度の高い面白い短編が6つ。
「氷雨心中」
酒蔵に落ちて、祖父が女と死んだことを知った。
「青い手」
事件は表に現れないまま終わるが、読後に思い当たる、
そんな風に生活の裏から(物語の裏から)滲み出す暗い部分が、
ミステリアスな香りを漂わせる。
お線香はこうして作るのか、お香も。
「泥眼」
日本舞踊の名手に泥眼の面を頼まれた能面作家のはなし。
女の一途な想いが、面を作ることが、二人の執念のようになって迫ってくる。
「夜離れ」
みな女心の妄執というか、こんな女にとりつかれたら男は恐ろしいだろうし、
女は苦しいだろう。
Posted by ブクログ
職人や伝統工芸をテーマにした、これはブラックショートというんでしょうね。短編が6つありました。線香職人、染工芸、酒造、歯科技工(ジュエリーも)、能面職人、提灯職人、外側からしか知らないその職人さんの仕事ぶりも興味深く読める。そしてそれぞれに、ぞっとするオチが!わかってしまうオチもあったけどそれはそれとして。個人的には能面職人がある踊り手の注文のために何度も何度も何度もうち直しした「泥眼」(嫉妬や怒りの情念が正に正気を失わせようとしている瞬間の女の顔。女が執念の鬼、怨霊の化身となる寸前の、最後の人間の表情。)に引き込まれました。一番アサさんらしいと思いました。
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